とんでもなく楽しかったです!やっぱり私はロックミュージカルの民!ALWの民!
作品概要
School of Rock
作曲:Andrew Lloyd Webber(アンドリュー・ロイド=ウェバー)
作詞:Glenn Slater(グレン・スレイター)
脚本:Julian Fellowes(ジュリアン・フェロウズ)
初演:2015年 BW
劇場:東京建物 Brillia HALL
翻訳・演出:鴻上尚史
訳詞:高橋亜子
当日のキャスト
デューイ:柿澤勇人
ロザリー:濱田めぐみ
ネッド:太田基裕
パティ:はいだしょうこ
〈チーム・ビート〉
ショネル:木村律花(コーラス)
ケイティ:三宅音寧(ベース)
ジェイムズ:宮島伊智(セキュリティ)
ソフィー:加藤悠愛(ローディ)
マーシー:シーセンきあら(コーラス)
メイソン:屋鋪琥三郎→中込佑協(ステージエンジニア)
フレディ:村井道奏(ドラム)
トミカ:大久保実生(ボーカル)
ザック:後藤日向(ギター)
ビリー:佐藤凌(スタイリスト)
ローレンス:熊田たまき(キーボード)
サマー:中川陽葵(マネージャー)
感想
作品についての感想
ロイドウェバー御大による開演前アナウンスがお洒落ですね~。『この作品を上演すると「子供たちが実際に楽器を演奏しているのか?」とよく聞かれる。答えはYesだ。』アンマスクドの時も思いましたけど、御大、自分の作品にとてもアクティブに参加していて面白い!
そして本編、めちゃくちゃ熱かったです!ロイドウェバーによるロックナンバーはどれも疾走感と迫力があって楽しいし、子役さんたちの生演奏は最高にかっこよくて痺れました。あと今回、客席に子どもも多くて笑い声がいい感じに起こっていたのが心地よかったです。カテコも柿デューイの声掛けですぐスタンディングになって、立ち上がってからは自然に歓声も上がり始めてとても楽しかったです。
「社会科の授業はどうするんですか?」に対する「必要ない!ミック・ジャガーに社会性はない!」っていうところだったり、細かいロックネタに対しては大人からの笑い声も上がっていました!ビリーがあげる好きなアーティストは映画版だとライザ・ミネリだった気がするのですが、舞台版ではバーブラ・ストライサンドに変わってますかね。2人ともgay icon!!
ストーリーは2003年の映画(こちらはミュージカルではない。音楽劇っぽい。)をほとんどそのままなぞる形ですが、まったく退屈せずにどのシーンも楽しむことができました。唯一惜しいと思ったのは、バンドバトル終了後にサマーが電話対応で敏腕マネージャーっぷりを見せるシーンがないことですかね。あのシーンは映画でも1番好きな場面だったので入れてほしかった!!
ストーリーについては結構賛否ありそうですよね~笑 私の母親とかが見たらまあまあブチ切れ案件だと思います。「デューイも学校側も許せない!!!」って。私も映画版の感想で「子どもたちから教育を受ける機会を奪っているという意味でデューイはクソ」って書いていますけど、舞台についてもそこは変わらずです。ただ、舞台版では子供たちと親たちの確執が歌としてかなりしっかり描かれていることもあってか、デューイが親たちの前で子供たちを褒めるシーンは結構ぐっときて、デューイの存在に対して抱く嫌悪感は私の中ではわりかし少なめに収まりました(贔屓目がある説も大いにありますが・・・)。
ストーリーラインとは別に、トミカの親が「特別な理由もなく」両方お父さんなのはとても良かったポイントなのですが、演じ方がやや「おねえっぽい」ステレオタイプに寄っていたのが気になりました。
キャスト感想
柿澤デューイ
とってもいきいきとしてました!2021年JCSコン以降、舞台を拝見してるんですけど、シモンと並ぶくらい役にハマっていた気がします。デューイ役は代々太めの方が演じてきた役なので、「痩せているデューイなんて」みたいな反応も見かけしましたし、私自身も「合うのか?」って思ってました。でもデューイが煙たがれている理由は純粋に性格と行動がヤバいやつだからであって、別に痩せていようが太っていようがクソ野郎であることに変わりはないんですよね。 もちろんキャスティングの幅という意味では身体の大きい俳優さんの活躍の場としてこの作品を見たいという思いもありますが。柿デューイは最後の制服風衣装もナチュラルに似合っていましたね。
なにより柿デューイの魅力は「鬼のようなベルティングによるロック歌唱」です。やばい!!最強のロックミュージカル人材だーー!!!元々柿澤さんの真っ直ぐ硬く飛ぶ高音は好きだったんですけど、こんなにも全編通して浴びられるとは!というかこんなにずっとベルティングで歌い続けられる方だとは!喉強!あんなロック歌唱を見せられたら私は柿澤ユダを諦められないですよ。各所!頼むよ!日本にはたくさんJCS対応人材がいるぞ!!!あと冒頭でスライディングしながらギター弾いてるの見たら「マーティ・マクフライも演ってしまえ!!」って思いました🎸(ミュ版にはまだ触れていないので適当言ってます)。
それからハイテンションのイキリ・煽りの中に、社会に馴染めない寂しさや夢を追いかけ続けることの苦しみが見えるのも柿デューイの魅力だと思います。教師ではないとバレて自室で塞ぎ込むデューイの元へ子供たちがやってくる場面を見ながら「デューイが救われて良かった」と思ってしまいました。(反省している様子とはいえデューイはクソ野郎なのに!)
濱田ロザリー
濱田さん(以下めぐさん)やっぱり大好きです。あまりにもミュージカルが上手い。「夜の女王のアリア」のファルセット、Where Did the Rock Go?の切ない中低音、後半にかけての感情が乗った歌声、どれもこれも素晴らしかったです。スティーヴィー・ニックスの話題から出てくるロザリーのお茶目な面の演じ方もとっても好きでした。
柿澤さんの「彼女こそが夜の女王、濱田めぐみ~」っていうコールを受けて走ってくるめぐさん、めぐさんの「我らがロックの神様、柿澤勇人!!」っていうコールで出てくる柿澤さん、あまりにも良くてなんかちょっとうるうるしてしまいました。めぐ柿とっても好き!
生徒たち
生徒さんたちもとても輝いていました。キッズが輝いているのを見るとなんかそれだけでもう泣けてきちゃいます。特にケイティ(ベース)の三宅さんとトミカ(ボーカル)の大久保さんが印象的でした。
三宅ケイティは生徒役の面々の中では1番背が低くてベースを首から下げるとヘッドが頭の上から飛び出るんですよね。それがとてもかわいいんですけど、奏でるのはベースで、低音をばりばり響かせていくのがかっこよくて、かわいさとかっこよさの波に押しつぶされました。とっても素敵でした。
大久保トミカはとにかく歌声が素晴らしかったです。真っすぐに伸びていく屈託のない綺麗な歌声と少しグルーブ感のある声の揺らし方が素敵すぎました。
太田ネッド
太田さん(以下もっくん)ネッド、演技と顔芸が振り切れていてめっちゃ良かったです!あのスタイルを持ちながら「やっとできた彼女なんだ」に説得力を持たせられるナード感を出せるのはすごい。根が優しそうなネッドだったので、デューイに見事に「脛をかじられて」、寄生されてしまうリアリティもありました。
それはそうと、ネッドのバンドマン時代は女装ヴァンパイアで・・・と説明されていたけれど、もっくんの場合すごく美人な仕上がりだろうし(本編見たことはないけれど『xxxHOLiC』のお写真がとても美人だった)熱狂的な人気を得てそうでは?とちょっと思っちゃいましたけど。
カテコで「俺が肉まんならこいつはあんまん、わが親友ネッド・シュニーブリー」っていうコールも面白かったです。
はいだパティ
ちょっとかわいすぎるんじゃないかというくらいかわいいパティでした。家賃さえ払えばデューイをあの家に置いておいてくれそうな優しさも感じましたよ。元々ちょっとコミカルで「変わった人」っぽくもあるので、最後のロックンロールネッドに一瞬で蕩けてしまうところが突飛にならない感じがしました。
安定感抜群の座組でとても楽しかったです!!!先生方のコーラスも美しくてとても素敵でした。
ブリリアの音響はロックナンバーと相性が悪いので不安でしたが、歌詞も想定していたよりはだいぶ聴き取れました。
写真はQueenが表示されている時に撮りました☺️
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1番好きなミュージカルはJCSだよ、御大愛してる!