帝劇でストプレ見るのなんだか新鮮〜
よかったんだけど、グッとこなかったな刺さらなかったなというのが率直な思いなので、感想を書き留めながら何故刺さらなかったのかを考えていく、そんな文章になるかと思います。
ちなみに私は映画を1回だけ今年1月に観ました。映画ガチファンの人やこの舞台が親っていう人など色んなタイプの人の感想を読みたい笑笑
ひとまず、演者さんたち最高でした!!
萌音氏と醍醐くんは映画から飛び出してきたのかっていうくらい千尋だしハク。カオナシの辻本さんは床をしゅるしゅる滑りながら移動するから浮いているみたいだし、動きも奇怪で人間には思えなかった。なるほど、このためにダンサーさんをカオナシに!って納得!!さとしさんの釜爺はあったかくて素敵だし、夏木マリさんの湯婆婆は超イケてる。
そして、リンさん!咲妃みゆちゃんのリンさん!好き×好きで大興奮!かっこいいんだー!着いていきます!おばたのお兄さんはウェイトレスで見た時に素晴らしい俳優さんだなと思ったのだけれど、今回もよかった🐸
可知さんと新井くんもばっちり見られました!新井くんはハエドリで出ずっぱりだからカテコで「お疲れ様😭」ってなってしまった。
作品としては、人の力で映画の場面を再現するぞっていう気概が好き。もともとLKや旧マーメイドラグーンシアターのような「動かす人間を見せる」デザインが好きなのに加えて、現代の技術を使うこともできるけれどその上で人間が動かすことにより生まれる味が作品の雰囲気とハマっていていいなと思います。釜爺の腕とかススワタリたちとかハエドリと坊ねずみとかの表現は特に好きだった。あと「頭」がやばい笑笑 好きすぎる。正直ラストシーンはフライング使ってもよかったんじゃないかなーと思ったりもしますが、あれはあれでよかった。信念を感じました。
今作はアニメーションの表現を舞台上で再現することにはものすごく成功していて、そこが魅力的だと思うのだけれど、同時に「再現度が高すぎて」新鮮さに欠けると私は感じてしまった。演者さんたちはほんとうに映画から飛び出してきたようで、台詞の言い方や声までも映画に近い。映画を見てきた人にも違和感なく届くというメリットがある反面、あまりにもそのまんますぎて飽きるなという瞬間も多かった。1つの舞台作品としての完成度よりも映画の再現度が追求されているという印象を受けました。私はせっかく舞台化するならば舞台ならではの表現であったりオリジナリティであったりを期待したのかもしれません。人力で作り上げるというのはその舞台ならではの要素ではあるのだけれど、特別新しさのある手法ではないから、すぐに慣れてしまったというのもあるかも。オクサレ様が抜けたあとのダンスシーンは素晴らしかった。とても幸せな気持ちになった。歌ったり踊ったりすればいいってわけではないけれど、舞台作品としての盛り上がりがもう少しあるといいかもって思う。
あと気になったのが、再現を重視しすぎたことによってテンポ感が損なわれている箇所が多いと思いました。特に「移動」シーンがこれにあたったかも。千尋が川まで走る、千尋とハクが見つからないように逃げる、ボイラー室に向かう、エレベーターで上に登る、橋に向かうなどなど舞台では映像に比べて空間が限られる分移動の表現は難しいけれど、今作は再現しようとしすぎて移動シーンの1つ1つが長く感じてしまった。たしかに映画でも印象的な移動シーンが多いから難しいところではあると思うのだけれど。電車のシーンもよかったけどちょっと長い気がする。そんなところにも舞台作品としての見やすさよりも再現することに重きが置かれていると感じた。
全体として映画を見ていないと分かりづらいんじゃないかなというシーンも多く、それでいて映画を好きな人には再現度が高すぎて新鮮味に欠けるんじゃないかなというのが私の印象なのだが、評判はいいし、各国から上演したいという話も来ているそうだから、私の好みの問題なのかもなー。再演してブラッシュアップされるのを楽しみにしておく✨