高崎公演はU25チケットが出ていたので日帰り遠征してきました〜!
高崎、近いですね!朝が早かったくらいであとはほんとにあっという間に向こうに着いてあっという間に帰って来られて楽々でした。
劇場も綺麗だし、駅から歩道橋をつたって行けるのも便利だし、これから高崎遠征ありだね〜!なんて話していたら劇場周辺に飲食店がほとんどなくてなかなかに困りました。(劇場の中のカフェは激混みでした) 駅まで戻るか歩いて飲食店を探しに行くしかないので、これから遠征予定の方はお気をつけください〜。ちなみに私は6分ほど離れたところにあったラーメン屋さんに入りました。めちゃくちゃジョジョ推しのお店でした。
ビジュアルキャスボいいですよね〜!!KAはビジュアルが凝っていてそれだけで気分上がりますね。韓ミュの良き文化どんどん吸収してほしい!
作品・公演概要
La Légende du roi Arthur : Quand l'amour change le cours de l'histoire
脚本: Dove Attia(ドーヴ・アチア)
音楽: Dove Attia、Rod Janois、Silvio Lisbonne、Skread、Zaho、Nazim Khaled、Frank Authié
歌詞: Dove Attia、Vincent Baguian、Zaho、Nicholas Boisnard、Orelsan、Antoine Elie
初演: 2015年 パリ
ミュージカル『キングアーサー』
劇場: 高崎芸術劇場 大劇場
日本版台本・演出: 오루피나(オ・ルピナ)
翻訳・訳詞: 高橋亜子
本編感想
フレンチミュージカル特有の絶妙なトンチキ感と不思議な高揚感を楽しめました〜!
キャストも概ね適材適所だったし、衣装や振付、プロジェクションマッピングと映像のデザイン、使い方もハマっていて良かったです〜。殺陣もかっこよくて迫力がありました!剣がぶつかる音がいい!!
キャラクター&キャスト中心感想
伊礼メレアガン
歌唱披露で消えた光(Advienne que pourra)を聴いたときに「音高すぎだよ!毎日歌うには無理あるよ!!」って心配してたんですけど完全に杞憂でしたね。しかも歌唱披露からものすごくパワーアップしていて、すこーんと飛んでくる高音がとても気持ちよかったです!曲自体もかっこいいので冒頭で一気に心掴まれました。欲を言えば、本編通してマイクも音源も音量上げてほしかった。これは爆音で浴びたいタイプの演目よ。
曲と曲名が一致しないので音源貼っていきます!
そしてそして噂のダンダリ!TLで毎日目にし続けたダンダリ。やっと私もダンダリ済になれました。(何が何でもダンダリって言いまくりたい)
突然「パンパパパパパーン」っていう軽い音とともに昭和歌謡が始まりそうなポップな色味の照明がメレアガンとモルガン様を照らし出した瞬間の面白さが半端なかったです。陽気に踊るヴィラン枠2人のかわいさ。これぞ仏ミュって感じがする(よく知らないけれども)様子のおかしさでテンションがぶち上がりました。伊礼さんととうこさんは何もかもが強強なので2人並んで歌ってるだけで強いのにこんなに楽しいシーンがあるなんて最高ですよね。
ダンスがとてもかわいいからミュオタとTikTok層が被ってたら流行りそうだよねって友人と話してけれど私も友人もTikTokは見ない。
この曲、仏版の音源だとアーサーとモルガン様で歌うらしいんですよ!?正直楽しすぎて歌詞を全く覚えていないのですが、こんな楽しい曲を歌う仲ではないよねあの姉弟。
1幕前半はずっとメレアガンのターンって感じでとても楽しかったです。(その代わり1幕後半全く出てこなくなるの悲しすぎるのよ)意外だったのがソロ曲のUn nouveau départ。あんなに悪役路線まっしぐらだったのに「ここから気持ちを切り替えていこう!」みたいな爽やかなメッセージを爽やかな曲調で歌い始めたので驚きました。曲名も新たな出発っていう意味よね。メレアガン思ったよりもだいぶ前向きなのね!!ってなりました。
メレアガンという役は終盤にかけて激しくなっていく隈取のようなメイクとファルセットと駆使した高音が印象的。2幕にモルガン様と歌うÀ nos vœux sacrésではその2つの特徴がより際立っていて、頬まで伸びたアイメイクが涙のように見えるし、男性の曲では珍しい高さの音域をファルセットで出しているとなんだか泣き声のようにも聞こえて来ました。この場面を見ながら、メレアガンの特徴的なメイクと高音は彼の悲痛な叫びだったのかと思い至りました。特にモルガン様と一緒にいるとメレアガンがだんだん幼く見えてきたのも興味深かったです。彼は今作で明らかに1番マスキュリンで尊大だけれども、その心の弱さや脆さがどのキャラクターよりも明白に表されているのがたまらないなと思いました。
ロック歌唱寄りの作品とマスキュリンで尊大な役柄は全部伊礼さんに持ってこーいってなりました。私は伊礼トートが見たいって書き続けますよ。言霊!
それから喧嘩デュエットコレクターとしては、グィネヴィアとメレアガンのデュエットNos corps à la dériveが収穫でした。
安蘭モルガン
大抵の役は安蘭けいさんが演じると最高になる。モルガン様もまじで素敵だった。
父に化けて現れたユーサー王に母が襲われ、ショックで母が死んだためユーサー王の息子であるアーサーに復讐をするという役どころ。グィネヴィアに化けてアーサーを襲うというのは復讐の方法としてどうなの?と思うし(ユーサー王が最悪なのは大前提としてそのユーサー王と同じ手段を取ったら彼と同じレベルに落ちてしまう)、アーサーも特に良い思いをしてきたわけではないことを考えると、モルガン様に共感することができないのだけれど、とうこさんが演じるととにかく魅了されて、そのまま押し切られる。
今作は特にお話の筋や感情の動きが緻密に練られているというわけではなく、楽曲の連続で話を推し進めていく感じなので、禅さんや伊礼さんのように歌でねじ伏せたり、とうこさんのように舞台上を支配する力でねじ伏せたりできる役者さんが揃っていたのが良かったんですよね。
メレアガンにグィネヴィア誘拐の作戦を伝えるときに、モルガン様が「アーサーを殺す」って言いながら剣で人を突き刺す動きをしたあとに、剣に付いた血をサッと払うような動作をしていたのがめちゃくちゃかっこよかったのに笑いました。モルガン様何人を斬ってきたの!
浦井アーサー
派手なナンバーがメレアガンとモルガンに寄っていて、物語の展開的にもメレアガン&モルガンの復讐、グィネヴィア&ランスロットの恋愛関係が大きな動きになってくるなか、アーサーが王になるまでの内省的な物語を背負い主役として演じきっている浦井さんは流石だと感じました。歌い方もポップスっぽい曲に合ってて良かったです!
ラスト、アーサーは王として完成されるのだけれど、彼に対してそれがどんなものであれ大きな感情をぶつけていた人間たちがみんな消えた状態で騎士たちに囲まれる姿を見てなんだか寂しい気持ちになりました。王としてのアーサーは完成したけれど、1人の人間としてのアーサーは消えてしまった感じがして。
禅マーリン
たくさん歌う禅さんが見られたのいつぶり???大変歌が上手くて素晴らしかったです。どうか禅さんにたくさん歌う役をたくさんください(笑う男で全然歌唱パートなかったのがトラウマと化している)。
マーリンがユーサー王を変身させたがためにモルガンとアーサーの母は死に、モルガンが復讐の鬼になることになったのでもっとしっかり反省してほしいんですが。演じている禅さんのチャーミングさが滲み出るからなんだかんだ憎めなくて、アーサーが彼を頼りにするのもわかってしまうところもあり。いやマーリンはやっぱりもっとちゃんと反省してほしいです。勝手に妖精の国に帰るんじゃないよ!!!
小林ガウェイン
はじめましてだった小林くん。あまり歌わない役なのに存在感がすごいという評判を聞いていたので注目していたのですが、とても素敵でした。溢れ出る忠臣オーラ。どっしりと重心が地中深くにあるようで強そうに見えたし、立ち姿も常に美しかったです。あと目がすごい。強固な意志が目からびしびし感じられる。
殺陣における身体の動かし方もそれから剣の扱いもとても美しかった。剣を掲げるときに剣先が全くブレないんですよね。そこにガウェインの意志の強さが垣間見えて良いな〜と思いました。戦闘シーンでは剣をバトンのようにくるくる回していてどうなっているの???となりました。炭治郎を演じてらしたと知って、なるほどだから剣さばきがすごいのか!とめちゃくちゃ腑に落ちました。
特に1幕ラストの騎士たちのシーンがぐっときました。ランスロットとシンメトリーになって動くところ、もっくんも小林くんもマントさばきがとても上手くてかっこよかったです。グリブラ2.5次元の極意回を久しぶりに見たくなる。浦井さんもマント上手いです。
ガウェインはいつもアーサーの指示通りにしっかり動いているんだけれど、グィネヴィア救出の指示にだけはちょっと戸惑って躊躇するような姿勢が見えたのも良かったです。グィネヴィアの処遇についても、火刑にって進言したのもすごかったですね。
小南グィネヴィア&太田ランスロットも良かったんですけどね。小南さんの気品ももっくんのキラキラ有能騎士感も。作品の性質上もう少し歌で無理やりねじ伏せるタイプの人で見てみたいかな〜という感じはありました。特にグィネヴィアは音域も広くて難曲が揃っているのでポップスかロック歌唱に長けた人を持ってきてほしいかな。小南さんは多分クラシックな歌唱が得意だと思うので。
そんなこんなでとても楽しかったです〜!
帰りの電車の中から今日までダンダリ聴きまくってます。1度聴き始めると無限ループに陥るダンダリ。
高崎芸術劇場2階1列の見え方
こんな感じでとても見やすいです。
151cmの私は手すりが若干舞台前方にかかるかかからないかくらいだったのですが、今回の観劇では特に気にならなかったです。演者が消えることまでありませんでした。
これでU25チケット2500円だったのは素敵すぎて!!高崎芸術劇場さんありがとうございました!!
台詞や歌詞はやや聴き取りにくく感じましたが、マイクや音源の音量の問題かもしれません。