Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

開幕1週目!ミュージカル『美女と野獣』10/29 S 感想

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好きだった部分もたくさんあるし、楽しかった場面も多いけれど、舞台作品としてあんまり刺さらんかったな〜というミュオタが、自分に刺さらなかった理由を考えていくって感じの感想になります。

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まずは、好きだった部分から。

ビーストが好き

1番はやはり1幕終わりの「愛せぬならば」です!!!!最高の歌唱でした😭😭😭この作品はこの場面のためにあるっていう山場がどの作品にもあると私は思っているんですけど、BBに関しては確実にこの場面がそれに当たります。清水ビーストは低音の厚みも素晴らしいし、ラストの伸ばしでビブラートをギリギリまでかけずに飛ばしてくるので大興奮でした〜

全編通してビーストがやたらかわいいのよ。アニメ版もかわいいけれど、舞台版はまた違ったかわいさがありますね。しっぽの感じとかね。そして多分これは日本語特有だと思うんだけど語尾がかわいい。「かな」とか使う。かわいい。観劇中の思考の5割は野獣がかわいいでした。

ベルにアーサー王物語を読み聞かせしてもらうときの反応もね、とってもかわいいんですよ。ちょこんと座って礼儀正しく読み聞かせに耳を傾けていて。1幕序盤でガストンの「本を読んで何の得になる?」とか「知性のある女は不幸になる」的な発言があるので、もともとは読み書きがほとんどできなかった野獣がベルの読み聞かせを通して物語の面白さを知って2人が意気投合していくって流れもいいなと思いました。

あと、ピンクのドレスに着替えたベルを前にした時にルミエールから「服について何か言って!」とアドバイスされた結果の「ピンクだ!!」発言と、さらに「服を褒めて!」と言われる感じが、ちょうど前日に放送があったグリブラの「16歳の極意」回で見たシチュエーションに似すぎていて思わぬところで笑ってしまいました。(集中して!)

ルミエールも好き

ルミエールの手のキャンドル、ガチの火ですよね???あれって手元かスタッフさんかどっちが操作してるんですかね。煙がもくもく出てたのでうわ、本物!?!?って衝撃でした。客席と舞台が近いのでそのこだわりは素晴らしいなと感じました。

そして大木ルミエールとっても素敵でした〜☺️ エレガントさと好色さのバランスがとんでもなくいい。バベットとの絡みも微笑ましくて2人がきゃっきゃうふふしてんのずっと見ていられます。バベットのチュチュも大変可愛かったな〜💕

ベルの眼鏡

舞台版のベルは本を読む時に眼鏡をかけます。「なぜ眼鏡をかけたプリンセスはいないの?」という問いかけに応える形なのかな。いいと思います!

10歳くらい年下の知り合いが、小さい頃から視力が弱かった関係で眼鏡を着用する必要があって、それをとても嫌がっていたのを思い出しました。あのときの彼女がベルも眼鏡をかけると知っていたらもしかしたら前向きに眼鏡をかけられたかもしれない。ベルは本編中ずっと眼鏡をかけるわけではないですが、こういった小さな工夫でも幸せになる人が増えると思うのでディズニーには頑張ってもらいたいですね。保守的だ保守的だってディズニーのこといつも批判しちゃうけれど、期待してますからね。

ベルに関連したシーンでは、洗濯物を取り込むベルをガストンが邪魔してくる場面が面白かったです。ガストンが洗濯籠を取り上げてくるんですけど、ベルはそのままガストンに籠を持たせておいてそこにせっせと洗濯物を入れていっていて笑いました。五所ベルはそういう強かさが際立っていて素敵です。

ガストンと夜襲

「ガストン」や「夜襲の歌」の場面は舞台ならではの盛り上がりと迫力があってとても楽しかったです。やっぱり群舞や大人数でのナンバーは迫力があります。特に夜襲のコーラスは厚みがすごくてさすが四季だ!!!となりました。

城に攻め込んできたガストンとビーストの戦いの場面もかなり良かったです。アニメーションや漫画を舞台化するときに戦闘シーンで勢いが削がれるというのは常々感じているのですが、BBでは音楽の迫力と雷鳴、照明で迫力のある戦闘に仕上げていました。ガストンが野獣を殴ったり蹴ったりする瞬間に雷鳴と一瞬の明るい照明を合わせて打撃を大きく見せていました。こういった舞台ならではの困難を見せ方で乗り越えるシーンに出会うとテンション上がります!!野獣から王子への変身もよかったです。空中でクルクル回されとる。

 

ここからは刺さらなかった理由を探求します。

まだ開幕1週間ってのもあるかもしれないけれど、芝居パートのテンポが悪いかなと思ったのと台詞と台詞、台詞と音楽の細かい間が微妙に長くてもどかしさを感じました。台詞自体もゆっくりめかも。ただこれはある程度仕方ないのかもしれないとも思います。最近四季のディズニー演目見ていないので、他の演目がどうだったか記憶がたしかではないけれど、私が普段見ているミュージカル作品に比べてディズニー演目は作品を見る層がおそらくかなり広くて、さらに舞浜で上演することで普段はミュージカルに接していない層も多く観劇することが予想できる。となると少しゆっくりめで、誰でも着いていけるテンポで進めるってところを目指すことになるのかもしれないですね。私は畳み掛けるような会話が好きなのでその点ちょっと物足りなく感じました。

 

あとは、これを言ったら元も子もないのかもしれないけれど、あんまり舞台化によって生まれてくる面白さが見えてこなかったなと思います。さっきあげたように、ガストンや夜襲での群衆の動きや厚いコーラスには舞台特有の楽しさがふんだんに詰め込まれていたし、If I Can't Love HerやHuman Againといった追加楽曲も良かったんですけどそれでももっと舞台化特有の旨味を求めてしまいます。。。あとA Change In Meが個人的にそこまで刺さらなかったのも2幕でテンションが上がりきらなかった理由としてはあるかもしれないですね。

Be Our Guestとかはやっぱりアニメーションの華やかさが焼き付いている分、ちょっと寂しく思えたりってのもありました。(あのシーンも脚上げはとても好き)

 

それから、1番最初の曲の最初のフレーズの音がペラペラで一気に舞台との心の距離ができてしまいました。その後は気にならなくなっていったから最初のところだけなんとかならんかなと余計に思ってしまいました。生オケは生オケで膨大なお金がかかるし、最近だとエリザベートのトランペットが不安定問題とかも話題になっているし色々な難点があるし、四季の選択が悪いとも思わないんですけど、最初の音はなんとか響き調節してもらいたいです。

 

色々書いたんですけど、多分パークと隣接した場所で上演する演目としては正解なんだろうなとは感じています。私が気になったテンポの遅さも裏を返せば、誰もがついていけるスピードとも取ることができると言えるわけですし。私には合わない、ただそれだけなのかもしれません。

舞浜に劇場があることで、これまで観劇してこなかった人がミュージカルに触れる機会が増えると思うので、これをきっかけにミュ界が潤うといいな〜と期待してます!!

 

最後に1点!

私は今回最後列の100番台で観劇したのですが、見切れが気になりました。私よりも外側にも多くの客席が広がっていたので、みんなかなり見切れていたんじゃないかと思います。

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私の座席からだと、野獣が上手後方に行った時に姿が全く見えずに声だけが聞こえて「どこ?どこ??」ってなったのと、舞台奥の背景は下手の下側少ししか見えないと言ったところでした。それ以外は特に不便はなかったのですが、チケットを取る際にはなるべくセンター寄りを取ることをおすすめします!