友人がゴールデンスニッチを当ててくれまして、ついに見に行ってきました〜🪄
ACTの外の階段を登りながら思わず「懐かしい〜」って叫んじゃいました。最後に行ったのが多分、ミュオタになる前に見た『ビリー・エリオット』の時だったので🩰
ゴールデンスニッチチケットは当日引換式。気になるお席は1階後方サイドでした。前の人の頭の被りもなく、とても見やすい席でした〜
ちなみに、ハリポタシリーズは小学生の時に原作と映画を一気読み&一気見したきり、まともに復讐をしていないので(復習しようしようと言い始めてはや10年🤗)、話についていけるかなと不安だったのですが、有耶無耶な記憶でもしっかりついていけました💪 映画でも本でもひとまず一周触れてれば大丈夫だと思う🙆♀️
作品・公演概要
Harry Potter and the Cursed Child
脚本:J. K. Rowling(J・K・ローリング)、John Tiffany、Jack Thorne
初演:2016年 ロンドン
劇場:TBS赤坂ACTシアター
一部制のレプリカ公演
本編感想(⚠️ネタバレあり)
はるバス、かどスコ、石丸ハリー回でした~
私のブログは基本ネタバレのオンパレードなのですが、ロングラン公演ということでアラートを発動しときます⚠️
魔法と演出
とっても楽しかったです〜!!!舞台上で次々に繰り出される魔法にびっくりしっぱなしでした。結構注意深く見てたつもりなんですけど、技術的な仕組みがわからないものもたくさんあって驚きの連続(電話ボックスどうなってるの!?!?)。客席からも時折り「おおぉ」っていう声があがったりして。観客が思わず漏らす感嘆みたいなものが、私は結構好きです。
ディメンターのフライングであったり、壁一面に広がる蛇語であったり、ヴォルデモートの客席降りであったりには、観客を「絶対に飽きさせないぞ」みたいな気概も感じました。あとは、フライングの多用や舞台下のプール設備はロングランだからこそできることなんだろうなと思ったり。
(蛇足: 客席上空を飛んでいたディメンターが上に引っ込んでいく時に、旧マーメイドラグーンシアターを思い出して、謎に感傷的な気分になったわ)
ポリジュース薬も舞台ならではの楽しさで最高でした。石丸さんのスコピinハリーの演技がめちゃくちゃ好きでしたね。友人とも話したけども、石丸さん、劇中で別人格演じがちじゃない?笑 パレードしかりジキハイしかり。そして毎度、別人格のギャップに驚かされるのよね。エハラさんのアルバスinロンも好きだったな。可愛かった。全体に大人キャスト可愛かった。
ロングランとスピード感
それにしても、ものすごい台詞量&スピード感のお芝居なので「これを何ヶ月も上演し続けている俳優さんたち...すごすぎる」ってなると同時に、「この大変な作品に出演しながらジキハイ、それも地方公演までやってのけた石丸さんは超人としか言いようがないな」と思いました。無理のあるスケジュールが美化されてはならないと思いつつも(ホリプロさん、ちゃんと考え直してね)、実際に両方の役を演じる石丸さんを見て、その「凄さ」を改めて感じました。
話のテンポの速さっていうのは、今作の魅力の1つだな〜という風に私は思っているのですが、全編通して台詞のスピードが速く、それも声を荒げたり叫んだりしながら言うシーンが多いので「聞き取りづらい」っていうのは難点としてあるなと思いました。やはりロングランの影響か、喉が結構ガラガラになってしまっている方もいて、それも聞き取りづらさに拍車をかけていた感じがします。
幕間に後ろの席に座っていた中高生くらいの女の子が「速すぎて何言ってるかあんまわかんなかった」的なことを言っていて、そうなるわなとは思いました。観劇慣れしてる私でも、台詞を聞いてから5秒後くらい経たないとなんて言ったか理解できないところが何箇所かあったこと、そして客層を考えると、もう少しだけ、台詞を「伝える」ことに気を配ってくれた方がいいかもしれないなと思うなどしました。
さてさて、内容について。
面白かったです!各キャラクター間の関係性は「もっと煮詰められそうなのにな」と思ったりもしましたが。
父子関係
特にハリーとアルバスの父子関係は、細かいエピソードが面白かったからこそ、もっともっとって思ってしまう自分がいました。(最近見た作品で父子関係の煮詰め方が好きだったのは、韓国ミュの『ルードヴィヒ』かな)
英雄であるが故に「自分が自分が」という思考に陥り、アルバスに対しても相当な毒親ムーブをかましてしまうハリーを描いているのがとても面白かったし、アルバスがそんな父を疎ましく思いながらも、無自覚に父と似た行動を取るのも良かったです。特に、図書室でアルバスがスコピに謝るシーン。スコピに「君はだんだん自分のことばっかり話し始めているし、そのくらいにしておいた方がいいと思う」って言われるのがとっても好きでした。今作のハリーすぐ自分語りするもんね。
そういった細かいシーンでの描き方は好きだったんですよね。でもデルフィーとの決戦であったり、物語の大きな展開ではあんまり関係性が活きていない印象を受けまして。この辺はほんと真面目に戯曲を読まないとうろ覚えでは言語化できない部分でもあるんですけども。
なんだろうな、結局「家族だから」みたいなざっくりした着地をしたような気がしなくもなかったんですよね。全体に「ちょっと保守的」な印象が残るというか。でも最後、スコーピウスとずっと一緒にいると思うという話をするアルバスに対して、ハリーがかけた「お前の考えていることはわからない、でも心はわかる」みたいな台詞は、保守的な父とそうでない子どもが分かり合えないなりに和解する、現実的で新しい場面だったような気がしなくもないし。いや、でもやっぱり保守的な気もする。といった具合でぐるぐる考えております。
アルスコの話
アルスコの描き方についても保守的といえば保守的だし、革新的といえば革新的な気もする。私はそこまでクィアベイティングとは思わなかったけれど、アルバス→デルフィー、スコピ→ローズっていう風に異性愛描写を入れて、アルスコの関係に踏み込まないためのエクスキューズに使っているという批判もまあ出るだろうなっていう感じですね。ただ私自身は、クィアベイティングの理論ってあまりにも「恋愛至上主義」じゃない?って思っていたりするので、私はそこまで批判的な見方はしませんでした。「アルバスとスコーピウスの話です!!」って感じで終わっていってくれたので納得しています。(さらっと調べた感じ、アルスコの話に寄せたのは一部制の特徴らしい、グッジョブな気がする。)
特に終盤、はるバスの畳み掛け方がすごくてだな。
ローズにアタックするスコピの「種は撒いた。そこから宮殿を建てて・・・」っていう台詞を受けてのアルバスの「そのハーモニーの宮殿で暮らす?」ですよ。
そこまでは「(スコピはローズに)嫌われてるだろ」「憐れまれてていいのかよ」って普段通りの気軽さで話しているのに、「そこで暮らす?」のところで、はるバスが突然湿度をあげてくるんですよね。そりゃ、かどスコも「え?なに?え」って大混乱フィーバー起こすよって。
本編通して、スコピの方が「アルバスのこと大好きで仕方がない!!」って感じだったので、ここに来て突然表に出てきたアルバスの計り知れなさに仰天しました。からのハリーに対しては「スコーピウスは僕の人生で一番大切な人なんだ。多分これから先も一生」発言ですもんね。アルバス!君ってやつは!!
アルスコのやり取りの後のローズの台詞「いいんじゃない?堂々としていれば」には、アルスコの歩む道を肯定してくれるような温かさも感じました。彼らの関係がこの先どんな形を取ろうとも、堂々としていればいいって言ってくれる存在がいると思うと、希望が持てます。(ハリーも似たようなこと言ってくれてるけど、なんか私はローズの台詞の方が刺さったな。橋本ローズの言い方も好きだったんだのよね。「なんでもない」って感じで)
あと、はるバス・かどスコを見ながら「持てる者と持たざる者」みたいなことを考えました。
図書館でもアルスコがそんな話をするけれど、アルバスにはアルバスの悩みがあるとはいえ、彼は周りからひたすら愛されてきたことにかわりないと思うんですよね。愛を当たり前に享受して、無碍にできる傲慢さみたいなものが、はるバスにはある。それが、はるバスのスコピ一直線な「重さ」みたいなところに繋がってくるのかもなと思ったりしました。
対して、かどスコは噂のせいで「みんなから愛される」ような生活とは程遠かったはずなんですよね。だからこそ、全てを大事にするというか、皆を愛するような子に育ったのかなって思ったり。それにしても、かどスコは絶対ドラコに甘やかされて育ってますよね。じゃないとああは育たないと思うんだよ。愛が当たり前に与えられるわけではなかったからこそ、みんなみんな大切にする優しい人になったんだろうなと思います。
そう、呪いの子公式がアルスコのキャスケを全然出さないことでだいぶ炎上してますが、見てわかった。これはね、出さなきゃダメだよ。完全な作品主義に振ってるなら話は別だけれど、ハリーたち大人キャストを出すってことはやっぱりキャストで売ってるわけじゃん。だとしたら、今作の主役であるアルバスとスコーピウスはしっかりスケジュール出さなくちゃだよ。2人の配役によってまた作品の印象もガラッと変わるだろうし、そこを見たい!って人も多いはずだよ。それに、キャストにも失礼だと思うよ。大人キャストと差をつけるみたいなやり方は。わかるか!ホリプロ!!(怪物さんボイス🐻)
【6/2 思い出し追記】
最終盤、アルバスとの絆を深めようとしてくるハリーの行動を受けて、アルバスとスコピが顔を見合わせながら「うえええ🤮」ってするのが大変かわかった。
【石丸さん関連】