映像配信は劇場文化を殺すのか - Mind Palaceがない代わりに

これのつづき、といいつつ沼った経緯というよりは配信について思ったこと

yadokarinko.hatenablog.jp

前回はYouTubeチャンネルの「The Shows Must Go On!」と、ナショナルシアターライブの話を書いたところまででした。

舞台映像の配信は危険なのか？劇場に行くという文化はなくなるのか？

前回の記事では「無料配信」という言葉を使ったのですが、各劇場がYouTubeを使って舞台の映像を配信したのは、寄付を募るためだったんですよね。公演ができない状況で劇場やスタッフ、アーティストたちを守るための手段として配信をしているという感じでした。私もだいぶ無料で見たのでこれから少しずつ寄付をしたいなと考えているのですが・・

その中で心配の声をしてあがっていたのが、「舞台の映像を配信してしまうことは劇場に足を運ぶ文化をなくしてしまうのではないか。」ということです。たしかバレエの配信を巡ってこんな話題が出てきていたと思います。

ちなみに私はこの辺の作品をYouTubeの配信でみました。

カフカの『変身』をバレエにした作品。虫になった後の動きがものすごい楽しい

英国ロイヤル・バレエ《変身》(2013)[Blu-ray Disc]

発売日: 2014/07/01
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ハンブルクバレエ団の、『幻想～「白鳥の湖」のように』

Illusions Like Swan Lake [DVD]

アーティスト:Hamburg Ballet
発売日: 2014/11/03
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たしかに日本とかだと特に、劇場に行く習慣ってあまりないし、一部の人たちが通っていることで成り立っている感じがします。映画のサブスクが普及してからは映画館からも足が遠のいていると思うし、私も実際近くの劇場で字幕版の上映がないと配信に来てからでいっかとか諦めてしまいがちです。

ですが、バレエ・ミュージカル・演劇色々な配信をみて思ったのは、舞台作品に関しては映像は映像で楽しいけれどそれだけで満足することはありえないということでした。そこが、劇場と映画館の違いだと思います。例えば、カメラが主役に寄っている間、コールドは何をしているのか見えないのは辛いし、歌声が身体に響いてくることもないわけで。結局は、作品についての感想と一緒に「生でみたかったな」「生でみたらまた違う感想だったかな」という思いが生まれてきます。

あと思ったのは、いきなり舞台に行くのってやっぱりハードルが高いです。面白いかどうか自分が好きかどうかもよくわからない状態でチケット代1万円とか、いきなりは出せません。今だったら気になってると買っちゃうけど笑　そういう点では一度映像でみておく安心みたいなものはあるかも。ネタバレ厳禁な作品だとそうはいかないかもしれないが。

その点、映画で予習できる作品とかは強いですよね。

私が思うに、舞台映像の配信は裾野を広げるチャンスでしかないように思えます。実際に配信で広がった裾野の人間の意見なので偏りしかないのですが。もともと劇場に行く習慣のある人はこれまでみる機会のなかった作品に出会って、さらに広いジャンルに触れるきっかけになるし、全く舞台をみる習慣がなかった人には興味をもってもらうきっかけになる。そしてどっちの層も結局は劇場に足を運ぶのではという希望的観測。

それから、この界隈に足を踏み入れて一番感じることは、過去の公演をみたいと思ったときにみる術がほとんどないショックです。ロングラン上演している作品はいつかみにいけるかもしれないけれど、好きな俳優の出演していた公演とかみたいよ！映像でもいいから！そのうえで生でもみに行くよ！っていつも思っています。

私はアーロン・トヴェイトのCatch Me If You Canがみたいんですよ！

正規の映像みれるところ知ってたらコメントで教えてください