Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

【🇦🇹欧州観劇記1-旅行記⑩ウィーン編】エリザとM!のゆかりの地を巡る旅/「運命の絵」の再来/『レベッカ』観劇

ウィーン2日目の旅行記です。この日はミュージカルゆかりの地を巡って最後には『レベッカ』を観劇するという盛りだくさんの1日でした。

前日の旅行記はこちら☟

 

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ネットの情報にはご注意を/ウィーンで韓国のチケットを取る

この日は友人が作ってくれた行程表に「5:30 起床」と書かれているのを見て思わず「シシィかいな」と突っ込んでしまったハードスケジュールの日でした(シシィは5時にたたき起こされてましたね)。予定よりは少し長く寝て、7:45頃にホテルを出発しました。向かった先はプラーター公園(Der Wiener Prater)大観覧車(Wiener Riesenrad)。ウィーン版『エリザベート』の「あなたが側にいれば(Nichts ist schwer)」に登場するというあれです。私はウィーン版を全編は見られていないんですけど・・・。プラーター公園は『モーツァルト!』にも出てきますね。

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ネットの情報では朝の9:00から動いているとのことだったので、オープン時間をめがけて出発。少し早く最寄り駅の「Praterstern」に到着して、駅中の「Felber」というパン屋さんで朝ごはんを食べました。

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私は砂糖がまぶされたパンを選びました。ザクザク食感で美味しかったです。そうそう、イタリアでも思ったのですがウィーンのパン屋さんもしょっぱい系のパンが少ないんですね。サンドウィッチ的なものはあるのですが、ハムや野菜が挟まっている分結構お値段がかわいくなくて。日本のパン屋さんのお惣菜パンが恋しくなりました。

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この日はお天気は良かったのですが本当に寒くて、私は持って行ったウルトラライトダウンを初めて使いました。朝のプラーター公園には誰もいません。それにしてもプラーター公園が遊園地だと思っていなかったので驚きました!!!しかも敷地面積も大きいかなりちゃんとした遊園地です。

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公園にはシシィとフランツのイラストのついたワゴンがありました。シシィが風船ガムを食べてる。

この日の朝9:00から12月に韓国で観劇する『ダディ・ロング・レッグズ』のチケットが発売されるとのことだったので、観覧車の前のベンチでチケットを取りました。無事に購入できて、観覧車の入口に近づくとまさかの10:00オープンと判明!9:00から動いているのはオンシーズンのみのようでした笑笑笑 海外旅行あるあるですね。

スケジュールを確認したところ、あとで戻ってこられそうだったので、ひとまずウィーン中心部へと戻って観光をすることにしました。

 

ウィーンミュージカルゆかりの地を巡る

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まずはシュテファン大聖堂(Stephansdom)に。ここはモーツァルトとコンスタンツェの婚礼とモーツァルトの葬式が行われた場所だそうです。ここはウィーンパスが使えなかったので、無料公開の場所から見学しました。

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次は歩いて移動してホーフブルク宮殿(Hofburg)に行きました。ここはハプスブルク家のレジデンスでマリー・アントワネットの出身地だとか。

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お目当ては宮殿の中にあるシシィ博物館(Sisi Museum)です。

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シェーンブルン宮殿に続きこちらも撮影禁止でした。こじんまりした規模で、シシィの使っていた身の回りの品々や手紙、写真、移動に使った列車の客室を再現した部屋などがありました。ドレスや有名な肖像画も飾られていました。ショップでシシィのブックマーカーを買いました。友人はフランツもセットで。宮殿の前で写真を撮りました。

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お次は宮殿の建物内にあるアウグスティーナ教会(Augustinerkirche)へ。 こちらはシシィとフランツの婚礼が行われた教会です。入口がわかりにくいので注意です。イタリアで見てきた教会のような仰々しい装飾はなく、シュテファン大聖堂に比べても控えめな印象だったので意外でした。観光客もほとんどいなくて友人と貸切状態になることもありました。

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続いて訪れたのはカプツィーナー納骨堂(Kapuzinergruft)

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マークがちょっとかわいいです。

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ここにはハプスブルク家の棺がずらーっと納められていて、「メキシコ皇帝マクシミリアン フランツの弟 革命で銃殺」のマクシミリアンの棺にはメキシコ国旗が備えられていました。

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そしてこちらが田代万里生先生が2時間佇んでいたという、シシィ、フランツ、ルドルフの棺のある部屋です。

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お次はモーツァルトハウス(Mozarthaus Vienna)へと思ったのですがまさかの休館日でした。

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この辺りの施設は全て徒歩圏内でウィーンの街並みを見ながら移動できて楽しかったです。馬車も見かけました。

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伏線回収のカイザーシュマーレン

時間ができたのでどこかでカイザーシュマーレン(Kaiserschmarren)を食べたいという話に。フランツの好物だったというオーストリアのスイーツを食べられるお店はないかと検索してみると、なんと前日に相席した奥様に薦められた「カフェ セントラル(Café Central)」で食べられるという情報をキャッチ。現在地からも近かったので早速行ってみることにしました。

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列ができていましたが進みも早かったのでそんなに並ばずに入店できました。内装はこんな感じで美しかったです。

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友人はホットチョコレート、私はウィンナコーヒー(Vienna coffee)を頼み、カイザーシュマーレンは2人で1つにしてシェアしました。ウィンナコーヒーってなんなんだろうと思いながら生きてきて、このカフェのメニューでアルファベット表記を見て初めて「ウィーン風」を意味していたことに気づき、アハ体験でした。

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カイザーシュマーレンは崩したスポンジケーキにプラムのジャムをかけて食べる形。とても美味しかったです!量がすごく多かったので2人でシェアでちょうど良かったです!!

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店内にはシシィとフランツの肖像画もありました。

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大観覧車リベンジ

お腹も満たされたところでプラーター公園に戻って大観覧車へ。

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乗り場の前には展示室があってここにもシシィとフランツが。

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ゴンドラは大きめで4組くらいで一緒に1つのゴンドラに乗ります。

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進みはゆっくり。他のゴンドラが乗り降りしている間は回転が止まります。


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上から見るとプラーター公園はたくさんアトラクションがある広い遊園地だということがわかりました。こういう遊園地って言ったことがないので次にウィーンに来ることがあったら半日くらいかけて遊んでみたいな〜なんて思ったのですが、フリーパス的なものがないらしく、それはちょっとなという感じ。

遠くに信じられない高さの回転ブランコが見えて震えました。ウィーン再演版『モーツァルト!』のWir zwei zusammenでヴォルフガングとコンスタンツェが乗ってたのはこれかもしれませんね。

 

さまざまな年代のフランツ

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続いては地下鉄で移動して王宮家具博物館(Hofmobiliendepot)へ。ここにはシシィとフランツの肖像画がたくさんあるということで訪れました。

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見てください、この3連フランツ!!!各年代のフランツが並んでいる様子にフランツ贔屓の友人大興奮です!

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出口付近にはじじフランツも。

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ここは写真撮影が可能な上にあんまり人がいないので写真撮り放題です。私は絵画が好きで装飾品にはあんまり惹かれないのですが、ここはとにかく肖像画が充実していたので楽しかったです。

 

フランツ像に見守られながら『レベッカ』のチケ取り

この日の晩はミュージカル『レベッカ』を観劇する予定になっており、当日発売の学生席をオンラインで購入する必要がありました。その前にホーフブルク宮殿の王宮庭園にあるフランツ像を見たいということで移動します。

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移動途中に通りかかったフォルクスガルテン(Volksgarten)シシィの像ということで探したのですがなかなか見つからない!地図を片手にうろうろすること10数分。庭園の奥まった一角で見つけました。遠い!

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このシシィの像の前に広がる芝生で人がお昼寝をしていたのに驚きました。日本ではこの寒さの外で寝る人はなかなかいないのでびっくりしました。

王宮庭園(Burggarten)に入ると、モーツァルトの像がありました。有名な肖像画と顔つきのイメージがだいぶ違ったのでなんだか不思議な感じでした。

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そして見つけました!フランツの像!曇り空も相まって「夜のボート」感がすごい。

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私たちはフランツの像のすぐそばにあるベンチに座って『レベッカ』のチケットを取ることにしました。寒かったですがお店を探す時間的な余裕も体力もなかったので。ベンチに座ってチケットサイトの会員登録をしていると、友人の携帯の充電が危うくなってきたのですが、モバイルバッテリーをホテルに置いてきてしまったことに気が付きます。私のを貸そうとしたのですがコードがタイプCとライトニングで異なり、貸せないことが判明。とりあえずなんとかチケットを購入し、開演までの間に友人はホテルにバッテリーを取りに行く運びとなりました。

 

惹かれ合うシニャックと私

友人がホテルに戻っている間、私はどこか美術館に行くことにしました(同級生に言うと驚かれるのですが、私たちは海外旅行中に普通に別行動をします)。開演前に『レベッカ』が上演されるライムント劇場前でランデブーです。

美術館を見られる時間は1時間程度。近くの美術館を調べてアルベルティーナ(Albertinaplatz)レオポルド美術館(Leopold Museum)のどちらかにしようと考えました。前者は印象派以降の近代美術、後者はオーストリア出身の画家の作品が中心ということで迷いましたが、悩んでいる時間も勿体ないので前を一度通りかかっていて場所の検討が付いていたアルベルティーナに飛び込むことにしました。信号待ちをしているときにアルベルティーナについて調べたら「目玉になるような作品はあまりない」と書かれているのを見つけてしまい、選択を誤ったか?とも思ったのですが、ウィーンパスを片手にとにかく飛び込みました。

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よく調べていませんでしたが今ウィーンパスのサイトを見ていたら、レオポルド美術館はパスの対象外のようだったのでお得さという意味でもアルベルティーナを取って正解だったようです。

アルベルティーナでは「MONET bis PICASSO Die Sammlung BATLINER」と「MICHELANGELO und Die Folgen」という2つの企画展をやっていました。私は印象派以降の作品が好きなので前者の展示室に向かいます。上階の展示室に行くためのエレベーターに乗り込むと老夫婦が2組いてすごく見られました。1人で美術館にいる人が少ないからか、子どもが1人で美術館いると思われたか、はたまたアジア人が少ないからか、真相はわかりませんがすごく見られました。

エレベーターを降りるとそこはすぐ展示室の中で、展示のスタート地点を探そうかとウロウロしているとある作品が目に止まり思わず「え?」と声を出してしまいました。なんと私の愛するポール・シニャックの絵、しかも点が大きくなって以降の私の好きな年代の絵が3枚も並んでいるんです!

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計画もせず飛び込んだ先でシニャックの絵に出会えるとは。夢にも思いませんでした。絵に近づいていくとさらに驚きました。私が2日前にヴェネツィアで訪れたサン・ジョルジョ・マッジョーレ聖堂(Basilica di San Giorgio Maggiore)が描かれているではありませんか!衝撃でした。

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ヴェネツィア、ピンクの雲》(Venice, the Pink Cloud

10年以上前、小学3年生のころ、私は学校の図工の先生が「夏休みに美術館や博物館に行ってみるのもいいですね」と言ったのを宿題だと勘違いして父に上野に連れて行ってもらい、国立西洋美術館に入りました。美術館に入ったのは初めてでした。そこで私の心を掴んで、一気に絵画、特に印象派以降の作品への興味を引き出したのがポール・シニャックの《サン=トロペの港》(The Port of Saint-Tropezという作品でした。私の「運命の絵」です。

それ以降、さまざまな美術館を訪れましたがこの絵を超える絵には出会っていませんし、シニャックは変わらず私の1番好きな画家です。そんなシニャックの作品にたまたま入った美術館で出会い、そこに2日前に訪れた教会が描かれている。これは最早「第2の運命」で、シニャックと私は惹かれ合っているとしか思えません!

The Golden Horn, MistAntibes, the Towersも素敵でした。

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他にも有名どころだとピカソマグリット、ミロ、クレーの作品などがありました。気に入ったのはモネの《睡蓮》(1917-1919)ムンクWinter landscapeです。

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ムンクの風景画がこんなにもかっこいいとは知りませんでした!

この展示室を見終わった時点でまだ時間にゆとりがあったのでミケランジェロの方もちらっと見たのですが、デッサンがメインだったので早歩きで一周してミュージアムショップに移動しました。ここでも驚きが!なかなかグッズ化されないことに(私の家族の中で)定評のあるシニャックの絵がこの美術館ではグッズ化されているのです😂 トートバッグがあったので迷わず買いました。

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かわいい😭😭😭 これでシニャック好きアピールをしながら街中を歩けます。トートバッグは思想ですからね。

 

ライムント劇場で『レベッカ』を観劇

トートバッグを肩にかけてるんるんしながら友人と待ち合わせしているライムント劇場(Raimund Theater)へ。


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ミュージカル『レベッカ』(Rebecca - Das Musicalを無事観劇できました!詳しい経緯や感想はこちらにまとめてあります☟

しかも終演後にはマーク・ザイベルト(Mark Seibert)さんにお写真を撮ってもらいました。ずっと憧れていた俳優さんに写真を撮っていただけて幸せすぎました!!!

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またまたるんるんで夜道を歩きました。信号が変わるのを待ちながらRebeccaの1番高いパートを歌っていたら前に立っていたお姉さんが振り返りました。驚かせてしまって申し訳ない。

 

夜ご飯は屋台で

終演後は既に時間も遅かったので、ウィーン中心部で何件か見かけていた屋台で食べることにしました。並んでいた2件を比べて、ポテトとソーセージのセットが売っていたこちらのお店に決めました。

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屋台のおじさんに「どこから来たの?」と聞かれたので「日本」と答えると「ジャッキー・チェン?」と聞かれました。「それは中国よ~」と答えると「そうかそうか~」となっていて特に不快には思わなかったですが、アジアの解像度なんてそんなもんよな~と思いました。まあ私たちもヨーロッパ各国の解像度低いですしね。人のよさそうな方で私たちが店の横で食べている間、何度も笑顔を向けてくれました。

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私たちが食べていると他にも何組か屋台で食べ物や飲み物を買う人が現れて、寒い中みんなで黙々と立ったままご飯を食べている状況になぜか心がちょっとほくほくしました。

チーズ入りのソーセージが特に美味しかったのですが、ここでも量が多くて、私はホテルに持って帰ることになりました。

 

このあとはホテルに帰っておやすみ。