Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

【🇦🇹欧州観劇記1-旅行記⑨ウィーン編】シェーンブルン宮殿/クリムト《接吻》/「お代は既にいただいております」

覚えている人はいるのか・・・というくらい前回の更新からかなり時間が経ってしまいましたが、10月のイタリア→オーストリア旅行記の続きです😂

前回はヴェネツィアから夜行列車に乗って移動したところまでを書きました。

今回の記事も一緒に旅行した友人の撮影した写真を使わせてもらっています。ありがとう友人。友人もブログをやっていて旅行記をあげています(しかもとっくのとうに)。実用的な情報を知りたい方は友人のブログがおすすめです。

それでは重い腰を上げて旅行記の続きを書きます。

10/17

ウィーンの地下鉄事情と早朝から巻き込まれたトラブル

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列車は朝の8:00ごろにウィーン中央駅(Wien Hauptbahnhof)に到着。そこから地下鉄に乗ってホテルの最寄り駅を目指そうとしたのですが、早速トラブルが発生!

地下鉄U1の打刻機前にあるチケット販売機で2日間有効な地下鉄・バス・トラムに乗り放題のパスを買おうとしたところ、券売機の不具合で友人の買ったパスが出てこない!!クレジットカードの利用通知は来たとのことだったので、もう1枚買ったら二重に請求されてしまうよな、というわけで職員さんに声をかけようとしたのですが改札には職員らしき人はおらず、少し離れたところにある案内所にいた職員の方に声をかけました。すると手際よく返金対応用の記入用紙を渡してくれたのですが、項目の中には見慣れない「International Bank Account Number(国際銀行口座番号)」なる文字が。調べてみると日本はこの「IBAN」を採用していないんですよね。それを職員の方に説明したのですがなかなか分かってもらえず。2ターンくらい「ないと返金できない」「日本はこのシステムを採用していない」というやり取りをしたら、その方も納得してくれて「クレジットカードの番号の記入でもいい」と言ってくれて、紙にも何やら説明書きを加えてくれました。「この場でパスを買いなおす?」と聞いてくれたので友人は対面でフリーパスを購入しました。

ちなみに後日無事クレジットカード経由で返金はあったそうですが、数か月後に友人が再び同じ駅でパスを買おうとしたらまたパスが発券されず(しかも同じ機械!)、返金対応もやや悪かったらしいので、皆さん気を付けてください。地下鉄U1打刻機前の1番右の機械は使わない方がいいですよ。

 

ウィーンの地下鉄は清潔感もありますし乗っている人たちも静かで、どこなく日本に雰囲気が似ていてほっとできました。ただ、むき出しの犬が乗っていたのだけは怖かったですね。混雑している時間に乗った時には目の前に抱っこされた小型犬がいて犬が怖い私は震えました。イタリアではスーパーにそのまま犬が入っていくなんていう光景を見ましたし、ヨーロッパでは犬がむき出しのまま運ばれている印象です。

何より驚いたのは改札の仕組み!というか改札がないも同然なんですよね。みんな何かをタッチするでもなく、何かを見せるでもなくそのままホームに入って行って電車に乗ります。私たちが買ったフリーパスも初めて電車に乗るときに改札(があるべきところ)にある打刻機でスタンプを押したあとは誰にも見せることはありませんでした。イタリアでも似たような仕組みの駅が多くて「どうなっているの?みんな無賃乗車するでしょ」とヴェネツィアに留学中の友達に聞くと「たまに検札が来るんだよ。無賃乗車の人は検札にひっかかると罰金を払わされる。鉄道会社はその罰金で儲けてるんだよ」と言われました笑笑

 

フランツ・ヨーゼフゆかりのホテルに到着

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朝っぱらからカルチャーショックを受けつつホテルの最寄り駅「Hietzing」に到着。虹色の可愛い横断歩道を渡り、少し歩くとホテルが見えてきました。

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ウィーンで宿泊したのは「Austria Trend Parkhotel Schonbrunn Wien」。このホテルはなんと皇帝フランツ・ヨーゼフの旧迎賓館だった建物だそうです!!フランツ贔屓の友人が見つけてきてくれたホテルです。場所もシェーンブルン宮殿の敷地から道路を1本挟んですぐのところで、宮殿までは歩いて10分ほどの距離でした。

フロントでキャリーケースを預け、お手洗いにと思ったところで、メイク道具をキャリーケースに入れて預けてしまったことに気が付きました。「まあノーメイクでもいいか」と一瞬思いましたが「写真もたくさん撮るし」と悩んでいたとき、色付きのリップクリームだけは持っていることを思い出しまして、とりあえずそのリップクリームをアイシャドウ代わりにしてみることにしました。塗ってみると案外かわいい色味になったのでこの日は1日それで周りました。ちなみにホテルの地下のトイレはこんなにとても美しかったです。

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手荷物だけになったところでホテルのロビーを探索するとシシィやフランツの肖像画がたくさんあることに気が付きました。これは『エリザベート』好きにはたまらないと思います。

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ロビーの椅子に座って、ウィーン市内の文化施設や一部乗り物でも利用できるウィーンパス(Vienna Pass)をオンラインサイトで購入。ここでシェーンブルン宮殿の情報を調べていると混雑時には3時間待ちになることも」なんていう情報を見つけてしまい怯えながら宮殿を目指すことになりました。

 

いざ、シェーンブルン宮殿

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道路を渡ってシェーンブルン宮殿(Schloss Schönbrunn)の敷地内に入り、砂利道を進んでいくと、向かい側からは馬車が!入ってすぐのところには動物園もありました。そして歩みを進めていくと宮殿の前に辿り着きました!!!いい天気!!

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早速、宮殿の中に入れるグランドツアー(The Grand Tour)の入り口を探すもののどこにあるのかわかりません。チケット売り場の建物に案内所があったのでそこで聞いてみると、正門を出て道路を渡った先にある建物でチケットを引き換えるようにと言われました。そこで歩いて行ってウィーンパスを見せるとこの時点から約1時間後に入場できる紙チケットを渡されました。

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それまでの時間は宮殿内の庭園を散策することにしました。

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訪れたのは迷路庭園(Irrgarten und Labyrinth)。アリスになったような気分で迷路を楽しみましたが、全然出口にたどり着けない&やっと外に出られたと思ったら入口で笑ってしまいました。

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もう少し時間があったので宮殿の前に広がる庭園へ。庭では植栽の入れ替え作業が行われていて土を掘り返したとき特有の肥料みたいな匂いがしてすごく臭かったです笑笑笑 風上に立って匂いを避けつつ写真撮影。友人と撮り合いっこをしていると大きなカメラを持った観光客の男性に彼の写真を撮ってほしいと頼まれました。ついでに私たちも写真を撮ってもらったのですが、なぜかものすごい引きでした。しかも私たちのポーズもアニーのポスターみたいで謎写真になりました。

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「この宮殿のどこかにリーヴァイ先生が住んでいるのね!!」ってはしゃぎながら宮殿を眺めました。ちなみにオーストリア政府は住宅不足解消のために宮殿内に公営住宅を設けたそうです。リーヴァイ先生だから特別にという訳ではないのかもしれません。

 

フランツの部屋はシシィだらけ

宮殿内は写真撮影が禁止でした。悲しい。

入口では日本語の音声ガイドが無料で借りられました。折りたたまないガラケーのような形の機械を耳に当てながら回るのがちょっと面白いです。音声は男性の声と女性の声が代わる代わる流れるのですが、この男性の声がとてもいい声だったのを覚えています。音声ガイドあるあるで、音声を聞き終わる前に次の部屋に行きたくなってしまったのですごく興味のある部屋以外はガイドも飛ばし飛ばし、1時間ほどで全体を見終わりました。

ガイドの中で特に印象に残ったのが、マリア・テレジアが娘を政略結婚させる際に「娘は結婚によって不幸になるだろうが、子孫を産んで家が繁栄すれば死後に魂は救われるだろう」と言っていたこと。『エリザベート』を見ていてシシィの結婚生活を覆った不幸についてばかり詳しくなりますが、この時代みんなそんな感じですよね。。。女性が死後にではなく今生で幸せを掴める時代になって良かったよ。

フランツが使用していた部屋にはシシィの絵や写真がたくさん飾られていました。あれは当時を再現しているのか、はたまた展示した現代の人間がシシィを愛していたフランツのためにorフランツの愛の大きさを見学者に示すために飾っているのでしょうか。そこが気になりました。フランツは執務室の机に一日中座ったまま仕事をしていて、ご飯もそこに座ったまま食べていたといいます。

シシィの部屋には吊り輪がありました。宮殿の豪華な装飾の中に突然吊り輪が現れるのが面白かったです。本当にシシィは吊り輪で体操をしていたんだと感じられて嬉しかったです。

ツアーの最後に付いていたショップで私はシシィがプリントされたリップクリームを買いました。ウィーンにはシシィグッズが大量にあるのかと思っていましたが、どの施設に行ってもラインナップがだいたい固定されていたのはちょっと不満でしたね。

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シェーンブルン宮殿のお土産屋さんは紙袋も可愛いです。

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宮殿内の電車に乗ってグロリエッテへ

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この次は宮殿敷地内のグロリエッテ(Gloriette)に行きたかったのですが、グロリエッテはものすごい坂の上にあります。「あの丘を上るのか・・・」と震えていると宮殿のすぐそばから敷地内を周る列車「Schönbrunn: Transfer-Train Tirolerhof & Zooが出ていたので、それに乗っていくことにしました。イメージ的にはアウトレットモールの中を走っている子ども用の列車に似たような雰囲気です(もうちょっとしっかりしてますが)。こちらは有料なのですが、ウィーンパスで乗ることができました。

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歩きっぱなしで疲れていたので座ることができてほっとしたのも束の間、車体がものすごい勢いで揺れ始めてびっくりしました。この列車、相当な砂利道の斜面を登っていく関係で揺れがものすごいです。動物園の近くを通ったときにはお尻が座面から浮き上がりました。「サファリパークかい!」とか言いながら私たちが爆笑していると前に乗っていたマダムと目が合って、お互いに笑っちゃいました。知らない人とやばさを共有したくなるレベルの揺れです笑

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列車に揺られること15分ほどでグロリエッテに到着しました。

 

凍えるグロリエッテ

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グロリエッテの屋上テラスにはウィーンパスを使って上がりました。宮殿とその向こうの街並みが一望できて素敵でした。ただこの日は、というか私たちがヴェネツィアに到着して以降は寒波が押し寄せていてとにかく寒かった。ローマでは半袖で過ごしていたのに。。。秋服を持って行った私は重ね着をしたものの日が照っていない場所では常に震えながら過ごしました。

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そんなわけでさくっとテラスから引き揚げて、グロリエッテの建物の中にあるカフェ グロリエッテ(Café Gloriette)に入って暖を取りつつ腹ごしらえをすることにしました。


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私はハンガリー料理のグヤーシュ(gulyás)を食べました。このシチュー状の部分がグヤーシュで真ん中の丸いのは「Dumpling」=団子と書かれていました。このダンプリングの味がこれまでに食べたことのない本当に謎の味でした。。。。。。。。。何でできているのかもわかりませんでした。完全に未知の味です。グヤーシュはとっても美味しかったです。牛肉もごろっと入っていて満足度ばっちりでした。最終日の旅行記にも書きますが、クノールがグヤーシュの素を売っていたので買って帰って自宅でもグヤーシュを食べました!!お気に入りです!!

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友人はFrittatensuppeという南ドイツのスープを飲んでいました。こちらはクレープのようなパンケーキをスープに入れた料理です。スープはコンソメ系でした。

食後に建物の下にあるお手洗いに入ろうとすると入口の横のカウンターにいる女性にドイツ語で話しかけられました。お金がかかるお手洗いなのか!と気が付いて、友人と「このあと行く美術館でお手洗いは行けばいいか」と話し、その場を後にしようとすると女性が私たちを呼び止めて、お手洗いの方へ促されました。よくわからないままお手洗いを使わせてもらったのですが、もしかしたらご厚意だったのかもしれません。

 

バス停までダッシュ

次の目的地はベルヴェデーレ宮殿で、そこまでの移動にウィーンパスで乗車できる観光バス「HOP ON HOP OFF」が使えるとのことでバス停を目指すことにしました。寒かったし疲れていたのでグロリエッテまで乗ってきた列車に乗って宮殿の正門まで行きたいとも思いましたが、いかんせん列車の時刻表どころか乗り場等もどこなのかわかりませんし、待っていて列車が来なくても嫌なので、丘を歩いて下ることにしました。

バス停もどこにあるかわからなかったのですが、ひとまず正門前の大通りに出てみることに。通りの向こうにロータリーのようなものが見えたので信号を渡ろうとすると目の前を「HOP ON HOP OFF」と書かれたバスが通り過ぎました。「できるならあれに乗りたい!」と思いつつ「流石に追いつけないかも」と考えながらダッシュすると、バスがロータリーに入るために大回りしたようで、そのバスに乗ることができました。

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バスには顔がついています😂

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2階建てバスだったのでせっかくならと2階席に着席。ウィーンの街並みを眺めながら「ウィーンなら少し住んでみたいかもしれない」なんて話しました。バスから眺めていて、ウィーンは道路が広く、建物もゆったりと間隔をもって立ち並んでいるように見えました。街中も交通機関も清潔感がありますし、街全体が静かな雰囲気なのも好きでしたね。

 

ベルヴェデーレ上宮はクリムトの宝庫

バスはウィーン中央駅を通る大回りのコースで、30~40分ほどでベルヴェデーレ宮殿の上宮美術館(Upper Belvedere)の前に着きました。

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こちらでもウィーンパスを提示しました。宮殿の中に入ると一面真っ白。

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真っ白な空間にGerold Tuschという作家の《3匹のゴルゴン(メデューサ、ステンノ、エウリュアレ))》(Die drei Gorgonen (Medusa, Stheno und Euryale))という真っ赤でグロテスクな作品が展示されている光景は異様ながらも惹かれるものがありました。

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そして真っ先に向かった先はクリムトの《接吻》(Der Kussです!!

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まさか生で見られる日がこんなに早く来るとは!!!写真だと分かりにくいですが本物はキラキラと光り輝いていました。

構図や色味は同じ展示室にあったこちらの《フリッツァ・リードラーの肖像》(Fritza Riedlerや上階の展示室にあった《白い服の女》(Dame in Weißの方が気に入ったのですが、やっぱり世界中に広く知られる絵画の持っているパワー、人を惹きつけてやまない何かしらの力が《接吻》には感じられました。


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ベルヴェデーレは有名な《ユディト》(Judithも所蔵しているのですが今回は貸出中でした😭 ユディトは題材として特別好きですし、クリムトの作品でも好きな作品なのでとても哀しかったですが、幸い2019年に東京都美術館で開催された『クリムト展』で見たことがあったので暴れずに済みました。これを書きながら調べていて《白い服の女》も同展で見ていたと知りました。覚えてなかった・・・

クリムトに風景画のイメージはなかったのですが、こちらも素敵でした。

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この中では《カンマー城の公園の並木道》(Allee zum Schloss Kammerが気に入りました。

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この美術館はオーストリアゆかりの画家の作品を集めているようで、クリムトの他にはエゴン・シーレの作品がたくさん展示されていました。シーレの作風は好みではないのですが《死と乙女》(Tod und Mädchenが展示されているのを見て、だいぶ前に『エゴン・シーレ 死と乙女』(Egon Schiele: Tod und Mädchen)という伝記映画を見たことを思い出しました。内容は全く思い出せないのでそのうちまた見ようと思います。

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相席での素敵な出会い

ベルヴェデーレからトラムに乗ってウィーンの中心部に移動しました。ウィーン国立歌劇場がある辺りです。イタリアのトラムは治安があまり良くないという話を聞いていましたが、ウィーンのトラムは特にそういったことはありませんでした。

ゲルストナー(Gerstner)オーストリア発のウエハースブランド「マンナー(Manner)」のショップを見物しました。マンナーはピンクに青文字のパッケージが可愛かったです!ネットで見かけたパーカーがあったら欲しかったのですが今回の旅行では見かけませんでした。そこから友人が調べておいてくれた「Reinthaler’s Beisl」というレストランへ。

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お店に到着したのは18:00ごろ。人気店らしく予約で席がいっぱいと言われてしまいました。ただ、お店の前で待っていれば席が空き次第入れてくれるとのことだったのでドアの前で並んでみることにしました。私たちが並んでいると後ろにも3~4組列が伸びていきました。

しばらくすると店員さんが出てきて「5人席が空いたから2組目に並んでいる人と相席で良い?」と聞かれました。私たちも後ろに並んでいた方々も了承して相席することになりました。私たちがドリンクとオーストリア料理のシュニッツェル(das Schnitzel)を頼み、いつも通りお喋りしていると相席をしていた2人組のうちの1人が「どこから来たの?」と話しかけてくださいました。「日本だよ~」と答えると2人はアメリカから来たご夫婦だと教えてくれました。その後も旦那さんと私たちの間で「2人は姉妹なの?」「いや友だちだけど中学校からの付き合いでほぼ家族並みだよ」「学生?」「大学生!」といったやり取りが楽しく続きましたが、奥さんは時折携帯を眺めながらため息をついていて楽しくなさそう。そんな奥さんを見て旦那さんは「もうそれを見るのはやめなよ」なんて言っています。

「私たちと話すの嫌なのかな・・・」という私たちの心配をよそに旦那さんはノリノリで話しかけてきます。「日本の朝ごはんの定番は?」とか。日本式の卵焼きを英語で伝えるのはなかなかに難しかったです。カメラロールに卵焼きの写真がないかと探したけれどなかったので身振り手振りで必死で伝えました笑 日本食の話になると奥さんも話に入ってきて「私はヴィーガンで、日本食は野菜を使った料理が多いから興味がある」と話してくれました。旦那さんの「お酒は飲む?」という質問に「そんなに飲まないよ」と答えると奥さんが「飲まなくていいわ。(旦那さんを指して)こんな風になっちゃうから」なんてジョークを飛ばしてきたりして、4人で話がかなり盛り上がりました。旦那さんはシュニッツェルが大好物だそうで、奥さんは彼のために肉を叩きまくってシュニッツェルを作るんだとか。「肉を叩くと部屋中に飛び散って大変」ともおっしゃっていました。私たちが「このあとはザッハーに行ってザッハトルテを買うんだ」と言うと奥様が「あそこはすごく並んでいるでしょ!?『カフェセントラル』でもザッハトルテは食べられるし、こっちならあんまり並んでいなくておすすめ」と教えてくださったりもしました。

でも時折、奥さんがやっぱり携帯を見て悲しそうな顔をするんですよね。気になっていると旦那さんが「家で飼っている犬が飼っている鶏を殺してしまった(かもしれない)」と言うんですね。旦那さんは「まだ死んだとは限らないんだから!帰ったらピンピンしてるかもよ!」なんて楽観的で奥さんは「絶対に死んでいる」と更に落ち込んでいました。私たちはなんと声をかけていいかわかりませんでした。しかもそのタイミングで旦那さんがアメリカの家の農場を見せてくれたんですけど鶏小屋の写真とかを見せてくるんですよ。なんてリアクションすればいいのよ!!!

そんなこんなで時折気まずくなりつつも楽しい会話を繰り広げながら食事をしました。シュニッツェルは想像を超えるボリュームでしたが美味しかったのでもりもり食べました。

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ご夫婦の方が早く食べ終わったので「楽しかった~ありがとう~」なんて言って別れ、私たちは10~15分後くらいにお会計を頼みました。すると店員のお姉さんが「You don't have to pay」と言うのです。ん?と困惑していると店員さんはややハイテンションで「先ほどのご夫婦があなたたちの分も払って帰ったの!!!」と教えてくれました!ええええ!!!!!まさか旅先で「お代は既にいただいております」を体験するとは!!「かっこよすぎるよ!!!!」って叫びながらお店を後にしました。

 

ザッハーでザッハトルテをGet

興奮冷めやらぬ私たちが目指したのはカフェザッハー(Café Sacher)ザッハトルテはお持ち帰りできるという情報を掴んでいたので、そうしようと思っていたのですがどこで売っているのかわからなかったのでとりあえずカフェの待ち列に並びました。待ちは5組くらい。日中に比べてかなり落ち着いています。

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すぐに順番が回ってきたので店員さんにザッハトルテをテイクアウトしたい旨を伝えると、1ピースずつ紙箱に入ったザッハトルテを持ってきてくれました。

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このあとはマンナーのショップで気になっていたお菓子をいくつか購入し、地下鉄に乗ってホテルに帰りました。

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ホテルでザッハトルテを食べる

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チェックインをしていよいよホテルのお部屋に入りました。広い!!綺麗!!!お洒落!!!!

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ザッハトルテは甘くて飽きるかも」と聞いていましたが、そこまでしつこい味ではなかったので美味しく食べ進めました。確かに最後の3口くらいが重い感じはありましたけど、上のチョコレートとスポンジの間に入っているベリーソースが爽やかで美味しかったです。

この日はこれでおやすみです。