Mind Palaceがない代わりに

来年には大学生じゃなくなるのでタイトル改めました。

【WE観劇記1-4】社交場としての劇場 Moulin Rouge! 7/30 S 感想

BWに行ってアーロンのクリスチャンを見ることが夢でしたが残念ながら叶わなかったので、海外でMR!を見ることには少し抵抗があったのですが、やはり今作は原語で見ておきたいという気持ちが強く、WEで観劇することに決めました。

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チケット購入までのあれこれ

MR!には「Ticket Lottery」という制度が導入されており、当選すると4週間以内の公演のチケットを25英ポンドで購入することができます。応募はメールアドレスを登録するだけと簡単なのですが、応募ページから小さいリンクから飛べるTerms & Conditionsには「Ticket Lottery is open to all residents of the UK.」と書いてあるので日本からの旅行者は購入できないのかも。ただ応募ページには条件の記載がないのでみんな気にせず応募する気がする。一応劇場にも問い合わせのメールを入れたのですが返信はありませんでした。当たってから聞いてみるかとりあえず抽選に申し込むだけ申し込んでみたのですが、結局当たらなかったので真相はわからずじまいです。住所を入れる欄があったのでその時点ではじかれているような気もする。

そんなわけで公式サイトから購入することに。何日間か価格の変動を見守っているとやはり当日になると値段が下がることが多いようだったので、当日購入することに決めました。10時にDEHのRush Ticketと無事購入し(中止になったけどね)、その後でMR!公式サイトに移動。Stalls M列サイドのチケットを103英ポンドで押さえることにしました、、がクレジットカードの決済がうまくいかず買うことができませんでした。

そこで、劇場窓口に行って購入することにしましたが、劇場にたどり着く前に通りかかったTKTSで同じ席の取り扱いがあったのでそこで買ってしまいました。値段も101.8英ポンドと少しだけ安く購入できたのでラッキーでした。おそらく公式サイトよりもTKTSの方が手数料が安かったのではないかと思います。

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ちなみに、前日に劇場近くを通りかかった際に「学割」があるのか尋ねたところやっていないとのことでした。他にもレミゼやメリポピでも同様の質問をしましたがWEは学割をやっているところはほとんどなさそうです。

いざ、劇場へ

MR!が上演されているのはPiccadilly Theatre。Piccadilly Circusという駅のすぐそばでお店もたくさんある賑わったエリアに位置しています。劇場の周りにはパブがたくさんあり、公演が土曜日の夜だったこともあってかお酒を手にした人があふれかえっていて、特に実害があったわけではないですが、1人で歩くには少し怖い雰囲気でした。 レミゼを上演しているSondheim Theatreもエリアとしては近いです。

開演1時間ほど前に劇場に着くと、建物には入れるが客席は解放されていない状態でした。はじめはそれに気が付かず客席はどこかと迷路のように入り組んだ階段を下りたり登ったりして、ふとした瞬間にバランスを崩してふらついてしまいマダムに「Oh, Oh~」と言われて恥ずかしかったです笑 その時間でもバーカウンターは既にオープンしていてかなりの混雑。みんなお酒を片手に会話に花を咲かせていました。

上演中も多くの人がグラスを手に、お酒をあおりながら観劇していました。中にはワインボトルを持っている人も笑 ほとんどの人が2人〜4人組で開演前や幕間にはお酒を飲みながら盛り上がっている感じ。1人で観劇しにきている人は周りにはいませんでした。加えて、お酒飲んでる分、上演中トイレや立つ人も多いし、隣のお父さんは開演早々集中力切れてました。がっつり観劇を楽しむというよりは一緒に見に来た人たちとわいわいやるのを楽しむという側面が強いような空気で、そこに社交場としての劇場を見たような気がします。ただその雰囲気は他の演目ではそこまで強くなくて、MR!特有のものなのかもしれないとも思いました。

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客席に入ると一面が赤い照明に照らされていてテンション爆上がりです。開演15分前くらいからはプレショーも行われてそれがまた楽しい😆

当日のキャスト

多分この人だったと思うって感じです。サンティアゴと公爵がメイクもあって自信がない。。

クリスチャン: Jamie Bogyo

ティーン: Liisi LaFontaine

ハロルド・ジドラー: Ian Carlyle (Ensemble)

ロートレック: Jason Pennycooke

サンティアゴ: Elia Lo Tauro

公爵: Tommy Wade-Smith (Swing)

感想

当たり前っちゃ当たり前だけれど、音源を聴いて想像していたのとはまた違った印象を受ける部分が多かった!!

Jamieクリスチャンはでっかい犬みたい。頭がぱやっとした感じでサティーンにもとにかく真っ直ぐな気持ちをぶつけていく。とにかくピュアな印象で、私は音源を聴いている限りクリスチャンはそこまでピュアだと思っていなかったから意外。El Tango De RoxanneやCrazy Rollingも怒りに身を焦がされるようなタイプじゃないのに頑張って怒っているように見えた。とても優しい歌声の持ち主でサティーンが心を掴まれた気持ちもよくわかる。高音は少し苦労している印象ではあった。

Liisiサティーは出てきた瞬間「まさにOne and Onlyだ〜」と思わず口を開けてしまう圧倒的存在感。歌声もソウルフルでかっこよくて私はFireworkが刺さりました。ゴージャスなスパークリングダイヤモンドとしてのサティーンと「How wonderful life is while you're in the world」って1人で呟くときの笑顔やElephant Love Medleyでクリスチャンの言葉に思わず笑ってしまうところに見える少し子どもっぽいサティーンのギャップが大きくて、後者のサティーンとJamieクリスチャンは相性ピッタリなんですよね。1つ前に見たオペラ座ロンドンとも構図が似ているなとも思う。クリスティーヌやサティーンの子どもの頃のような自然な状態にできるのがラウルやクリスチャンで、彼女たちの魅力を外の世界に示そうとするのがファントムや公爵で、どちらの公演でもファントムや公爵のサイドには全く勝ち目がなかったですね。

クリスチャンとサティーンの印象の違いにも驚いたけれど、公爵がかなりイメージと違った。というのも音源を聴いていると公爵は男性的な魅力に溢れていて抗い難いような存在なのかなと思っていたんだけれど、今回の公演では観客に笑われる場面も多くて思ったよりもコミカルな存在だった。

 

それから笑いのポイントも意外に思うところが多かった。これまでのWE観劇でも笑いのポイントのずれは感じていたのだけれど、どうやらMR!では劇中に自分の知っている歌が挿入されることに笑っている人が多いようだった。要するに登場人物たちが突然レディ・ガガやアデルを歌い上げる状況を楽しんでいる。こういうことは日本でジュークボックスミュージカルを上演するときには起こらないんだろうなと思うと同時に、自分の予期せぬタイミングで爆笑が起こるので観劇しながら不思議な気分になりました。クリスチャンがChandelierのone, two, three, one, two, three, drink〜に合わせて酒をあおり始めたときは私も爆笑したけども。

 

正直私は今作のストーリーそのものにはあまり面白さを感じていなくて、実際に観劇してもそれは変わらず少し退屈するな〜というシーンもあった。それでもエネルギッシュなカンカンに始まり、情熱的なBackstage Romanceのダンスパート、大盛り上がりのアンコール、全出演者でのラインダンスを見たら見に来られてよかった😭😭😭ってなりますね。それに楽曲もやっぱりかっこいい。OBCを聴き始めたときには使われている楽曲の1/5も知らなかったけれど、緻密に編まれた楽曲に魅了されて今では元の楽曲を聴くようになっているし。逆に言えば、楽曲をいかに魅力的に歌い上げられるかとダンスでいかに魅せられるかにものすごくかかっている演目なんだなと実感しました。2023年の日本版上演も楽しみにしてます。キャスティングよろしく頼みます。

 

P.S.

ティーンとニニの関係性は最高に刺さりました。