Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

MISSION:帝国劇場で2.5次元ミュージカルを上演せよ ミュージカル『SPY×FAMILY』3/18 S 感想

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3月の演目集中月間において、最も予測不能な存在だったスパミュ。

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作品・公演概要

ミュージカル『SPY×FAMILY』(初演)
原作:遠藤達哉SPY×FAMILY』(集英社少年ジャンプ+」連載中)
脚本・作詞・演出:G2
作曲・編曲・音楽監督:かみむら修平
劇場:帝国劇場

キャスト

ロイド:森崎ウィン
ヨル:唯月ふうか
アーニャ:池村碧彩
ユーリ:岡宮来夢
フィオナ:山口乃々華
フランキー:木内健人
ヘンリー・ヘンダーソン:鈴木壮麻
シルヴィア:朝夏まなと

作品感想

原作未完なのにどこまで描くんだろう?

アーニャ役、そんなちっちゃくて歌えて踊れるスーパーキッズおるん?

などなど解禁時から「?」を頭にいっぱい浮かべて待っておりました。

 

結論から言うと、作品として好きかと言うとそこまで...だが、原作の形態と未完であるという点を思うと、よく1本のミュージカルにまとめてきたな〜という印象。

 

エピソードを束ねる

原作がエピソードの連続を描いていく作品かつ、原作序盤では作品を貫く問題(黄昏のバックグラウンド、ヨルさんの仕事を続けるかについての悩み、黄昏とヨルさんの雇い主が敵対関係にある事実など)について動きがあまり見られない、という要素がミュージカル化にあたって困難なポイントだったと思う。


そこを今作では

①誰もが家族にも見せられない顔を持っている

② 皆「より良き世界のために」仕事をしている

という2つのテーマを音楽に乗せて繰り返すことで、散らばったエピソードを1本の作品にまとめあげていた。この2つのテーマはリプライズしすぎて、ややしつこいかも?って思うくらいなのだけれど、多分そのくらい繰り返していかないと1つの作品としてのまとまりは出てこなかったと思うから、繰り返し戦法は良かったと思う。前半のヨルさんが「私はただ弟を安心させたくて〜」しか歌わないのは気になったけどね。


もう1つ、エピソードを束ねる手段として音楽とダンスがうまく活用されていた。各エピソード間も、生オケによるジャジーな音楽の演奏であったり、アンサンブルさんたちのダンスシーンであったりで、しっかりエピソードごとの高揚感を保ったまま次のシーンに橋渡しをできていたと思う。

 

ただ、やっぱり物語の着地点はもやっとしてましたね。ミッションは続いていくけれど原作が終わっていないので、尻切れとんぼ感は否めない。


帝国劇場×2.5次元ミュージカル

2.5次元作品については、ハイステとヒロステを映像で見ただけの私が語るのは...って気持ちもあるが...


2作を見た感じ2.5次元作品の強みとして、観客がある程度、作品の設定であったり展開であったりを知っている前提で話を進められる、というポイントがあると思っている。その分、状況説明に費やす時間が減るからテンポ感が良くなる。もちろんやりすぎると初見の人が全くついていけなくなるからデメリットもあるんだけど。


スパミュの場合は、2.5次元作品のテンポ感がわりかし良い方向で活きていたと思う。そこに、帝劇予算のゴージャスなセット、オケ、厚みのあるアンサンブルを掛け合わせていって、帝劇×2.5、両方の良さを引き出せていたと思う。


どうやって舞台で見せるんだろうと思っていた手榴弾プロポーズや動物大脱走はサイネージを使って表現していた。ただ出来る限り舞台上でリアルにやっていこうという姿勢も見えたので塩梅としては良かったように思う。ロイドとフィオナの腹話術口論では、サイネージに字幕出すことで心の声を表現していた。読みにくかったけど再現性を上げるという意味ではありなのかも。そういえば、動物大脱走シーンの牛が、牛と馬の中間みたいで絶妙に気持ち悪かったな。

 

メタな笑い

帝劇でコメディを見るのが多分初めてだった。あんなに終始笑い声が聞こえる帝劇は新鮮だった。


ユーリのフォージャー家突撃パートあたりから「そんな内容をクソデカボイスで歌うの???」みたいな笑いが起きていたのがとても印象的だった。ミュージカルという表現媒体に対するメタな笑い。


「何度でもココア拭きます!」

フィオナ来訪時、アーニャがココアをこぼしたことを受けてのヨルさんの台詞の「何度でもココア拭きます!」に桃井タロウの「何回だって元に戻してやる」を重ねて勝手に感動してた。(ドンブラザーズ参照) 人間は過ちを繰り返す弱い生き物。そしてそれを受け入れて何度だって助けるって言えるのは人間の強さよ。

 

キャスト中心感想

キャストみんな良かったな〜✨

しっかり場面を持たせて次に繋げていけるメンバーが揃ってた!


碧彩ちゃんアーニャは顔芸の天才で出てくるだけで客席が☺️☺️☺️ってなる衝撃のかわいさだった。すごいよな歌って踊って台詞たくさん覚えて。天才だよ。


ウィンさんロイドはそこそこポンコツそうでかわいい。前々から思ってたけど黄昏ってスパイとしてそこそこポンコツっぽいじゃないですか? !ヨルさんの謎行動に対する虚無顔虚無ボイスの「え?」がツボでした!


そしてそしてふうかちゃんヨルさん。かわいい☺️☺️☺️ 酔っ払いヨルさんの破壊力が凄まじい。かわいすぎて訳がわからん。「なるほど、これが弄ばれたってやつですね」からの1人パーティ会場に向かう姿を見て、On My Own始まってしまう😭と反射で構えたけれど大丈夫よ。今回は幸せなふうかちゃんなのよ。振られて心ガン泣きなのに健気に笑うふうかちゃんばっかり見てきたから、ほんと、幸せになれてよかったね😭って気持ち。


壮麻さんの圧倒的エレガンスも素晴らしかったな。歌声も姿勢も全部エレガントの極み。それでいて後半は茶目っ気も見せてきてほんと壮麻さんって素敵。

まぁ様のハンドラーもよかった。「こんにちはあるいはこんばんは」ダンスシーンの見栄えが凄まじい。出てくるとぐっと舞台が締まる感じがする。


木内くんのフランキーも良かったよーーーーー!コミカルに振り切った演技がすぱ、すぱらしい!アーニャとの絡みも可愛くて、アーニャに頭をもじゃらせる→碧彩ちゃんがなかなかもじゃもじゃやめない→フランキーの台詞入ってもやめない→木内「話聞いてる〜?😅」って流れがかわいかった。でもフランキーの失恋ソロ無かったの悲しいよ。勝手にあるという程で楽しみにしてたのよ。


あと来夢くんのユーリがMVPかも!ユーリって言動がものすんごく2次元!って感じのキャラクターだと思うのよ。取調室で新たな証拠品出しての「出すの忘れちゃってました🤗」とかフォージャー家突撃時の酔っ払い無茶振りマシーンとか。2次元っぽい言動を違和感なく3次元に起こしていくのがうまくて、「圧倒的2.5次元ぢからだ!!」とテンションが上がりました。


グッズが天才

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遠藤先生描き下ろしでマイフェアのイライザの扮装をしたアーニャのグッズが展開されていてとてもかわいいのさ。最近見たミュージカルグッズの中でダントツのかわいさとセンス!

普段グッズ買わないんだけど、これはあまりにもかわいくて購入検討していたらホワイトデーのお返しにって友人がプレゼントしてくれたのよ🎁 あざざます。

 

北斗とか東ラブ見たときも似たこと思ってたけど。やっぱりカテコでミックスナッツ歌ってほしいって思うよ🤗

 

【ウィンさん関連】

【ふうかちゃん関連】