Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

朝美絢に頭を支配される 雪組『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』『FROZEN HOLIDAY』1/25 M 感想

東京宝塚劇場

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なんと!『1789』ぶりの宝塚でした!雪組に関しては『蒼穹の昴』ぶり!久しぶりに見たらとっても素敵で「なんでチケ取りサボっちゃったんだろう」と過去の自分を責めることになりました。

作品概要・キャスト

Happy“NEW”Musical『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』-Boiled Doyle on the Toil Trail-

作・演出: 生田大和
作曲・編曲: 斉藤恒芳

アーサー・コナン・ドイル: 彩風咲奈
ルイーザ・ドイル: 夢白あや
シャーロック・ホームズ000: 朝美絢
ハーバート・グリーンハウ・スミス: 和希そら
ミロ・デ・メイヤー教授: 縣千
+39人

 

Winter Spectacular『FROZEN HOLIDAY』-Snow Troupe 100th Anniversary-

作・演出: 野口幸作
音楽・編曲: 青木朝子、手島恭子、甲斐正人斉藤恒芳、小澤時史
作曲: Frank Wildhorn(フランク・ワイルドホーン)

※2024年1月現在、野口幸作氏は、元演出助手の方に対するセクシャルハラスメントがあったと告発されています。真偽のほどが明らかになっていない状況ですが、こうした告発があったときにはできるだけ告発をした方に寄り添いたいと考えているので、同氏が携わった作品にはひとまずこのような注釈を付けることとします。

 

『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』

作品感想

宝塚のハッピーミュージカルを見るのが恐らく初めてでした。「Happy "NEW" Musical」と銘打たれているだけあって、とってもハッピーな気分になれる作品ですね。

シャーロック・ホームズシリーズのヒットで一躍有名になったアーサーが「ホームズ作家」と呼ばれ、本当に書きたい英国の歴史小説を書けない状況に苦しみ、イマジナリーフレンド的に立体化したホームズと対立するという展開はとても面白かったです!

特に「ホームズ作品を書かなくては」と苦しむアーサーを見たルイーザが「それならホームズを殺して仕舞えばいいのよ!」と言って、2人でタンゴを踊りながらホームズを作中で殺害する方法を考える場面が最高でした。殺人計画タンゴ💃 踊るという状況と歌詞内容のアンバランスさという意味では『エビータ』の "エヴァとチェのワルツ" とか『RENT』の "Tango: Maureen" の系譜に当てはまりそうですよね。

殺害計画を受けてのホームズの「僕は完璧なんだ。そう書かれているからね」っていう返しもすごいし、それを言い放つのが朝美絢っていうのまで完璧すぎて笑うしかありませんでしたがキャストの話は後でするので置いておいて、ホームズが完璧超人すぎるのってある意味ツッコミどころでもあると思うんですよね(原作は英語で読もうとしたらモルモン教の話がわからなさすぎて挫折したのでBBCSHERLOCK』しかまともに見てない人間なのであれですが)。そんなわけあるかーい!って。それを「作者が殺そうと思っても殺せない」と捉えた発想がものすごいと思います。

しかも、解決策がモリアーティという宿敵を登場させることで、モリアーティにはアーサーの姿を取らせてモリアーティからホームズへの攻撃をアーサーからホームズへの攻撃と完璧に重ねたのも鮮やかでした。ライヘンバッハへ進む流れも熱かったし、展開を「いいね、気に入った」と受け入れてあっさり滝に落ちることに合意するホームズも好きでした。ライヘンバッハを見に行った先でルイーザが病を患ったのをホームズがルイーザと滝に落ちることで表現したのも上手かったです。最後、アーサーがホームズも自分の一部であると認めて、続きを書くことを宣言し、ホームズが復活したらルイーザの病が吹き飛ぶという展開は流石に???となりましたが、そこまでが鮮やかだったし「Happy "New" Musical」だしな、と受け入れました。眉毛下がりっぱなしのアーサー、わっははと大きい声で笑ってるルイーザ、ストイックで熱い編集長、そして愛らしくて尊大なホームズ、みんなみんな愛おしかったです。

音楽面もだいたい良かったと記憶しているのですが、アーサーとホームズのバトル(?)シーンがラップバトルみたいになっていて、それはいいんですけど、なんかでもかっこよくはない感じの仕上がりだったので、ちょっと!それならもっとかっこいいデュエットとか入れて!!と突っ込んじゃいました。あとアーサーの妹たちロティ&コニーの姉妹デュエットが美しかったのを覚えています。野々花ひまりさんと華純沙那さん、素敵なハーモニーでした。

 

キャスト感想

彩風さん(以下、咲ちゃん)は私が見た演目ではいつもちょっと不憫みたいな節があったのでハッピーハッピーな世界観で見られてなんか嬉しかったです。咲ちゃんアーサーはとにかく下がりっぱなしの眉毛が愛おしかったです。眉毛もそうだけれど、あんなに「いい人」オーラを出せるのはすごい。アーサーのお人好しというかあらゆる物事を疑わないピュアすぎるキャラクターを全く違和感なく表現するのってとんでもなく難しい気がします。それこそ演じる人も「いい人」じゃないと、みたいなことなのかもしれません。アーサーがすごく「いい人」として描かれている分「歴史小説を書きたい」という部分では意地を通そうとするのも効いてくる感じがあって、この作品は咲ちゃんのお芝居あってこそだな〜と思いました。宝塚に限らずですが、当て書きって作品と役者が魅力を引き出し合うところがいいですよね。あとアーサーが喧嘩シーンで蹴りを入れる時に脚が頭の横くらいまで上がっていたのに驚きました。咲ちゃん脚の長さが凄まじいですよね👀

夢白さん(以下、あやちゃん)はトップ娘役になられてから初めて拝見しましたが、今作で一気に大好きになってしまいました。迫力のある美人が好きなので、あやちゃん本人のビジュアルの魅力とお腹から響く大きな笑い声のルイーザのキャラクター、両方がぶっ刺さりました。咲ちゃんもあやちゃんもスーパーかわいかったのでラブラブ夫婦のシーンで顔が綻びまくりでした。ずっと見てられる。

朝美さん(以下、あーさ)はほんっとに魅力的過ぎてやばいですね。「これ以上見たらやばい」「これ以上見ちゃダメ」って思いながらオペラグラスで追いかけてしまいました。初めて宝塚を観劇したのが『ワンス~』でそのときからずっとビジュが好きだったんですが、最近は歌もめきめきと進化なさっていて本当にホームズ並みの完璧超人になろうとしてらっしゃいます?と思ってしまいます。ビジュがやたら強すぎて、初登場時のアーサーの「君は妖精かな~」っていう台詞に激しく同意してしまいました。ほぼほぼ妖精でしたね。顔が良くて尊大な存在が元々好きなのでホームズはドストライクでした。それでいて可愛さもあるし、自分が納得すればあっさり全てを受け入れてしまうサッパリしたところもあるじゃないですか、最高すぎる。マレフィセントのような悪魔姿も素晴らしかったです。生田先生、観客の心を分かりすぎてますね。

和希そらさんは、本当にいい声!!ずっと聴いていられます。退団されてもどこかで歌声がまた聴けることを祈っております!!ボツばかり出すストイックで厳しい編集長もルイーザやアーサーをぎゅうぎゅう抱きしめるかわいい編集長もとても好きでした。何気にグッときたのが、アーサーの新居お披露目パーティにさらっと彼女らしき女性と出席している編集長です。スマートすぎます。

 

『FROZEN HOLIDAY』

観劇したのは1月末、フローズンホリデーはクリスマスに始まり謹賀新年!っていう構成なので押し寄せるクリスマスソングの波と和楽器の音で頭が大混乱フィーバーを巻き起こし、いい感じに頭がしっちゃかめっちゃかした興奮状態でショーを楽しむことができました😂

まず書かなくちゃいけないのはサンタさんあーさですよね🎅 あれは危険すぎません???写真では既に見たことがありましたが、生で動いているところを見るともう脳がキャパオーバーですよね。ビジュが強すぎる!!!衣装もトナカイたちを両脇に侍らせている状況も何もかも完璧すぎて何かと思いました。怖い怖い。終演後は友人に向かってずっと「やばい」「どうしよう」って言い続けることになりましたし、ほとんど恋でした。あーさ、衣装チェンジがサンタ(白)→サンタ(赤)→サンタ(みんなとお揃いのやつ)みたいになってたのが面白かったです。あーさには絶対にサンタ衣装をたくさん着せるぞという何者かの執念を感じました。プレゼント袋をいちいち誰かに預けたりどっかに投げたりしないといけないのも愉快でしたね!

しかもあーさサンタの前後に出てくる和希そら牧師もやばい。日本にもHot Priestがおりました。引き連れてるシスターたちも最早侍らせてる感ありましたよ。

そんなやばやばなサンタと牧師に挟まれてトップ2人がとっても健全にキラキラしててかわいいのも好きでしたね!スキーコスチュームみたいなやつなにあれ!かわいすぎ!!!

そして「超雪祭男子」って一体何🤣🤣🤣 ショーが始まってから「あーさ、歌の進化ものすごいな。でもなんかちょっと西川貴教さん成分があるな」と思ってたらWHITE BREATHを歌い始めて吹き出すかと思いました。

あとどこか忘れたけど、あーさが和希そらの喉を猫をあやすみたいにくすぐっていてかわいかったです。

 

 

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