Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

劇団四季の『ウィキッド』10/24 S 初見の感想

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昨年夏にロンドンで初観劇して以来のウィキッドでした〜!あのドラゴンがこんなに近くに!!私は今回2階の最後列だったのですが、四季劇場はどこから見ても舞台が近くてありがたい🙏

劇場内は緑の服を着たがたくさんいてそれもまた楽しかったです。私もエルファバイメージでグリーンのワンピースに黒のジャケットを羽織っていきました。次回はピンクのジャケットでグリンダバウンドにしようと思います~。

作品・公演概要

Wicked
作詞・作曲: Stephen Schwartz(スティーヴン・シュワルツ)
脚本: Winnei Holzmanウィニー・ホルツマン)
演出: Joe Mantello(ジョー・マンテロ)
初演: 2003年 サンフランシスコ(トライアウト)
         2003年 BW

Wicked (Original Broadway Cast Recording)

Wicked (Original Broadway Cast Recording)

  • ステファン・シュワルツ, イディナ・メンゼル, クリスティン・チェノウェス & ジョエル・グレイ
  • ミュージカル
  • ¥1935

 

ミュージカル『ウィキッド
劇場: JR東日本四季劇場[秋]
翻訳・訳詞: 浅利慶太劇団四季文芸部
BW公演のレプリカ公演。

 

キャスト

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グリンダ: 真瀬はるか
エルファバ: 三井莉穂
フィエロ: Kaisaer Tatike(カイサー・タティク)
ネッサローズ: 若奈まりえ
ボック: 緒方隆成
ディラモンド教授: 平良交一
マダム・モリブル: 八重沢真美
オズの魔法使い: 飯野おさみ

+アンサンブル18名

 

作品について感想

ウィキッド』を見たのは友人が所属している学生団体の上演、昨年夏のロンドン公演に続き3回目だったのですが、私は未だにこの作品を飲み込み切れていないんですよね。お話がわからないとかそういうことではないし、エルフィーとグリンダの友情が熱ければ熱いほど盛り上がるし、なによりも音楽が最高でるんるんしながら見るわけなんだけれど、手放しで感情を預けきれないあの感じ、もやもや感。作品自体が何かを妄信してしまうことの恐ろしさを描いているので、私の抱える「すべてを預けきれない」感は作者の意図するところでもあると思うけれど。

作品が嫌いだとかそういう気持ちはなくて、でも手放しに好きだともならなくて、私の中で不思議な位置付けにある作品です。こういう作品がBWやWEでシアターゴアー以外からも支持を得てロングランされている状況もなんだか不思議です。

 

公演の感想

劇団四季の『ウィキッド

いろんな意味で「劇団四季の『ウィキッド』だ~」と思いながら見ていました。と言っても私に四季の何がわかるって話なんですけどね。

まずは、コーラスの厚さとハーモニーの美しさが「四季だ~」って思いました。No One Mourns the Wickedからとても満足感たっぷりでした。関係ないけれど、この曲のラストの音の気持ち悪さ(がかっこいい)和音がWEで聴いた時ほど気持ち悪くなかったのが印象的でした。私がその音を認識した状態で聴いたからかな、耳が慣れちゃったのかも。ちょっと悲しい。

それから、久しぶりに「母音法がちょっと強すぎるかも」という感覚がありました。作品特有の耳慣れない言葉が出てくるから意図的に強めていたりするんですかね。。。それか最近見た四季作品がジャポ=台詞がないから久しぶりの四季で、時間が空いた分気になったのかもしれません。作品自体が割り切れない複雑さを持つ分、ややかっちりしすぎているような印象を受けました。

そして、ここのところいつも書いてしまうけれど生演奏じゃないなのがもったいないよ~。特にエルファバ楽曲はハイカロリーな分、当日のちょっとしたコンディションの違いに合わせて伸び伸び歌わせてあげてほしいよ~と思ってしまいました。コーラスも強い分、録音!なぜ録音!ってなってしまいました。もどかしい。

 

キャスト感想

三井エルファバは、地声のひっぱり上げがかっこよくてDGのラストが爆上がりでした!!!エルファバ役者さんたちって不思議ですよね、宙に吊られた状態でなんであんなに歌えるんだろう。。。超人的です。それからところどころ歌唱に洋楽っぽいグルーブ感があったのも好きでした。特にAs Long As You're Mineでそのあたりが強く出ていたように思います。お芝居の面では、台詞でもよく通る声に、とにかく真っすぐ自分が正しいと思う道を突っ走るエルフィーを感じられて良かったです。

真瀬グリンダは、2幕からのお芝居がとても好きでした~。いや、1幕も良かったんですけど2幕のグリンダが真瀬さんの自身との魅力とも合っていて素敵でした。特に民衆の前に出るにあたり少し落ち着いたもののエルフィーと会うと一気にシズにいたころのグリンダに戻る感じが好きでしたね。ネッサの弔いに来たエルフィーと鉢合わせてフィエロの話題で2人でやーやー取っ組み合いをするところが最高に面白かったです。

タティクフィエロは、しょっぱなから完全な洋楽ノリで「新しい風だ~!!!」と思いながら見ていました。Dancing Through Lifeでの周囲の誑し込み方も自然で、そこから後半にかけてのギャップも際立っていてよかったです。三井エルフィーといい感じにグルーブがハマっていてAs Long As~がとっても素敵でした。

それから、若奈さん演じるネッサも好きでした。台詞の響きがとても良くて。四季の俳優さんはまだまだ認識できていないのですがこれから注目していこうと思います。

 

やはり気になる訳詞

こればかりは仕方がないと思いつつも元の詞があまりにも良いばかりに「そうなっちゃったか」っていう寂しさがありますね。「Unlimited, my future is unlimited」「Unlimited, together we're unlimited」「I'm limited, just look at me, I'm limited」の重ね合わせとか「Nobody in all of Oz / No wizard that there is or was / is ever gonnna bring me down」の韻の踏み方とか「I feel wicked」とか「for good」の掛け方とか、訳出できない部分にあまりにも良さが詰まりすぎていて。。。。

なんともならんことをわかってはいつつも、なんとかならんかと言いたくなってしまいますね。全てを訳出できるとは思わないけれど、今回見た感じ結構歌いづらそうな部分も多かったのでそろそろ訳詞を改定してもいいんじゃないかな~と思いました。

 

そうそう、グリンダの「Toss-Toss」が四季だと「キラキラ~」になっていてちゃんと綺麗な動作なのを見て、ロンドンで見たガニ股でトストスするグリンダが恋しくなりました。

昨年夏はロンドンに着いた日に観て、時差ボケで寝そうになるのを太ももを抓ることで必死で防ぎながら見たんですよ。今回はウィーンから帰ってきて数日後でまだちょっと昼夜逆転の変な生活が抜けきらないままの観劇。私は時差ボケのときにしかウィキッドを見られない呪いにかかっているのかもしれません。

 

【2/3 追記】

1月の感想も貼っておきます!

 

 

 

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【スティーヴン・シュワルツ×劇団四季

 

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