Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

【🇰🇷韓国観劇記1-2】ポップスターなユダのスパスタボーナスステージ『ジーザス・クライスト=スーパースター 50周年記念公演』11/12 S 感想

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JCSは楽曲がたまらなく好きで、最も好きなミュージカル作品の1つ。JCSの上演とマイケル・K・リーの出演は、今回の韓国遠征の決め手になりました。演目選択には悩んだのですが、いろんなシーザス、いろんなユダに出会うべく、JCSは2公演見ることにしました。

チケット購入までの紆余曲折はこちらをご覧ください。

いざ、劇場へ

この日のマチネはブルースクエアで『エリザベート』を観劇していました。マチネが14:30開演で、ソワレのJCSが18:30開演。エリザが休憩込みで3時間として、移動時間は調べたところ18分。1時間もあれば移動も余裕だろうとたかを括っていましたが、案外焦りました。というのもInterparkでのチケット購入時の注意書きに「開演時間1時間〜30分前までにチケットを引き換えてください」という文言があるのを見落としていたことに当日になって気がついたからです。

トート役のノ・ミヌさんが千秋楽ということでご挨拶があったり、雨が降ってきて劇場を出るのに時間がかかったり、地下鉄が思ったより混んでいたりと想定外の要素も重なり、BBCHホールのある建物の下に着いたのが開演33分前。ホールがあるのは7〜9階でエレベーターに乗らないといけないのですが、ホール利用者に解放されているのは4機あるうちの2機のみなのでエレベーターの待ち列がかなり伸びていました。「30分前までに受け取れなかったら当日券に回されてしまう、なんてことがあったらどうしよう😱」と冷や汗をかきながら並び、チケット受付がある7階に着いたのが開演27分前。3分ほど過ぎてしまいましたが急いでスクショ画面を片手に「インターパーク」と言うとすぐにチケットをもらえました。よかったー😭😭😭 30分前を過ぎても一応受け取れたのですが、もっと遅くなっても受け取れるのでしょうか🤔 知っている方がいらしたらぜひ教えてください!今後の遠征の参考にしたいです🙇‍♀️

ちなみに、ホールまでは最寄駅の狎鴎亭(압구정、アックジョン)から7分ほど歩きます。大通りから少し中に入ったところにあるので、地図を確認しないと迷子になるかもしれません。

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そんなわけでドタバタしながら到着した光林アートセンターBBCHホール。こちらは「Kwanglim Social Service Center」という建物の7〜9階にありまして、建物の外壁には大きくキリストが描かれています。建物の隣には大きなメソジスト教会があって、おそらく建物自体が教会の関連施設なのかなと思います。

wikiをざっと読んだだけの知識ですが、今作でのキリストの描かれ方は物議を醸していてキリスト教徒の一部からはかなり批判の声が上がったとのこと。そんな作品を教会関連施設で見る、不思議な気分になりました。

実際のところどうなのでしょうか。これだけ作品がヒットしていることを考えれば、特に気にせずに楽しんでいるクリスチャンも多いということだとは思うのですが。知り合いにクリスチャンがいないものでなかなか尋ねてみる機会がありません。今作に出会ってからずっと気になっている問題です。

脱線してしまいました。ホール外のフラッグやエレベータの扉などデコレーションが施されていてテンションが上がります。

当日のキャスト

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ジーザス:イム・テギョン(임태경)

ユダ:ソ・ウングァン(서은광)

マリア:キム・ボギョン(김보경)

ピラト:キム・テハン(김태한)

ヘロデ:ユク・ヒョンウク(육현욱)

カヤパ:イ・ハンミル(이한밀)

アンナス:キム・ミンチョル(김민철)

シモン:シン・ウンチョン(신은총)

ペテロ:キム・ヨンウ(김영우)

 

イム・テギョンさんは、2006年の韓国版上演時にジーザスを演じて以来15年ぶりのジーザスだそうです。

キャスト&キャラクター別感想

テギョンジーザス

人間味が強いジーザスでした。とっても優しそうでみんなから慕われている、ごく普通のおじさんって感じ。そんなジーザスなので、なぜ彼が過酷な運命を背負わされなければならないのか、なぜ彼である必要があったのかという理不尽さが際立っていました。

自分でもよくわからないけれどみんなに求められるから応えてあげないと、みたいなモチベーションで活動していそうで、Hosannaで「won't you die for me?」って言われたときの顔が印象的。知らないうちに群衆によって崖に追い込まれていたことにそのときになってやっと気が付いた様子。そりゃあ群衆を手に負えるわけがないだろうよ。。。と思います。ユダの気持ちがよくわかる。

マリアに対しても割とデレデレしている笑 これについてはユダだけでなく他の使徒たちも不満気で、Everything's Alrightではみんな口々に不平不満を言い合っているような様子でした。

Everything's~やThe Last Supperでのユダとの口論ではかなり当たりが強い。自分の運命をどの時点でどの段階までイムジーザスが認識していたかは定かではないけれど、ユダへの当たりの強さには、どうせ死ぬんだからこれくらいやったっていいだろう、これくらい言ったっていいだろうみたいなヤケクソ感が滲んでいました。そういうところもめちゃくちゃ人間。

パフォーマンス的には、高音があんまり出ないので少し物足りなさもありました。What's the Buzzの第一声のWhy~それなりにきつそうだったので心配していましたがGethsemaneはハイトーンシャウトはないもののかなり壮絶に歌い上げていて良かったです。歌自体はとってもうまい。

ウングァンユダ

この回は開幕から4公演目とかで、ウングァンさんのユダデビュー日だったらしく紙製のチケットホルダー的なものを配っていました。よく見ると顔周りにキラキラが描かれてます。

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序盤は、声量も音圧もあっていい感じだけれどちょっと固いな~と思っていましたがDamned For All Timeあたりからどんどん覚醒。迫力のあるシャウトをかましまくってくれました。ユダ死あたりでは、Gethsemaneの高音シャウトと同じくらいの高さで叫び始めて仰天しました。素晴らしい。

ジーザスとユダで1周りちょっと年齢差があることもあってか、とにかく必死で若さゆえに突っ走ったという印象のあるユダに仕上がっていました。もうちょっと他にジーザスを救う道はあったのでは?と思わされるというか。(まあ実際にはないんですけど)反対に次の日に見たジーユダには、どうしようもなかった、なすすべはなかったという感想を持ちました。同じ話なのに全く違うものを受け取っています。まだまだ未熟者なユダなので、ジーザスになついている犬みたいなところもあり、その点シモンっぽさも感じました🐶。背負っているものがシモンとは比べ物にならないぐらい過酷ではありますが。

そしてそして、今回の公演はスパスタが目玉でした!とっても楽しかったです!!!!

ユダは白い革ジャケット、白パンツで降りてきて、バッグダンサーを引き連れながら踊りまくります。このダンスがかっこいいんですよ!!!!ウングァンさんはBTOBというアイドルグループに所属している方らしく、ダンスのキレ+ブレない歌唱にはそういった背景があるのかもしれません。華やかなパフォーマンスでした!!!!ちなみに今回の公演はカテコの後に本編と同じスパスタがもう一回パフォーマンスされます。JCSは最終的にはジーザスが死んで終わるので後味が悪いとよく言われますが、このスパスタボーナスステージは後味の悪さを良くも悪くも吹っ飛ばしていましたね。

この公式PVの最後のところにちょっとスパスタユダ映ってます!!!🌟

ウンチョンシモン

ユダは歌強いけれど他の役の歌唱が絶妙に刺さらんな。。。と思っていたところに現れたバリバリにロックするシモンくんに心を奪われました。歌がとんでもなくうまい!!!!スパスタと共にシモンナンバーもダンスがしっかりついていて、シモン役者もガッツリ踊りながら歌っていましたがこちらも歌が全くブレないです。シャウトも完璧だったし、素晴らしかったです。もっとたくさん聴きたかった!

それはそうとシモンってどのプロダクションでも可愛らしい方が演じていますよね🐶 やっぱりジーザスに諌められてしょんぼりする役どころってなるとそういう配役になるんですかね。この前見た2000年版のトニー・ヴィンセントさんがかわいかった。

他のキャスト&キャラクター

ボギョンマリアは、ちょっと幼過ぎて好みではなかったです。歌唱、メイク、表情諸々含めやたらきゅるきゅるしていた。かわいいんだけれど私がマリアに求めるものとは何か違うぞとなりましたね。I Don't Know How to Love Himも「初恋なの🥺🥺🌸」みたいな印象で歌詞にある深みがあんまり伝わってこなかったように思う。。。

ピラトとカヤパは、低い音が出きっていない感じでうーんといったところ。やっぱり高音シャウトから超低音までの音域の広さを楽しみたい演目だからそこの配役は頑張ってくれいと思っちゃいました。

ミンチョルさんのアンナスは、声の張りが素晴らしくてよかったです!!!!アンナスって結構な高音かと思うのですが安定していて声質も良くて彼が歌うと気分が上がってくるような歌声でした。ヒョンウクさんのヘロデも歌がうまかったです!言語の壁でアドリブがわからんかったのが悲しい!

演出の記録(印象的だった部分のみ)

シンプルなセットにシンプルな演出。スパスタの演出が1番特殊かなと思います。

主催のBlueStageのインスタのアカウントに少しだけ舞台写真載ってます。まだポップスターなユダの写真は上がっていないので、上がり次第追加したいと思います🌟

Overture:舞台で見たJCSは21年のオーブでのコンサート版だけなので、Overtureから演者さんが動いて振り付けがついているのは新鮮でした。役人たちが懐中電灯で照らす光を避けながら走る群衆の姿やJCSのポスターを見つける役人、鞭打ちをする人、苦しみ絶望した様子の群衆などが表現されていきます。メインテーマ(という言い方であっているかしら?じゃーんじゃじゃーん、じゃーんじゃじゃーん)のところで舞台奥にジーザスが現れる=絶望する群衆がメシアを見つける、みたいな演出になっています。

Heaven On Their Minds:ユダが出てきて客席に向けて歌うのでコンサートっぽいなと思いました。群衆と何かしているジーザスに対して遠巻きに歌いかけるユダっていう構図が好きなので、演出はあんまり好みではないかも。途中からジーザスたちも出てきたように思う。

This Jesus Must Die:2000年版のような上下する桟橋的なセットがセンターにあり、真ん中にカヤパ、上手にアンナス、下手にプリーストがいる構図。

Hosanna:カヤパたちが上から見下ろす中、ジーザス一向が舞台上に出てくる。ユダは不服そうに見ている。

Simon Zealotes:前奏部分はアクロバット隊が次々に登場。シモンのバックでは信者たちが踊っていてダンスナンバーに仕上がっている。

The Temple:原曲を現代のクラブミュージックのようにアレンジして演奏。赤いネオンの十字架や派手なダンサー、賭け事の道具を持った男たちが出てきたりニセジーザスが出てきて治療をしてたりする。ニセジーザス、本物のジーザスと全く同じ格好だから一瞬、公演中になんらかのトラブルが発生してジーザスが途中交代したのかと思った。びっくりしていたら本物のジーザスが出てきて、小道具をぶん投げまくる。see my eyes〜からは汚れた布を纏った群衆が渦を巻きながら押し寄せて、ジーザスを飲み込んだり、反対に弾き出したりする。

The Last Supper使徒が白い布を持ってきて床に敷いて、最後の晩餐のテーブルのような絵面になる。舞台袖からキャンドルがたくさん出てくる。ワインの入った杯とパン(ナンみたいな形状)が小道具として登場。ジーザスのすぐそばに座ったユダは、パンを渡されるけれどそれをちぎって食べることはできず、隣にいる使徒にそのまま渡す。受け取った使徒はパンを割いて自分の分を取って回す。

King Herod's Song:そのうち写真出るだろうか。。説明が難しい。ヘロデの周りに侍っているメンバーが女だけじゃなく男もいる。みんな脚をすごい出している衣装。髪に花を差している男子もいる。ヘロデの周りはガールズなことが多いから珍しい。ヘロデの造形や踊り方は少々性的マイノリティのステレオタイプを感じなくもないけれど、いかんせんアドリブの内容や歌い方、語尾などがきっちり理解できていないのでどう受け取っておけばいいのかわからない。ヘロデを演じた役者さんのバックグラウンドもわからないし。従来のヘロデから見ると異質ではあることに間違いはないけれど、クィア表象としてどうなのか、そもそもクィア表象としての意識があるのか絶妙にわからなかった。

Judas' Death:セット上手奥の壁についた突起をユダが登って、2階に位置する桟橋のようなところまで上がる。多分命綱的なものは着けていないと思う。かなりの高さで片手を離したり、客席に向かって歌ったりするし、場面的にも熱が入っているから落ちないか心配になる。自殺は自分で縄を持って首を吊ったところに赤いライトで表現。

Trial Before Pilate:鞭打ちはピラトのカウントに合わせて群衆が一人一人ジーザスに飛びかかるような演出で表現。たまに服が引き剥がされていって最後には上裸になる。傷ペイントあり。メインテーマが流れる瞬間に大きな十字架を背負わされる。2000年版みたいなサイズ感の十字架。十字架を引きずりながらジーザスは退場

Superstar:上下する桟橋に乗って白革ジャン、白パンツスタイルのユダが電飾と共に降りてくる。はじめはバックコーラスは女子3人だけれど途中から白い衣装に身を包んだダンサー(男女両方)がたくさん出てきてユダも一緒に踊りながら歌う。完璧に振付が決まっていてユダもきっちり踊るのでポップスターっぽいユダ。シャウトはたくさんする。My Jesus, My superstarって歌うユダ。

Crucifixion〜:しっかりとジーザスが十字架にかけられている。ユダはちらっとその様子を見て退場。マリアが泣き叫んでいるが無音の演技。

Superstarボーナスステージ:カテコが終わるともう1回劇中と全く同じスパスタを披露する。

作品全体の感想

JCSは音楽が最強なのでセットと演出はシンプルでも良いと思うのですが、そうだとすればもう少し歌唱レベルが高くあって欲しいかなというのがこの日の率直な感想です。(翌日のキャストは歌が鬼強でした)バンドも生だったのですがその割にちょっと音色薄っぺらく感じる場面も多かったなと思ったり。。ただウングァンユダのスパスタがとっても楽しくて大いに盛り上がったので終演後の満足感はとんでもなく高かったです。「ユダやばい!!スパスタやばい!!」って騒ぎながら帰路について、ホテルに帰ってからも興奮しすぎてなかなか眠れませんでした!

それからスパスタは別腹なのですが、個人的にこの演目にはあんまり身体表現は必要ないのかもしれないなと思いました。鞭打ちや首吊り、磔刑などはやはり実際に身体表現を伴って演じられることでより一層感情を引き出されると思うけれど、群舞はあんまりいらないかな〜と思いました。動きを揃えたダンスが入ると楽曲の禍々しさを損なってしまうのが勿体無いな〜と。スパスタは別です。ポップスターユダは最高。

 

マイリージーザス回の感想はこれから書きます💪

 

【12/14 追記】

Bluestage公式が中身ぎっしりな公演ダイジェストをあげてくれてます!!ありがたや!しかもジーユダ版とマリア&シモン版がある!

こっちがジーユダ版

スパスタの後半がウングァンさんのユダ〜🌟

こっちがマリア&シモン版

I Don't Know〜の前半がボギョンさんマリア

ウンチョンさんシモンくんはこっちでフル歌唱してくれてるので、ぜひ見てください!!

めっちゃうますぎて聴いてると笑えてきちゃう箇所があるんですけど、同じ箇所でマイケルリー神も笑ってらした😂 やっぱりうますぎる歌聴くと笑えてきますよね😌

 

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