Mind Palaceがない代わりに

ミュージカル観劇レポの保管庫です

明確に「恋愛」に見えた『ハリー・ポッターと呪いの子』8/3 M 感想

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友人がゴールデン・スニッチチケットを当ててくれて『呪いの子』観劇してまいりました。前回は昨年の5月で石丸ハリー・藤田アルバス・門田スコーピウス回でした。既に懐かしい~

今回は平方ハリー・渡邉アルバス・西野スコピ回!!!席は1階中列の下手端でした。見切れはありませんでしたが、ハリーとスコピが上手を向いての芝居が多いので表情が見えづらい。アルバスは基本下手向きなのでよく見えました。

 

 

作品・公演概要

Harry Potter and the Cursed Child

オリジナルストーリー: J. K. Rowling(J.K.ローリング)
脚本・オリジナルストーリー: Jack Thorne(ジャック・ソーン)
演出・オリジナルストーリー: John Tiffany(ジョン・ティファニー

初演: 2016年 ウエストエンド
         2018年 ブロードウェイ
         2022年 東京

 

舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』

劇場: TBS赤坂ACTシアター
翻訳: 小田島恒志、小田島則子

BWで採用された2幕3.5時間の「一部制」レプリカ公演です。

 

キャスト

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ハリー・ポッター: 平方元基
ハーマイオニー・グレンジャー: 豊田エリー
ロン・ウィーズリー: 矢崎広
ドラコ・マルフォイ: 姜暢雄
ジニー・ポッター: 白羽ゆり
アルバス・ポッター: 渡邉蒼
スコーピウス・マルフォイ: 西野遼
嘆きのマートル/ポリー・チャップマン: 倉澤雅美(Cover)
ローズ・グレンジャー・ウィーズリー:仲本詩菜(Cover)
デルフィー: 乃村美絵
組分け帽子/ベイン: 尾尻征大
エイモス・ディゴリー/ダンブルドア/スネイプ: 間宮啓行
マクゴナガル校長/アンブリッジ: 榊原郁恵

+17人

 

感想(アルスコ周り中心)

約1年ぶりに見て「やっぱり面白い!」と思いました。ストーリーは勿論、見せ方の部分のエンターテインメント性が高く、シアトリカルな魅力もふんだんに詰まっていて圧倒されます。

その分、序盤の台詞のスピードが速すぎて作品の世界に一気に入っていきづらいのが勿体ないな~と感じています。初見時も驚きましたが、2回目の鑑賞でも速く感じるということは相当なスピードだと思います。上演時間の都合、冒頭で飽きさせないため、色々と後ろ側にある理由は想像できますが、役者さんたちが皆、時間に追いかけられるように台詞を発しているのが気になります。お芝居ではなくてタイムレースみたい・・・。

作品そのものへの所感は初見時からほぼ変わっていません。事あるごとに自分語りを始めてしまうハリー、英雄の息子として生きる苦しみを抱えるアルバスのキャラクターと関係性は面白い、それがもっと煮詰まってもっとストーリー展開と密接になっていたらなお良いな、という感じです。

ただ、(主に)蒼アルバスのお芝居によってアルバスとスコーピウス周りの印象は結構変わりました。

前回の初見時には、アルバス→デルフィー、スコピ→ローズの描写が言い訳のように差し込まれている気がする・・・クィアベイティングと批判されるのはわかるな、なんかちょっと保守的?と思いつつも、別にすべての親密な関係が恋愛関係に帰着するのは嫌だしな〜などと思っていました。

はるバスとかどピの空気感に心を掴まれたのは間違いなくて、最終的に「きっと2人ならどんな関係になっても上手くいくはず😌✨」と納得して帰った記憶があります。

はるバスの「ハーモニーの宮殿で暮らす?」からは、新しいバージョンはこの湿度感なんですね!!というのを感じたりもしましたが。

 

対して今回のあおバスは、結構明確に、スコーピウスへの『恋愛』感情があって、さらにそれをしっかり自覚しているように見えました。

特にハリーにスコーピウスのことを話す場面で、感情が溢れ出てくるのを止められない、とうように目に涙を浮かべつつ、でも語尾や口調にはトゲがあってハリーに噛み付くような勢いで話す姿が、自分の心と想いを必死に守ろうとしているように見えて、「あぁ、彼はスコーピウスのことを愛しているんだな」と感じました。

そんなあおバスの「ハーモニーの宮殿で暮らす?」は冗談ノリでテンション高めながらも自分の心を守るためにちょっと強めに出ている感じがありました。対する、にしピの「ん?なんで?」も本気で疑問に思っていそうな、最優先は当然アルバスですが、と言わんばかりの圧だったのでした。

アルバスとデルフィーが接近しているときのにしピの大変不服そうで、なんとかしなくちゃ!という焦りを感じる姿も合わせると、私がこの日に見た2人は相思相愛だったのではないでしょうか。

(まあ私には恋愛のなんたるかはよくわからないんですけどね。今のところAroだし)

ローズの「いいんじゃない?堂々としてれば」もハリーの「お前の考えていることはわからないが、心はわかる」も、全て2人の恋人としての将来を肯定するものに「今回は」聴こえました。

そして平方ハリーとあおバスの最後の場面は、ゲイorバイの息子のカミングアウトに、やや困惑しつつも、向き合い、受け止めて、祝福しようとする父とそんな父に少しだけ安堵する息子の場面だったなと「今回は」思いました。

また別のキャストで、別の公演を見たら違うものを受け取るのかもしれない。そういった意味でもシアトリカルな楽しさが大きい作品だと感じています。

 

平方ハリーは見ていて不思議な感覚でした。平方さんなのに平方さんじゃない。役を演じているので当たり前といえば当たり前ですが、ハリー・ポッターという強固なキャラクターを演じていて、かつ「歌わない」ということで、役が変わったとしても同じ人が演じることで滲み出るなにかが少なかったのだと思います。それが良いのか悪いのかは私にはわかりませんでした。それでもジニーと2人の場面なんかでは「平方さん的なもの」が感じられる瞬間もあって、私としてはそれが嬉しかったです。あとポリジュース薬のハリーinスコピの場面にはトーマス・ウィーバーの引き出しを見て、隣席の友人もろとも情緒が爆発しました。soml待ってます。

豊田ハーマイオニーは声も姿も美しくて本当に素敵でした。そして矢崎ロン!ちょっとした間の取り方や台詞の言い方が絶妙で、やっぱりお芝居が抜群に上手い方だな〜と改めて思いました。ダーウィン・ヤングを見なかったのがここ数年の大後悔。

あと全然関係ないですが、三校対抗試合の実況音声の声がものすごく聞き覚えのある声なのに誰の声か思い出せず、とんでもなく悶々としながら1幕を見ることになりました。幕間に調べたら吉田鋼太郎さんと分かり、特大アハ体験でした。

 

二部制の脚本を読んで

昨年『呪いの子』を見た直後にスタジオツアーに行って、二部制の脚本を買ったものの、そのまま積み本になっていたのですが、今回の観劇を期に読んでみました。

感想としては「思ったよりは大きく変わらないんだな」という驚きが大きかったです。会話を少しずつ短縮しているんだろうと思います。

大きな変更としてはハリーの回想シーンが全面的にカットされていること。幼少期のハリーの体験を舞台上で再現するのは面白い試みなんだろうな、とは思いますが、あったらあったで話が散漫になりそうだなとも思います。舞台で見るとどんな感じなのでしょうかね。いつか二部制も見てみたい!と思いつつ、ロンドンで2枠を1作品に使うのは難しいかも・・・とも。

どこのシーンがなくなって、どの台詞がなくなったのか、全てを把握できたわけではないものの、二部制の方が「ハリー・ポッターの物語」に寄っているのだと思います。一部制は「アルバスとスコーピウスの物語」に少し焦点を絞ったカタチ。私は関係性をグッと煮詰めた深く狭くな話が好きなので後者が好みです。

 

 

今回は友人がHarry Potter Cafeの予約も取ってくれて、スリザリンのベストを着て観劇して赤坂魔法ワールドエリアを楽しみ尽くした1日でした。

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トーストは耳が驚きの硬さだけれどかわいい。
ケーキは甘いけれどかわいい。

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【直近で関係性が熱かった公演】

ミュオタ(昆夏美)によるミュオタ(我々)のためのミュコン「Kon Natsumi Concert 2024 - moi -」9/14 S セトリ&感想&レポ

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待ちに待った昆ちゃんコンでした🥺💕💕

2021年のコンサートに続き、今回も大大大満足です!!!

 

公演概要

Kon Natsumi Concert 2024 - moi -
会場: よみうり大手町ホール

出演者: 昆夏美
ゲスト: 小野田龍之介

 

セットリスト

  1. 李香蘭メドレー(蘇州夜曲〜夜来香)
  2. 魔法使いと私 -『ウィキッド
  3. Somewhere That's Green -『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』
  4. 私が生きてこなかった人生 -『天使にラブ・ソングを~シスター・アクト~』
  5. 星から降る金 -『モーツァルト!』(回替わり)
  6. Journey to the Past -『アナスタシア』
  7. あなたに続く道 -『マリー・アントワネット』(小野田フェルセン&昆マリー)
  8. 星のさだめ -『アイーダ』(昆アイーダ&小野田ラダメス)
  9. 時が来た -『ジキル&ハイド』(小野田ソロ)
  10. Naughty -『マチルダ
  11. My House -『マチルダ
  12. 未来が見える -『トッツィー
  13. 端っこ -『この世界の片隅に
  14. 夢やぶれて -『レ・ミゼラブル

アンコール: この世界のあちこちに -『この世界の片隅に

 

感想&レポ

一昨年の10周年コンサートでこれまでの出演作の振り返りはしているので、今回は何が来るのだろう、と思っていたところまさかの李香蘭スタートで驚きました。

あんまり役に入り込まずに歌として聴かせるような歌声は貴重で、1曲目から昆ちゃんの声の良さと歌の上手さに改めて感動していました。ほんっとうに上手い。そして『ブギウギ』は楽しく見ていたのでここで昆ちゃんが振り返ってくれたのが嬉しいのでした😌

「朝ドラの『ブギウギ』にお邪魔させていただいて、李香蘭を演じました。そのときは中国語で歌ったのですが、今回は日本語で」

「今回はコンサートということで、普段の役に入った私ではなく、私そのものとして歌うということでフランス語で『私』という今の『moi』というタイトルを付けました。あと『もわ』って可愛い!エム・オー・アイで『もわ』って読むのも可愛いし!」

「元々は今年で33歳、ゾロ目ということでそれをお祝いする、というところからスタートしたのですがそこからはだんだん離れて行って・・・ただこちらの蝋燭は33本になっております〜☺️」

 

「次は私がこれまでに演じたことのない役の歌を3曲続けてお聴きください」

前奏を聴いてニヤニヤが止まりませんでした、魔法使いと私です。昆ちゃんは役の幅が広いですが、私の中では特にハイテンションな役に強いイメージがあり、エルファバもキラキラキャッキャしていそうという予想を完全に裏切る、低く大人っぽい歌声に恐れ慄きました。信じられない振り幅!!重心が低い深みのある声には、ちょっと濱田めぐみさんっぽさがありつつ、確実に昆ちゃんらしい仕上がりでとても好きでした。

Somewhere That's Greenは「本当に昆ちゃんオードリーやってない???」と思いながら聴いていました。「シーモアはかわいい」の言い方が可愛すぎました。完全な本役クオリティです。オードリーが歌ってました。昆ちゃんは感情を表に出して自分で道を切り開く女性を演じられる強い歌声も持っているのに、閉じ込められて何かを諦めながら悩む女性のお芝居・歌もすごく上手いですよね。もう、ミュージカルが上手い!それに尽きる!!

私が生きてこなかった人生は予想外の選曲でウキウキでした。本当に似合っていました。1曲目聴いただけで本役が見える歌唱ってすごい。

The Wizard and Iは、初めて披露し・・・あ!違うんです。元々大好きな曲で、私は高校・大学と音楽学校に通っていて、学校の試験で課題曲と自由曲を歌うときにも選んで歌っていました。そのあとはもうカラオケでもよく歌っていて。それをこの前、海宝直人さんのファンクラブイベントにお邪魔したときに、初めて歌わせてもらって。それがとても楽しくて、『今度コンサートでも歌います!』って宣言したんです。もし、両方参加されてる方がいらっしゃいましたら、『ちゃんと宣言通り歌ったよ〜!』」

Somewhere That's Greenは、本当に大好きなんです。可愛らしくて切ない曲だから聴いているとよくわかんない気持ちになって泣きそうになっちゃう。あんまり気持ちを入れながら歌うと泣きながら歌うことになっちゃって、すごい重い感じになってしまうから、入り込みすぎないようにして歌ってます」

The Life I Never Ledは、アラン・メンケン・・ですよね?(客席に尋ねる)」
「メロディが美しくて、これも本当に大好きな曲なんです。聴いて楽しい曲が楽しく歌えるわけではないですね笑 この曲は大変です笑笑ってこんなこと言われても困りますよね😂」
「今回のセットリストを考えるときに、インスタグラムで『歌ってほしい曲』を募集しまして、この私が生きてこなかった人生はたくさんの方にリクエストいただきました。ほんとにたくさん!私が大好きな曲と皆さんが聴きたいと思ってくださる曲が合ったので、これは絶対歌わなくちゃ!と思いました」

 

「続いてもこれまで出演していない作品から。ここは日替わり、公演ごとに2曲のうちからどちらかを歌うことになっておりまして、今回は『モーツァルト!』より星から降る金を歌います。『モーツァルト!』だとダンスはやめられないを歌うことが多かったのですが、今回は初めて星から降る金を歌います」

そもそも昆コンスへの違和感がなさすぎて、出演していないと言われてもピンとこないところはありますよね笑笑 これまた意外な選曲でした。始まってみると余裕があって深みのあるゴージャスな歌声に魅了されました。声の引き出しが多すぎません???貴婦人な昆ちゃんも見てみたくなりました。

 

「続いては『アナスタシア』からJourney to the Pastを歌います。この曲も私が生きてこなかった人生と同じくらいたくさんのリクエストをいただきました!こちらも初めて歌います」

こんなに初出し楽曲満載のコンサートあります?っていう勢いで、しかも私の(きっとみんなも)大好きな曲ばかりで、本当に幸せすぎるな〜と思いながら聴いていました。多分この曲は昆ちゃんの得意キーよりも高い?ので、少しアップテンポにして歌っていました。煌びやかなドレス姿に昆アーニャが見えました。

 

小野田のコーナー

ここからが問題です。小野田さんのマシンガントークが止まらなさすぎ&面白すぎて、記憶が吹っ飛んでしまいました。昆ちゃんも「小野田さんの頭の回転が早すぎて、私は頭がショートしそうになる」とあわあわしていました。かわいかったです。

 

蝋燭を持って登場した小野田さん
小野田「あ〜怖い怖い😨」
昆「そういうんじゃないから笑」
小野田「え?違うの、怪談話じゃないの?

 

何やってもいい
小野田「コンサートっていいよね、何やってもいいし
昆「そ、うですね・・・何、やってもいい・・・実際に演じていない役の歌も歌えますし・・・」
小野田「あ、別に裸踊りしてもいいとかそういう意味じゃないよ?」

 

体力を消耗させるヒーリング俳優

昆「ねぇ、出てきてすぐ全部持ってくのやめてくれない? 小野田さんが出てきてから会場の温度が8℃くらい上がった!
小野田「いいじゃない、どう?緊張もほぐれた」
昆「お客さんが温かく迎えてくれたからほぐれた。そう、私始まるまでずっと緊張してて、そしたら小野田さんがオンステージなのか?ってくらい漫談みたいにずっと私を笑わせてくれて😂」
小野田「初日から体力消耗させてやろうと思ってきてるからね。初日に呼んだことを後悔するよ!」
昆「笑笑 そんなことない!元気もらえます」
小野田「ヒーリング俳優でやらせてもらってるからね。歩くアロマって言われてるから!」
昆「笑笑笑笑笑」
小野田「あ〜もうリラックスしすぎてポケットに手突っ込んでたもんね😂』

 

同い年ですよね?

昆「来てくださってありがとうございます」
小野田「10周年のときは呼ばれなかったけどね?
昆「これほんとに会うたびレベルで言われるんです!!」
小野田「僕も20周年コンサートをここでやらせてもらって」
昆「何歳?」
小野田「いや、同い年でしょ!!」
昆「そうなんです。ちょっと上とかちょっと下とかはわらわらいるけど同い年は貴重なんですよ!」
小野田「わらわらってそんなピクミンみたいに。でもあれでしょ?あなた後輩よね??」
昆「そう、私は客席から『葉っぱのフレディ』でクモを演じてる小野田さんを見てました
小野田「客席から見ていた子がこんなに大人になって」
昆「いや、全然ですよ」
小野田「いやいやいや、大人じゃなかったら初めから李香蘭とか歌いませんからね」

 

落ち着いた人
小野田「でもあれだよね、最近ちょっと落ち着いた人になろうとしてるよね?

昆「そんなことないですよ?」
小野田「いや、そんなことありますよ」
昆「私落ち着いてます?落ち着いてないですよね?(客席に)」
昆「小野田さんこそ貫禄が」
小野田「全然だよ、むしろ悩んでるの華奢すぎて
客席ややウケ
昆「ほらお客さん困惑してるから」
小野田「そりゃ笑うしかないって感じですよね。でも昆ちゃんも昔はこんな感じでしたよ。最近は昆夏美は品を手に入れた!』ってドラクエみたいに」
昆「『品のある女性になりたい!』とは思ってますけど」
小野田「そんなワンピースみたいな言い方笑笑」

 

3回目?4回目?
昆「小野田さんこそ、貫禄がすごすぎてどんな役でも4回目みたいな雰囲気出てますよ」

小野田「レミゼの稽古でもLINEで突然『3回目?』とだけ送ってきたよね。何かと思った」
昆「え、違うよ」
小野田「あ、違うか、なんかやり取りしてた流れでか。でも送ってきたよね😂」

 

残り香問題
昆「ステージでも裏でも楽しませてくれるほんとエンターテイネン(噛み噛み)ですよ」
小野田「なんだそりゃ。ほんとは今日も客入りのところからセットのお花に紛れてようかなと思って、背中に刺したいんですけどお花余ってませんか?ってスタッフさんに聞いてみたの。でも余ってなくて、キャンドルならあるっていうからそれであの登場になったのよ😂」
昆「笑笑笑 私この部屋に今まで小野田さんがいたな〜とかわかりますよ。残り香というか・・・」
小野田「え?どゆこと?俺、臭い???

昆「いろんな作品で共演させてもらってますけど、今回は共演した作品から私たちが歌っていなかったデュエットを、ということで『マリー・アントワネット』からすべてはあなたにを歌います」
小野田「うん、あなたに続く道ね。すべてはあなたには旧演出なのよ」
昆「あそっか!『♪ 泣かないで〜』とか、曲名がわからないな😂 それも迷ったんですが今回はこちらで」
小野田「びっくりした〜『♪ 泣かないわ〜』ってマリーパート歌わないとかと思っちゃった😂 逆だよね😂😂」

昆小野田ペアのデュエットは安定感が本当に素晴らしいですね。小野田さんはフェルセンの低いパートもしっかり出るし、昆ちゃんは全てに余裕がありました。流石👏

 

小野田「いいですよね、たまにはこういう甘いデュエットも」
昆「珍しいよね、こういうデュエットは」
小野田「昆ちゃんとは相手役が多いけど、デュエットはだいたいウワーっとしたのだよね笑」
昆「相手役多いどころか、相手役しかなくない?・・・いやそんなことはないか」
小野田「でも関係が深い役が多いよね、MAでは俺が操ってたり、マツルダでは
昆「マツルダ笑笑笑」
小野田「吉幾三になっちゃった笑 ♪あ〜テレビもねぇ」
昆「♪ラジオもねぇ」
小野田「♪そんなに跳び箱飛んでねぇ
昆「笑笑笑笑 でもそうだよ、マチルダでは私のトラウマだよ!」
小野田「でも一応親類ではあるよね」

 

エポとジャベ

小野田「次は『レ・ミゼラブル』でご一緒するけど今度はお互いファンティーヌとジャベール、新しい役になるからね」
昆「今回も全然関わらないよね😂」
小野田「まあちょっとは関わるけどね」
昆「エポニーヌとアンジョルラスのときなんか全く関わらなかったもんね」
小野田「あれだけじゃない?警官と娼婦の・・・」
客席ザワザワ
昆・小野田「あれ?皆さん結構わかってる感じですか???」
小野田「僕と海宝直人が警官で、昆ちゃんが演じている娼婦を『ヤー』ってとっちめていたら演出家に『そこ、そんなに大きい芝居しなくていいから。静かにして』って言われた笑笑」

 

リクエス
昆「今回のデュエット曲は小野田さんもインスタで募集してくれてましたよね」
小野田「そう、そしたらやっぱり『マリー・アントワネット』の曲とか、あと共演した『ミス・サイゴン』とかももちろんたくさんリクエストいただきましたね」
昆「そう、それで悩んだんですけどもう1曲は『アイーダ』の星のさだめにしました」

 

夢?妄想?パラレルワールド
小野田「星のさだめはカラオケでよく歌ってたよね!!」
昆「ほんとよく歌ってた」
小野田「今は大人になったので行かないですけど、20代のときはよく2人でカラオケ行ってたよね。しゃぶしゃぶ行ってからさ」
昆「そう、しゃぶしゃぶで喉を潤してね。ねえ、気になってたんだけどさ、私たち星のさだめをカラオケからインスタライブしたよね?
小野田「え、全然覚えてない」
昆「私の妄想なのかな」
小野田「パラレルワールドかも。客席で見たよって方いますか?」
客席シーン
昆「それか1曲だけ歌ってすぐ切ったとか?」
小野田「すごくない?権利とかすっ飛ばして歌ったってこと?」
昆「この話はオフレコでお願いします」

 

昆ちゃんはどことなくめぐさんを感じる歌声で、小野田さんは本役にしか見えなくて、そのまま『アイーダ』やろうか!と思ってしまいました。

 

ソロへのフリをする昆ちゃん「もっと小野田さんの歌聴きたいな〜」
小野田「後半は俺のコンサートってこと?」

 

小野田さんのソロは時が来たでした。もう完全に歌いこなしてらっしゃいますよね。余裕。身体で抱え込む空気が大きいから迫力があっていいです。次期ジキハイは繊細な芝居が光る柿澤さんと圧倒的歌唱力の小野田さんの2枚看板がいいと思ってるんですが、どうです?ホリプロさん。

 

違うドレスに着替えて登場した昆ちゃん「ねえ、歌でもトークでも掻っ攫っていくのやめてもらっていいですか? 皆さん!これは!小野田さんのコンサートではありません!!私のコンサートです!!!!

 

そろそろ・・・という雰囲気を出す昆ちゃん
小野田「え?もう帰そうとしてる?俺はまだ捌けないよ!!!!
昆「いや、小野田さんお知らせとかあるかな〜って思って」
小野田「あ、それはありがとうございます。10月に『The Gentlemen’s』っていう村井國夫さん、橋本さとしさん、石井一孝さん、中河内雅貴さん、上川一哉さんがレギュラーメンバーでやってるグループのコンサートにゲスト出演させていただきます。ゲスト俳優でやらせてもらってますんで〜。でもゲスト出演って言われたから、ちょっと歌って、村井さんにありがとうございます〜ってご挨拶してささっと帰るのかと思ったら、ゲストなんて名ばかりで・・・あんなダンスをしたり笑笑 そのあとは『レ・ミゼラブル』ですね」

 

小野田さんが袖に捌けて、1人でMCを始めた昆「ここから1人で心配だな。上手くできるかな・・・苦笑」
袖からマイク無しで走り込んできた小野田「不安?俺いよっか????」
昆爆笑「大丈夫です笑笑笑笑」
小野田「♪心配ないさ〜(オフマイクバカデカボイス)」

 

2人の掛け合いが漫才みたいで本当に面白すぎました。昆ちゃんが「小野田は、あ、すみません小野田さんは笑笑」とか言ってたのも最高に笑えました。小野田さんは本当は会場の花に紛れてスタンバイしたかったそうです(花が余ってないとスタッフさんに言われたので、蝋燭に落ち着いたとか)

 

「ここからは私が最近出演した作品の歌をお届けします」

まずはNaughty。昆ちゃんマチルダ可愛すぎました。子どもっぽさがありつつ、歌のお姉さん的な雰囲気もあり、とにかく可愛かったです。最後はマチルダポーズでフィニッシュ!

次はハニー先生のMy House。昆ちゃんの歌って1音1音がとてもしっかりしていて、それぞれの音にちゃんと意味があるから、派手ではないしっとりした曲でもぐっと観客を引き込めるよな、と改めて気付かされるような歌唱でした。マチルダは就活ドン被りで見られなかったのが本当に悔やまれます・・・。

しっとり切ない雰囲気からWhat's Gonna Happenへの切り替えにも心を鷲掴みにされました。昆ちゃんには出来ない役などないのでは?ハイで目まぐるしいサンディにまた会えて嬉しかったです。

今度はまた打って変わってしっとりと、片隅ミュから端っこ。今回聴いていて、「端っこに 愛はあったのか」が最後だけ「愛はあった...のか」になることで「愛はあったのか?」という疑問から「愛はあったんだ」という確信に変わるように出来ていることに気がつきました。よく出来てますね。そしてやはりオリキャスなので音域もぴったりで昆ちゃんの声と曲が高め合うような関係だな〜と感じました。

 

Naughtyは『マチルダ』公演期間中に、何度も励まされた楽曲。『♪小さくてもなんでもできる 逃げていたらチャンスなくなる』っていう歌詞を聴きながら、本当にそうだよな、と思ったし、マチルダ役の子役の子たちが小さな身体で元気いっぱいに歌う姿にすごく力をもらっていました」

My Houseはハニー先生が、私にはこれで十分だ、と自分に言い聞かせるように歌う曲でとても切なくて、でも守ってあげたくなるような温かさもあって大好きな曲です」

What's Gonna Happenは『トッツィー』を見たことない人からしたら『こいつ突然どうした?』って感じですよね笑笑 この曲はサンディっていう37歳の売れない女優のキャラクターを1曲だけで表現してしまうような曲なんですけど、もうとにかく動かないと歌えないんです。今回『トッツィー』はシングルキャストで地方公演まで79公演!全部1人でやりきったんです。なのでもうこの曲は寝てても歌えます。・・・いや、動かないと歌えないので寝てたら歌えないですね、何言ってんだろ笑笑」

この世界の片隅には本当に私の財産になったなと思える作品でした。どの曲も大好きなのですが、今日は端っこをお届けしました」

「最後は今年の冬から出演する『レ・ミゼラブル』からI Dreamed a Dreamを歌わせていただきます。まだお稽古は始まったばかりで、これからファンティーヌとしての肉が付いていくとは思うのですが、今の私の歌声を聴いていただければと思います」

昆ちゃんのファンテは歌の入りは大人っぽく低めの声で始まるんだけれど、「夏 あの人来て」で一気に顔が輝くと幼く見えたりもして、ドレスの華やかさも相まって、若く幸せだった時代のファンテの姿に思いを馳せてしまいました。本公演が楽しみすぎますね〜😊✨

 

アンコールはこの世界のあちこちに。
「実際にはいろんな登場人物が歌い繋いでいく曲なので、ここはあのキャラクターだな〜と思い出してもらってもいいし、歌詞の言葉に耳を傾けてもらっても嬉しい」
公演でも思ったけれど、この曲を歌う時の昆ちゃんはちょっとだけ歌い方がアンジェラ・アキさんっぽくなりますよね。こうして改めて聴くと美しい曲だな〜と思いました。

 

昆ちゃんの挨拶とバンドメンバー紹介が終わった後「本当は出てこないことになってるんですけど、今日だけ特別です。袖に小野田さんが来てくれてるので、出てきてもらいます!」という掛け声と共に最後まで小野田さんが出てきたのも面白すぎました😂 腕を組んで2人で退場していきました。かわいかったです笑笑

 

昆ちゃんのソロコンは本当に大大大満足なんですよね。昆ちゃんの技量や振り幅を楽しめるのはもちろん、セトリも本当に楽しくて。流石ミュオタだ!というセトリです。また3年も待てないので、ぜひぜひ頻繁に開催してもらいたいです🫶🫶🫶

 

翌日ちゃぴゲスト回も見ましたので、後日またレポアップします。ちゃぴ昆もはちゃめちゃに可愛くて最高でした🥰

 

前回の昆コン、セトリ&感想☟

客席でみんなクリスティーヌになる『The Reunion』8/14 S セトリ&レポ&感想

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心待ちにしてきたリユニオン!とても楽しかったです!!

公演概要

『The Reunion

会場: サントリーホール
音楽監督: Adam Hoskins(アダム・ホスキンス)

今年の1月にラミンとアールが上海で出演していた『The Reunion』もロゴが同じなので同じプロダクションなのかもしれません🤔 

 

出演者

Ramin Karimloo(ラミン・カリムルー)
城田優
新妻聖子
Earl Carpenter(アール・カーペンター)
Bradley Jaden(ブラッドリー・ジェイデン)
Amelia Miloアメリア・マイロ)

指揮: Adam Hoskins

 

ブロードウェイ・イタリアの『オペラ座の怪人』キャストの再集結でしたね🫶

ミラノではブラッドリーが抜けてしまっていたので、遂に歌声を聴けて幸せでした。

エンタメに振り切った演出で、ツッコミどころ満載のイタリア版POTO、面白かったのでレポ置いときます。

25thのリユニオンも待ち続けてます。

 

セットリスト

第1部

  1. The Reunion Overture
  2. Man of La Mancha - Man of La Mancha(Raminドン・キホーテ、Bradleyサンチョパンサ)
  3. Think of Me - The Phantom of the Opera(Ameliaクリスティーヌ、Bradleyラウル)
  4. Who I'd Be - Shrek The Musical(Bradleyシュレック、Ameliaフィオナ、Earlドンキー)
  5. Stars - Les Misérables(Bradley)
  6. 城田優Love&Peace」(城田、新妻)
  7. Muddy Water - Big River(Raminジム、城田ハック)
  8. カラー・オブ・ザ・ウインド -『ポカホンタス』(新妻)
  9. Overture - Cats
  10. Last Night of the World - Miss Saigon(Raminクリス、新妻キム)
  11. Old Friends - Merrily We Roll Along
  12. The ConfrontationLes Misérables(Earlジャベール、Raminバルジャン)
  13. Sunset Boulevard - Sunset Boulevard(Ramin)
  14. This is the Moment - Jekyll & Hyde(Bradley、Ramin、Earl、城田)

 

第2部

  1. Into the Unknown - Frozen Ⅱ(Ameliaエルサ、新妻(声)、カンパニー)
  2. オン・マイ・オウン -『レ・ミゼラブル』(新妻)
  3. Mumford & Sons "Reminder"(Ramin、城田)
  4. Worlds' Apart - Big River(Raminジム、城田ハック)
  5. 闇が広がる -『エリザベート』(Raminトート、城田ルドルフ)
  6. Send in the Clowns - A Little Night Music
  7. I'm All Alone - Spamalot(Earlアーサー、Bradley&Raminパッツィ)
  8. For Good - Wicked(新妻グリンダ、Ameliaエルファバ)
  9. Overture - Phantom
  10. Home -『ファントム』(城田)
  11. All I Ask of You - The Phantom of the Opera(Bradleyラウル、Ameliaクリスティーヌ)
  12. Music of the NightThe Phantom of the Opera(Earl)
  13. Til I Hear You Sing - Love Never Dies(Ramin)
  14. From Now On - The Greatest Showman(全員)

 

感想&ちょっとしたレポ

サントリーホールのサイドは風呂場

こんなに素晴らしいコンサートのレポがいきなり愚痴で申し訳ないんですけど、後のレポにも影響してるので😂

サントリーホールに行ったのは今回が初めて!U25チケットを購入しまして、案内されたのは舞台サイドの席でした。座った時点で自分の座席に向かっているスピーカーが無かったので「これは音響はダメかも・・・」と思いつつ、「でも名高いサントリーホールだし」と諦め半分期待半分で開演を待っていました。

さて、どうだったでしょう。オケの音は綺麗に聴こえました(上手側だったのでドラムが強く聴こえすぎるけど)。肝心の歌声はだいぶぼやけていました。オケが盛り上がったりリズムの効いた曲調になったりすると歌声が徐々に埋もれていきます。MCは完全に風呂場!!!

初めは戸惑いましたが、だいぶお安いチケットなので受け入れて、頑張って耳の方をアジャストしていきました😂😂😂

そんなこんなでMCは正確に聞き取れていない可能性もありますが、忘れるのも寂しいし頑張って思い出しながら書き残します。間違えてたらこそっとコメントしてください。

 

第1部

The Reunion Overtureは『ラブ・ネバー・ダイ』と『オペラ座の怪人』のマッシュアップだったと思います。1部ではこの他にも『キャッツ』のOvertureと『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のOld Friendsの演奏があって、ロイド・ウェバーとソンドハイムの異次元の天才ぶりを改めて感じました。

続いてラ・マンチャの男! 全体を通して1番モヤモヤ音響を感じたのはこの曲だったかもしれません(耳が音響に慣れてなかったのと、リズム隊が大活躍なのと、男声ボーカル2人という組み合わせが・・・)。ラミンもブラッドリーもバリバリに声を張り上げていたので、いい音響で聴きたかったという気持ちが強いですが、2人の歌声とオケの火力を楽しみました。

ラミンはブラッドリーを紹介するときに、2022年の『キャメロット』での共演の話をしていました。「彼はランスロットを演じたんだ。強くて、ハンサムで、若くて・・・僕では年を取りすぎだね笑」←2022年にウエストエンドで『レ・ミゼラブル』を見てきたんですけど、ちょうど『キャメロット』の周辺でブラッドリーがレミゼをお休みしていて見られなかったのを思い出しました。

そのあとブロードウェイ・イタリア版オペラ座の話も出して、「ラウルを探していて、彼は強くて、good-lookingでぴったりだった。これも僕では年を取りすぎだから・・・」という風にブラッドリーのビジュをしきりに褒めるラミンでした。そして全体的に「あれはそんなに前だったか!」みたいに過去を振り返って驚いているのも印象的でした。

そのままの流れでアメリアの話題に。「クリスティーヌを探して何本もの応募動画を見ていたんだけど、彼女の歌う動画を見たときに『彼女で決まり。これで終わりだ』ってなったんだ。彼女は美しい歌声の持ち主だし、人間的にも素晴らしい人だった。共演してきたクリスティーヌ役者の中でも最高峰だと思う」というラミンの紹介アメリア&ブラッドリーのThink of Meに。

ミラノで初めて聴いたときにも度肝を抜かれたアメリアのThink of Me。妖精のような可愛らしい姿から、ポップスっぽい曲にもハマりそうな強くて硬い歌声のヴァースが飛び出してきて心を掴まれます。その強い勢いをそぎ落とさないまま、音が広がりすぎずに高音域に駆け抜けていくのが本当に気持ちいいです。風呂場音響とも相性が良くて、空気を切り裂くように歌声が飛んできました。ブラッドリーのラウルは歌声がでかくて上手くて「パッション!」って感じですね。見たかったな~!!!!!

Who I'd Beは聴いていて『シュレック』の曲だと気づかず。今年はサットン・フォスターの凄さを噛み締めているところなので、OBCをちゃんと聴こうかなと思っています。

ブラッドリーのStarsもまた結構「パッション!」でした。とにかく熱い男なのかもしれません。オケの盛り上がりに負けず劣らず歌声で思いっきり曲を壮大に盛り立てていくのがかっこいいです。お団子ヘアもかっこいいです。「Mine is the way of the Lord」のところで空を見上げながら、片足を前に出して、腕を折り曲げるお辞儀をしているのがとてもとても好きでした。本役見た過ぎる!!ワールドツアーで絶対来てほしい。

ラミンと城田さんのMC。2人が本当に仲が良さそうでほっこりしながら見ていました。ラミンは城田さんを「歌手としても、役者としても、作曲家としても尊敬している」そうです。それを通訳として自分で客席に向かって説明しなければいけない城田さんも面白かったです。ラミンは城田さんのことを「優さん」と呼んでいて、積極的に日本語を話してくれます。

あと面白かったのが、遅れて入ってきた人に絡むラミン。「Hi!」「ゆっくりでいいよ~」と言いながら彼女たちが席に着くのを見守り、「今、ラ・マンチャオペラ座が終わったところだよ」などと解説し始めるのが面白かったです。多分3人くらいこれをやられていた笑笑笑

R「優さんとは『4Stars』で2回共演して、もう今は存在しないテレビ番組でも歌って・・・secu??』
Y「『スッキリ』ね。もう終わってしまった『スッキリ』という番組で『エリザベート』の闇が広がるという曲を歌ったんですよ。ラミンはいつも『securityじゃなくて』って聞いてくる」

城田さんの『LOVE&PEACE』という楽曲の話に。
R「この曲は素晴らしい楽曲だし、昔に作られた曲だけれど今の時代にも必要とされる曲だと思う」
Y「この曲は2011年の東日本大震災のときに作った曲です。多くの人の夢や希望が奪われた中で少しでも音楽で元気を届けられたらと思って作りました」
R「この曲はソロ楽曲だけれど今回はスペシャルにデュエットで。僕の日本語はまだおぼつかないから今回はもう1人の素晴らしい日本の友人に歌ってもらうね」

ここで聖子姐さんの入場です。2人のデュエットも素敵でした。聖子姐さんにはもっとハードな曲を歌わせたくなってしまうところはありますが。

R「彼女と共演するのは久しぶり。リハーサルで彼女の声を聴いて『わぁお』ってなってしまった。あんな声の持ち主は世界中どこにもいないよ」

『ビッグ・リバー』は作品自体も楽曲についても全く知らなかったのですが、カントリー風の曲調が心にスッと入ってきて心地よかったです。

聖子姐さんはまさかのポカホンタスで驚きました。「ああ、『あの』木の高さ」の『あの』を難なく上げてバチコーンと飛ばすところとか流石すぎました。これが日本のDIVAでございますと謎に誇らしい気持ちになってしまいました笑笑

日英本役によるThe Last Night of the Worldも楽しかったです。ラミンは「クリスを演じてたのは2004年だから・・・20年も前!?」と言っていました。

そして「こうして『リユニオン』できて嬉しい」という話から、Old Friendsの紹介。中止になってしまった『Musical Meets Symphony: Old Friends』の代わりの配信でハドリーと一緒に歌っていたのを思い出しました。あのリベンジも絶対してほしい。

アールさんを散々いじり倒すラミン。
E「僕たちはLes Misでジャン・バルジャンとジャベールとして共演してきて」
R「そうだったっけ?Nice to meet you. 『はじめまして』」
ここまでにもアールのことを忘れたふりをしてずっとボケていました笑

対決を歌うと言うと客席でフランス国旗を振った方がいて、2人で何か言っていました(聞き取れなかった!)。そこから少し距離を取って、砕けた雰囲気を拭うように顔の前で仮面を被るような仕草をして役に入っていく2人でした。そうして始まった対決の熱量は物凄くて、とてつもなく楽しかったです。容赦なくぶつかっていく歌声とオケで荒波に飲まれているような気分になりました。かっこよかった〜!!!

そしてそしてまさかのサンセット!ありがとうございます😊 ここまで耳に集中していてオペラグラスは手に持っているだけだったのですが、ここぞとばかりに使いました。ラミンのサンセットは迫力がとんでもないですよね。どんなギリスだったんだろう〜見てみたかったという気持ちがすごく強いです。

最後は時が来た。ワイホは強火歌唱力でやっぱり映えますね〜😂 4人とも楽しそうに生き生き歌っているのもよかったです!

 

第2部

2部冒頭のInto the Unknownは驚きでした。エメリアは強い歌声の中にちょっとした幼さがあるからエルサにぴったりだし、聖子姐さんの「The Voice」は豪華すぎます!!

そして、On My Ownですよ。この猛者の集まるコンサートで私の心を1番揺さぶったのは聖子姐さんのOMOでした。信じられないくらい洗練されていて、素晴らしい音圧に手足がビリビリしました。ワールドツアーに聖子姐さんや屋比久ちゃんも参加してくれたらいいのに~。

R「2013年に優さんと日本の『レ・ミゼラブル』を見たよね。もう11年前?!』
Y「(通訳)もう『じゅういち』年前になりますね」
R「『じゅうに』?」
Y「『じゅうに』means twelve. 『じゅういち』」
R「日本版も素晴らしかった。日本語の響きが好きだよ。『♬ 愛してる、愛してる、愛してる』」
Y「Go Ahead. Go Ahead」

次はラミンと城田さんが初めて2人で歌った曲をラミンのギター演奏と共に、という話に。弾き語りをするための機材が必要、というところでラミンが「脚が痛いから座りたいな~アーーーーール!」と声をあげます。アールが出てくると「椅子とマイクスタンドを」と指示してアールはしぶしぶといった様子で舞台袖へ。しばらくして、台車に椅子を乗せたアールが再登場。頭にはヘルメットを被っていて笑いました

ReminderWorlds' Apartを聴きながら、ラミンの歌声はゴージャスなミュージカル楽曲にも似合うけれど、カントリーの落ち着いた曲調にもとても合うな~としみじみ感じました。Worlds' Apartは、コロナ禍中に2人がそれぞれ歌声を録音したものを編集して合わせて公開した、思い出の楽曲だそうです

youtu.be

2曲歌い終わって、スタンドマイクと椅子が不要になるとラミンが再びアールを呼び付けます。椅子を左右それぞれの手に持たせて、最後にその間に橋渡しをするようにマイクスタンドを乗せていました。城田さんは「これ結構重いんですけど」と困惑気味でした。それらを持って上手に捌けていくアール。私は上手側に座っていたので良く見えなかったのですが、会場から笑い声が上がると、城田さんが「こちら側の方は見えないと思うんですけど、今、アールが袖のところに引っかかっていて、やっと横向きになって入っていけました」と解説してくれました。もたつくアールさんを見て、ラミンが城田さんに耳打ちして、城田さんが耳打ちを返すと「『早く行け!...ございます』」とラミン。城田さんはラミンはなんにでも「『ございます』を付ける癖があります」と言っていました。

会場が笑いに包まれたまま、すぐさま闇広のイントロが始まったので驚きました。安定のラミントートに城田ルドでしたが、サビのパート入れ替えはなし。歌い終わると会場は熱気に包まれました。普通にラミンのトート見てみたいですよね、本役で。

I'm All Aloneではアールが2階のバルコニーに登場。客席側でラミンとブラッドリーがやいのやいの言いながら歌うのも面白かったです。

R「『ウィキッド』好きな人~! ブラッドリーは出てたよね」
B「フィエロでね」
R「あ~Dancing Through Life!」
ブラッドリーが華麗なターン
R「Woooooo~『ウィキッド』のデュエットと言えばあれだよね」
B「For Good」
R「今回は素晴らしい女性たちがいるから、彼女たちにお任せしよう」

聖子姐さんとアメリアのFor Good良かったです~。曲を通して2人が心を通わせていくような感覚があって、誰かと仲良くなりたくなったらとりあえずFor Goodを歌うべきだと思いました。それにしても昨年5月の『DIVA』コンで聖子姐さんのグリンダは珍しいのでは?とか思ったけれど、今回もグリンダでしたね。確かにイメージはグリンダの方が近いか。

ここからは『オペラ座の怪人』祭り。イタリアのリユニオンだし、ファントム3人もいるし!と思っていたら、城田さんはまさかのクリスティーヌ楽曲できてびっくりしました。全編を通して城田さんは高い音、女声のアルトくらいのキーがとても綺麗だな、と思っていたのでHomeとても合っていました。

ブラッドリーとアメリアのAll I Ask of Youは熱くて、作品が孕んでいる父権的な部分への目くばせを強く感じたBWイタリア版の中に位置するとどんな風だったのだろうかという想像を掻き立てられました。2人とも声量と圧が物凄いので巨獣大乱闘系クリスティーヌ&ラウルですね。

そして物凄かったのが、アールのMOTNです。序盤から全身の神経が鼻の先に集中するような感覚があって、本当に耳と心を研ぎ澄ませて歌声を堪能しました。特に「soar~」の繊細な響きに心を持っていかれました。本当に凄かったです。ここで一気に会場中の人がクリスティーヌになってしまったと思います。

続くラミンのTil I~もまたとてつもなかったです。好きなラミンの歌声の全部乗せみたいな曲なので生で聴けて本当に嬉しかったです!!!前半の低音から心を鷲掴みにされていて、後半にかけて音が高くなって盛り上がっていくと、息もできなければ瞬きもできないという感じでした。願わくば「My Christine」から歌ってほしいですけど!!!!!!!

ラミンの圧巻の歌唱で会場が熱気に包まれたままに歌われたFrom Now Onもとても楽しかったです。

 

とても楽しいコンサートでした。やっぱり来日コンサートは逃さず通おうと思います!どこだったか忘れてしまって書き忘れましたが、アールが上手に向かって「ラミン・カリムルー!」と呼びかけたけれど返事がなく、下手から出てきたラミンがそのままアールに後ろからハグしていたのが可愛かったです。すぐにまた来てくださいね。

 

【ラミン関連】

 

【来日コンサート】

 

廣瀬グレイドンのコメディセンスが大爆発『モダン・ミリー』7/27 M 感想

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2022年公演も気になってはいたけれど行けなかったので、初モダンミリーでした〜👠 観劇後ずっとGimme Gimmeばかり聴いてます!

作品・公演概要

Thoroughly Modern Millie

原作: Thoroughly Modern Millie (1967 American musical film)
音楽: Jeanine Tesori(ジニーン・テソーリ)
詞: Dick Scanlan(ディック・スキャンラン)
脚本: Richard Morrisリチャード・モリス)& Dick Scanlan
初演:  2000年 サンディエゴ
          2002年 BW
          2022年 東京(2020年は全公演中止)

Thoroughly Modern Millie (Original Broadway Cast Recording)

Thoroughly Modern Millie (Original Broadway Cast Recording)

  • Original Broadway Cast of Thoroughly Modern Millie
  • サウンドトラック
  • ¥1833

 

ミュージカル『モダン・ミリー※改訂版世界初演

劇場: シアタークリエ
演出・翻訳: 小林香
訳詞: 竜真知子

 

キャスト

ミリー・ディルモント: 朝夏まなと
ジミー・スミス: 田代万里生
トレヴァー・グレイドン: 廣瀬友祐
ミス・ドロシー・ブラウン: 夢咲ねね
チン・ホー: 大山真志
ジー・ヴァン・ホスミア: 土居裕子
ミセス・ミアーズ: 一路真輝
ミス・フラナリー: 入絵加奈子
バン・フー: 安倍康律

+アンサンブル 11人

 

作品感想

プロットは大味でもミュージカル表現は絶品

2組のカップルの恋の行方を追うメインプロット、「愛か金か、愛に決まっているだろ」という強烈なメッセージ、そしてなんだかんだ全てが丸く収まる大団円は、2000年代初頭の作品にしてもだいぶ「古典的」な感じがします。1967年の映画からの要素が強いのでしょうか。ジュリー・アンドリュース主演ということなので、近いところ見て確かめようと思います。

靴を片方だけ盗られるミリーだったり、そんなミリーを「カンザス」と呼ぶジミーだったり、細かい描写はとても面白いんですけどね、ストーリー面での新鮮さはあまり・・・という感じ。

ただ、歌やダンス、ミュージカル表現の魅力はとてつもなかったです。

ホテル・プリシラの「誰かがタップの練習をしたせいでタップを踏まないと動かないエレベーター」は衝撃的でした🫨 そんな発想どこから出てくるんでしょうね〜!1幕でキラキラのミリーとドロシーがタップを踏むだけでも楽しいのに、2幕のドロシー救出の場面ではミリーがジミーとグレイドンを率いて3人でタップを踏むのには本当に驚きましたし、大興奮でした(この場面の朝夏まなとさん、以下まぁ様のドヤ顔も最高👍)!

机に座った速記者たちがタイプライターの音を足元のタップで表現するのも素晴らしい👏👏👏 『メリリー・ウィー・ロール・アロング』のOpening Doorsにも通ずるな〜と思いました。

飲んでいたクラブが検挙されたあとのマグショット撮影の場面もとっても好きでした。1人1人とハッちゃけたポーズで写真を撮って捌けていくパーティ客と、撮影を待ちながら話すミリーとジミー、とても良かった~!

楽曲も好きでした。やっぱりなんといってもGimme Gimme・・・曲自体は素晴らしいのですがこの公演ではあまり目立っていなかったのが残念。というのも肝心の「Gimme Gimme」というフレーズが訳詞によって無くなってしまうんですよね。訳詞問題は本当に難しい!そして歌唱面も・・・という感じだったので。この辺りはキャスト感想でまた。

観劇後、OBCを聴きながらこの「Gimme Gimme」というフレーズとJimmyという名前、なんならMillieも掛かるな〜と思いました。作品通して言葉遊びになっているのかも?

 

中国人の描き方についての対応

今回の上演ではブロードウェイチーム側からの要望でミセス・ミアーズの役どころに変更が加えられ、歌や台詞も大幅に変わっていたようです(そして改訂版の世界初演にあたるそう)。一路真輝さんがブログで書いていました。

新「モダン・ミリー」 | 一路真輝オフィシャルブログ Powered by Ameba

今回の「モダン・ミリー」再演は、
アタクシ演じる(ミセス・ミアーズ)の
役柄が大幅に変更になる為、
ディックさん、マイケルさん緊急来日
ミアーズ関連の台詞、歌詞、音楽!
ほとんどが変わります!
(略)
栄光と歴史あるブロードウェイ作品の改訂版を、
世界で初めて演じさせて頂ける!
こんな名誉な事はないです。
しかとプレッシャーと向き会い、
楽しい作品になるよう精進します。

私は元のバージョンを見ていませんがWikiのあらすじには、ミセス・ミアーズは元女優で香港の白人奴隷売買組織のために働いていて、孤児の少女たちを誘拐、東洋に出荷している、と書かれています。そして少女たちの愚かさをThey Don't Knowというナンバーで嘲笑するようです。

対して改訂版のミセス・ミアーズは、ドロシーの持っている高額な手形を見て、彼女の誘拐を企み始める...という役どころになっています。誘拐で金を儲けようとするという本質は変わらないままなので「白人奴隷売買」という部分を嫌った形かと思いましたが、どうやら詳しく読んでいくと旧バージョンはミセス・ミアーズが「中国人のふり」をするらしく、そういった描写を取り除くための改定だったようです。

そもそもこの作品の「中国人描写」はアジア人のステレオタイプを助長するとして批判の的になっていたようです。確かにミセス・ミアーズの話す英語を解さずにドタバタ喜劇要因の役割を担うチン・ホーとバン・フーは見ていてあまり気持ちのいいものではないかな・・・というところでした。アジア系がプリンシパルを張る機会の創出になっていただろうとは考えられますが、出られればいいというものでもないですしね。

かといって「こうだったら良かったのに」という展開も思い浮かばず。ドロシーの愛を勝ち取るチン・ホー、ラジオで磨いた能力で仕事を得るバン・フーは物語の着地点としてはそれなりに納得のいくものですし。やっぱり少し前の時代の作品と向き合うのは難しいです。嫌ではないですし、古い作品に触れる機会があるのはありがたいことですが。

 

演出・キャスト感想

やっと小林香さんの演出を見られる!と張り切っていましたが、どうやら2021年の『マドモアゼル・モーツァルト』で見ていたらしい!今回の『モダン・ミリー』を見て、今春の『王様と私』も見たかったな・・・と思いました。

今回の公演はクリエの限られた空間の使い方が巧みでした。3階建てのセットの2階にバンドを置くのが華やかでいい。

それにメインのお芝居は1階で進めつつ、3階にグレイドンのオフィスを置くことでニューヨークの摩天楼をイメージしやすくなるし、金持ちと結婚したいというミリーの上昇志向とも重なるし、すごく「理にかなった」セットになっていると感じました。

1階が一面回転扉になっていて瞬時に場面を切り替えられる+人の出入りも賄えるのもいいし、ホテル・プリシラの場面では2階・3階も客室ドアの描かれたセットが出てきて驚きました(最初はこの場面転換に全く気付かず、「いつの間にドアが?」とびっくり)。

 

配役も作品にハマっていました!

まぁ様ミリーは思い切りの良さと溌溂とした雰囲気が輝いていました。あの明るさは天性のものなのでしょうか。オーバーになりすぎないけれどコミカルでポップなお芝居で作品の楽しさが増し増しになっていました。後半のジミーとグレイドンを引き連れて突っ走るミリーがとっても可愛かった〜!!!↓ここ特に!!

事前に聞いていた通り、喉の調子は良くなさそうでそこは残念でした。特にGimme Gimmeは物足りなくて・・・。この曲との出会いが2022年オーブガラコンのケイシー・リーヴィ歌唱だったのでね。

そして全体的に訳詞はハマっていたように思うけれど、この曲はやっぱりキャッチーすぎて難しいな・・・というところです。話は逸れますが最後のスタンザ、やばいですよね。

I want it
Here I am, St. Valentine
My bags are packed, I'm first in line
Aphrodite, don't forget me
Romeo and Juliet me
Fly, dove! Sing, sparrow!
Gimme fat boy's famous arrow
Gimme, gimme that thing called love!

おしゃれすぎる。Romeo and Juliet meって!なに!!!!

万里生ジミーは「感じの悪いアウトローな役」をやるのは珍しいな〜と思いながら見ていると段々いつものお坊ちゃま感が出てきて(ミリーのオフィスに押しかけてくるところが特に!)、種明かしのところで「いや、配役がネタバレのやつかい!!」と笑ってしまいました。これまで風変わりな役で見ることが多かったので、クラシカルなミュージカル楽曲で久し振りに歌声を聴き、改めて「上手いな〜」と聴き入りました。What Do I Need with Loveの最後の伸ばしで珍しく声が掠れていたので少し心配。あとダンスは苦手とよく言っているイメージがあったので『カム フロム アウェイ』に続きしっかり踊っているのに驚きました!大変😂

ねねドロシーは出てきた瞬間からあまりの可愛さに卒倒しそうになりました。圧倒的美。衣装チェンジをするたびに可愛さを更新してきて困りました。ピンクのスパンコールのグリンダみたいなドレスが最高に似合っていました。ソプラノキーの楽曲も軽々歌いこなしていて良かったです。犬になったグレイドンを飼い慣らしている感じもたまらん。リフトされている時のポジションも完璧でした!

土居マジーも素敵でした〜😌✨ とてもチャーミングで温かくてキラキラしていて、スターとしての風格と周りの人たちにとっての「よき友人」らしさのバランスがとても良かったです。そしてやはり歌声が美しい。

一路ミセス・ミアーズも改変でキャラクター解釈が難しいだろうなと思いましたが、コミカルなお芝居の上手さを感じました。『ブラッド・ブラザーズ』のときからコメディで見てみたいと思っていたので嬉しかったです。

そしてそしてタイトルでも言及しました廣瀬グレイドンですよ!!初演時から噂には聞いておりましたが、本当にコメディセンス大爆発でした。台詞のちょっとした言い方や間の取り方が天才的すぎて兎に角笑えました。ビシッと決まったスーツ姿とちょっと窄めた口元、ドロシーに一目惚れした後の残念すぎる挙動不審ぶりのギャップがとんでもなく面白かったです。

↓この口😂😂😂

翻訳コメディでこんなに笑えることってあるんですね😂 キャスティングした方グッジョブすぎます!

 

今年上半期はテソーリ祭りでした!私はね『Fun Home』が見てみたいよ。よろしく頼みます各所👍

 

観客として「試されている」感覚『ラフヘスト~残されたもの』7/26 S 感想

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タイトルの意味もわからぬまま、ふと思い立ってチケットを買いましたが、「Les gens partent mais l’art reste ─ 人は去っても芸術は残る」の「ラフヘスト」だったのですね。好みのテーマでした。

作品・公演概要

 라흐헤스트(l'art reste)

音楽: 문혜성(ムン・ヘソン)정혜지(チョン・ヘジ)
脚本・詞: 김한솔キム・ハンソル
製作: 홍컴퍼니ホンカンパニー)
初演: 2022年 ソウル

 

ミュージカル 『ラフヘスト~残されたもの』 日本初演

劇場: 東京芸術劇場 シアターイース
演出: 稲葉賀恵
日本語上演台本: オノマリコ
訳詞: オノマリコソニン
企画: avex live creative、conSept
製作: 製作委員会

avex live creativeとconSeptの共同企画プロジェクト「belle waves」の作品第1弾とのことです。 

 

キャスト

キム・ヒャンアン: ソニン
キム・ファンギ: 古屋敬多
イ・サン: 相葉裕樹
ピョン・トンリム: 山口乃々華

 

作品感想

観客として「試されている」感覚

そして、内容も調べずにふらっと劇場を訪れて、時代背景の説明がないままに(ないことでマイナスにはならない)目まぐるしく時と場所が移り変わる物語を浴びて「試されているぞ」という感覚がありました。

今作ではピョン・トンリムとイ・サン、キム・ヒャンアンとキム・ファンギ、2組のカップルの物語が交差していきます。トンリム&サンは京城に暮らしていますが、作中に(私の聞き逃しでなければ)「京城」や「ソウル」という言葉は登場せず、年代も明らかにはされません。「イ・サンという詩人が生きた時代」というところから時代背景を理解することが求められます。

本当に恥ずかしいことに、そして傲慢にも、まともに歴史を学んでこなかった私はトンリムの「三越デパートのタイルみたい」という例えやサンの「東京に行く」という発言、「芥川賞」「千疋屋のメロン」といったワードなどから時代を推察することになりました。今年は『ファンレター』も見る予定ですし、絶対に日本による韓国植民地化の歴史を学ばねばならぬと感じています。

時間の前後については、頭の中で完璧に組み立て直そうとすると結構大変なので、「考えるな、感じろ」精神で2組のカップル、そしてトンリム&ヒャンアンの交流に集中した方がいいかもしれません。

 

ミュージカル表現の「こなれ」感

どんな場面で歌うのか、1曲の中でどれだけの時間経過を表現するのか、といった判断が絶妙で、ミュージカル表現が「こなれている」な〜と感じました。

特に好きだったのは序盤のトンリムとサンの距離が近づく場面。カフェで出会った2人が歌う「角砂糖コロリン、コロリン、コロリン、コロリ」のところは、オリジナリティ溢れる表現の巧みさに痺れました。恋愛関係に発展する前の微妙なぎこちなさのある「歩こうか〜」のところも良かったです。

私はミュージカルのラブソングにおいて「具体性」と「オリジナリティ」を重視しています。それが芸術家を描く物語なら尚更、日常の端々にその人らしさを宿らせて欲しいと思うので、そこのところが満たされていて素敵だと感じました。日本オリジナルミュージカルにもこんな「こなれ感」が出てきてほしいな〜とも。

 

「芸術家の妻」視点は珍しいかも

今作は詩人イ・サンと画家キム・ファンギという2人の芸術家を夫としたピョン・トンリム(改めキム・ヒャンアン)を主人公とした「芸術家の妻」目線の物語です。

芸術家を描くミュージカルというと男性の芸術家を真ん中に据え、彼らと関わった女性たちを周りに置いて話を展開させるものが多いので、その点『ラフヘスト』は新鮮に感じました。

サンと一緒になるべきか悩むトンリムに対し、ヒャンアンは「一人で辛い夜をたくさん過ごすことになったとしても、輝いていた記憶だけを抱きしめるのよ」と言い、過去の自分の背を押します。

トンリム(ヒャンアン)の姿勢からは、芸術家の夫を支え「耐え忍ぶ」妻というような印象も少し受けました。ただ、彼女自身も随筆家・美術評論家としてのキャリアを持ち、最終的には画家にもなることで「芸術家」としての性質を強めていくので、古臭くはならない、絶妙なバランスになっています。

また、芸術家を描く作品にしては激情に駆られるような派手なシーンは少ない(特にファンギパート)のは意外でした。淡々と続く日々を生きる人間らしさのある芸術家の描き方が良かったです。

全体的に脚本の巧さを感じましたが、最後のトンリム&ヒャンアンの「名乗り」は蛇足かなと思います。

 

公演感想

久しぶりに「小さい劇場」で「少人数ミュージカル」を見られて心が満たされました。

キャストの方々のパフォーマンスも安定していました。私はソニンさんの感情が歌と競り合うような表現が好きなので、今作でもそこの部分が堪能できて嬉しかったです。そして相葉さんは、突然ファルセットが差し込まれるトンデモ楽曲を軽々と歌いこなしていて流石でした。

古屋さんは以前Flower Drum Songで見た時に、ポップスっぽい音の揺らし方と洋画吹替っぽい台詞回しがあまり合わず・・・というところだったのですが、今回は声質や歌声がファンギのピュアな魅力とハマっていていい感じでした。山口さんも歌い方が天真爛漫なトンリムにぴったりで、彼女の作るトンリムがすぐに好きになりました。終盤の歌い上げは、もっと作品をまとめ上げる力が欲しいと感じました。

あと今回気になったのが、舞台セットを手動で回したあと固定するための「安全装置」?みたいなものがあって、演者がそれを操作するたびにガッチャン!と大きな音がすること。小劇場なのですごく響く😂

 

【韓国ミュージカル関連】

 

ソニン関連】

 

礼真琴の「夢を見させる笑顔」に溶ける 星組『BIG FISH』6/1 S & 6/9 M 感想

とっても楽しみにしてきた『BIG FISH』見られました😭 とても素敵な作品&公演でした😭😭😭

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作品・公演概要

Big Fish
原作: Big Fish: A Novel of Mythic Proportions (1998 novel) , Big Fish (2003 movie)
音楽・詞: Andrew Lippa(アンドリュー・リッパ)
脚本: John Augustジョン・オーガスト
初演: 2013年 シカゴ(トライアウト)
                      ブロードウェイ
    2017年 ウエストエンド
                       東京

Big Fish (Original Broadway Cast Recording)

Big Fish (Original Broadway Cast Recording)

  • アンドリュー・リッパ
  • サウンドトラック
  • ¥2037

 

星組公演 ミュージカル『BIG FISH』

劇場: 東急シアターオーブ
潤色・演出: 稲葉太地
訳詞: 高橋亜子

 

キャスト

エドワード・ブルーム: 礼真琴
ウィル・ブルーム: 極美慎
サンドラ・ブルーム: 小桜ほのか
サンドラ(若かりし頃): 詩ちづる
ヤング・ウィル: 茉莉那ふみ
ジョセフィーン: 星咲希
カール: 大希颯
エーモス・キャロウェイ: 碧海さりお
ドン・プライス: 蒼舞咲歩
魔女: 都優奈
ジェニー・ヒル白妙なつ
ジェニー(若かりし頃): 鳳花るりな
ザッキー・プライス: 夕陽真輝
ベネット: ひろ香祐
人魚: 希沙薫

 

感想


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映画は小学生か中学生のときに1度見たことがあったけれど「よかった」ということしか覚えていなかったので、1回目の観劇と2回目の観劇の間に久しぶりに見ました。映画もやっぱり素敵でした。涙腺の固い私にしては珍しく泣きました🥹

礼真琴の「夢を見させる力」

そして私は気がついてしまいました。「礼真琴≒ユアン・マクレガーじゃん!ということに。

『BIG FISH』はエドワードが語る数々のファンタジックな物語で構成されていて、演者はその現実離れした世界に観客を引き込むための力を求められます。それを難なくやってのける俳優の筆頭がユアン・マクレガーです。

ユアンは『ビッグ・フィッシュ』でも『ムーラン・ルージュ!』でも、浮世離れした華々しい世界の語り手を演じています。そして彼の笑顔と声には観客に「夢を見させる」魔法のような力があると、私は感じています。ハチャメチャな超展開が起こったとしてもユアンがカメラにぱぁっと笑顔を向けると、観客側は喜んで受け入れざるを入れない、そういう意味では観客の心を思い通りに動かす「強制力」があるとも思います。

そんな「夢を見させる力」が、礼真琴さん(以下こっちゃん)の笑顔もありました。

エドワード・ブルームという人は多くの人を魅了するけれど、常識の通じない自分勝手な人です。結婚式ではウィルとの約束を破ってジョセフィーンの妊娠を公表した上に反省もしない。

現代パートのエドワードはいつも自分の昔話を語り続ける「老害」に近いです。(ただ、映画では年老いたエドワードをアルバート・フィニーが演じていて、その「老害」的な部分が強調されていたのに対し、宝塚版では老けメイクのこっちゃんがそのまま老エドワードを演じることで、どこか憎み切れないチャーミングさが生まれています)

エドワード「俺がいたら緊張してホームラン打てないだろ?」
ウィル「サッカーの試合だよ」
エドワード「...サッカーなんかスポーツじゃないよ」
のところなんかも酷いです。彼は決して自分の非を認めません。そして作品自体もエドワードの考え方や行いを肯定するような形で終わります。

今作の主軸になるのは、自分の人生を夢物語のように語るエドワードとそんな「自分語り」と父の不在に傷ついてきた息子ウィルの対立です。この対立は、これまで語られてこなかった父の功績「アシュトンの救出(映画ではスペクターの救出)」をウィルが知ることでやや和らぎ、そのあとは死に際のエドワードの願いを叶えるためにウィルが壮大な「父の死の物語」を作り上げることで、大団円のハッピーエンドに向かいます。ただ、結末において幼少期のウィルの抱えた不安や悩みにエドワードが、そして脚本が寄り添うことはありません。

こうしたエドワードの欠点、それからストーリー自体のエドワードへの甘さに柔らかく蓋をして、観客の目をくらませ、クライマックスまで突っ走らせる、そんな力がこっちゃんの笑顔とお芝居、そしてトップスターとしての魅せ方にはありました。こっちゃんのパワーと宝塚のスターシステムのフル活用といった具合で、ここに宝塚歌劇団で『BIG FISH』を上演する意味が詰まっていたと思います。

こんな風に書くと、この作品の結末を好きではないように見えてしまうかもしれませんが、私はこの作品が好きですし、クライマックスでは珍しく泣きそうになってしまいました。特に、父の話ほどは大きくないカールと父の話通りの見た目のままの魔女が葬式に現れるところが。

ちなみに、私にとって「夢を見させる」力の持ち主といえば、もう1人、アーロン・トヴェイトがいます。『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』のオリジナルクリスチャンです。

そして私は観劇中に気がつきました。「礼真琴≒ユアン・マクレガー」「ユアン・マクレガー≒アーロン・トヴェイト」つまり「礼真琴≒アーロン・トヴェイト」・・・こっちゃんはMR!でクリスチャンを演じるべきでは!?!?!?!?

観劇後ずっと、Elephant Love Medleyで頬杖をつく礼クリスチャンを妄想しては暴れています。版権が厳しいことはわかっているから妄想上演で我慢するけれど、せめてYour Songを歌う礼真琴を見たい。何卒。

 

久しぶりに出会った最高のラブデュエットと「良い趣味の悪趣味」

「デュエットならラブデュエットより喧嘩デュエット派!」な私の胸に久しぶりに突き刺さったのが、エドワードとサンドラが歌うTime Stops

このナンバーはカールと共にキャロウェイのサーカスにやって来たエドワードが、ちょうどオーディションを受けていた「アラバマの子羊」のパフォーマンスを目撃し、サンドラに一目惚れする場面で歌われます。

アラバマの子羊」のキュートでアップテンポなダンスと楽曲が、一気にゆっくりになり、ゆったり流れる時間の中でエドワードが1人、サンドラへの想いを歌い出すのがとてもロマンチック。エドワードの視線に気が付いたサンドラのバースがエドワードのメロディから近すぎず遠すぎない変形になっているのも美しいです。

あと私が好きなのが、曲の最終盤で1番盛り上がる「I'd live forever in this moment / If I could stop」のあとに一拍、息を呑むような完全な無音があって本当に時が止まったように感じるところです。

これを書きながら、こんなにもナンバーと演出が強固に結びついたものって案外珍しいかも?と思うなどしました。ミュージカルという表現媒体の面白さを感じる1曲です。

楽曲を手がけたアンドリュー・リッパの作品は、昨年12月に『ジョン&ジェン』で初めて触れました。その時も感じましたが、緻密に音楽で物語を推し進めていきつつ、観客の感情もガッツリ揺さぶりにくるところが好きです。『アダムス・ファミリー』も聴いてみようかな。

 

全編通して好みの曲は多かったのだけれど、そんな中でも特に心に刺さったもう1曲はShowdown

死期が迫り、家のベッドで安静にしているところにウィルがやってきて、アシュトンの家について詰められたエドワード。そのあとで彼が見る夢の中には直前までテレビで見ていたウエスタン映画の人々とカウボーイ姿のウィルが出て来て・・・という場面で歌われるこの楽曲がとても面白かったです。

Showdown

Showdown

  • Bobby Steggert & Norbert Leo Butz
  • サウンドトラック
  • ¥255

口元に笑みをたたえつつ、検事のように病床のエドワードを責めるウィルと「首吊りの刑がある〜」と陽気に歌うコーラス隊に、BWリバイバル演出版『ピピン』で感じたような「趣味の良い悪趣味」を感じて興奮しました。

 

「舞台映え」の意識と失われた円環構造

原作小説は読んでいないのですが、せっかく同時期に映画とミュージカルを見たので、ちょっとした比較を書き残します。

映画

大魚→魔女(幼少期の話)→アシュトン(巨人カール)→スペクター(人魚、裸足の少女ジェニファー・ヒル、詩人)→サーカス(狼男キャロウェイ団長)→サンドラとの結婚→朝鮮戦争?への出征(双子)→銀行強盗(詩人)→大雨と水没(人魚)→スペクターの買戻し(ジェニファー・ヒル)→死(大魚

ミュージカル

人魚・アラバマストンプ→魔女(幼少期の話)→アシュトン(ジェニー・ヒルと巨人カール)→サーカス(狼男キャロウェイ団長)→サンドラとの結婚→大戦?への出征(吹き矢)→ウエスタンの夢(ウィル)→アシュトンの水没と移住の援助(ジェニー・ヒル)→死

基本は映画の流れと近いものの、ところどころ「舞台映え」を意識した改変があるようです(どちらが原作小説を踏襲しているのかわかりません)。特にアシュトン(スペクター)の危機は舞台版では視覚的にわかりやすい形になっていました。

それからアラバマストンプであったり、The Showdownであったり、ミュージカルという表現手法と物語の持つファンタジックな世界観を掛け合わせた場面が追加されていて舞台で上演するミュージカル作品向けアダプテーションとしての「巧さ」を感じました。

ただ今回の上演に関して言えば、舞台上をスイセンで物理的に埋め尽くせないのは少し寂しかったです。階段状になった箱の壁面が開くとスイセンが敷き詰められていて、あとは映像とアーチで表現するというのは少し「苦肉の策」という感じがしました。作品に対する劇場のデカさと予算の厳しさを感じてしまいました。

そして私がいった6/1は、ドンにエドワードが殴られる場面でこの階段部分の壁面が一か所開いてしまい、中のスイセンが見えてしまうというハプニングがありました。ドンの取り巻きボーイズがなんとか修復しようとしていたのですが、無理でそのまま1つひらっきぱなしのまま芝居が続きました笑

 

それから1番気になったのが、タイトルである大魚(ビッグ・フィッシュ)の作中での存在感がミュージカルでは小さいところです。映画では、老エドワードが釣りをしている→若いエドワードが釣りをしている→大魚は泥棒の生まれ変わりという噂があるから結婚指輪を餌に釣り上げる→本当に欲しいものを釣り上げるには指輪を渡すこと(サンドラへのプロポーズを示唆する結婚式スピーチ)といった形で大魚の話題が作品冒頭に出てきます。そして作品最終版、ウィルはエドワードの死を「これまで出会った人たちに見守られる中、大魚になって湖に放たれる」という筋書きで語ります。大魚はエドワードが若かったときから存在するが、その正体は老エドワードの死後の姿であるという矛盾する円環構造になっているわけです。

対してミュージカルでは一応、作品冒頭、Overtureが流れる中で舞台上に大魚が泳ぐ映像が映し出されはするものの映画のように詳しく話が出てくることもなく(映画では老エドワードがバスタブに浸かって「水がないと生きられない」と発言するような伏線もある)、エドワードの死と大魚の結びつきも強調されません。

映画では魔女とジェニファー・ヒルをへレム・ボナム=カーターが1人で演じることで、魔女の円環構造も強調されています。エドワードが幼少期に出会った魔女の幼少期にスペクターで出会い、再び街に戻ってくると彼女は成長していて、後に魔女になると予想できます。

この不思議な時間の矛盾がミュージカルでは弱まっていました。もちろん幼少期に出会った魔女があのときと変わらぬ姿でエドワードのお葬式に現れるという展開は用意されているのですが。「パパの物語の中で、綺麗な人はみんなママなんだ」というミュージカルの台詞には時間の矛盾はないけれど、ファンタジーの現実が混ざり合うエドワードの物語を示す意味では同じ類のお洒落さを感じたりもしました。

 

キャスト感想

こっちゃんの感想は先述しましたので、他の方を。それにしても星組さん本当に歌唱レベルが高くて幸せでございます。

特にすごかったのが娘役さんたちです。小桜ほのかさんと詩ちづるさんのWサンドラが役にぴったりはまっていていて素晴らしかったです。

詩ちづるさんの子羊が可愛すぎて完全に視線を奪われました。1つ1つの動きがどこを切り取っても可憐で、表情や関節の動かし方にミニーちゃんを感じるところに舞空瞳さん(ひっとん)っぽさも感じます。Time Stopsの歌声も素晴らしく、このビジュの強さ、この踊りの可憐さで歌まで良いなんて・・・と恐れおののいております。RRRのシータも素晴らしかったので今後の作品も楽しみです。

小桜ほのかさんのサンドラには涙腺をやられました。アップテンポだったり壮大だったり派手な楽曲が多い作品の中でしっとりしたバラードを担うのは難しいと思うのですが、小桜さんのI Don't Need a Roofは心から聞き入ることができました。彼女のお芝居と歌声は作品全体に深みを与えていたと思います。エドワードとの距離感もすごくよかったんですよね。サンドラはエドワードを否定しないし、彼を心から愛しているけれど、彼を妄信しているように演じてしまうと「変な女」に見えてしまうと思います。小桜さんのサンドラからは、エドワードのホラ話を心から楽しみながらも自分の考えをしっかり持った1人の人間としての人格が感じられてとても好きでした。お芝居も歌も本当に上手すぎます!!

それから今回びっくりしたのが魔女役の都優奈さん。ハイカロリーな難曲を歌い上げていて、何者!?!?となりました。星組の娘役さんたちすごすぎます。男役の皆さんも「誰が歌っても上手い」状態で驚きました。

そして、極美慎のウィルですね〜!安定にビジュが鬼鬼鬼。かっこよすぎます。ソフトで朗らかな感じのお芝居なので初めからそこそこエドワードと上手く行きそうでは?と思いつつ、そんな彼でも譲れないものがあるのは幼少期に傷ついてきた辛さがあるからかな・・・とも思ったり、解釈するのも楽しかったです。

何よりThe Showdownでの口の片端を釣り上げる余裕の笑みに完全にやられてしまいました。あれは反則!!!

 

 

昨年6月の月組『DEATH TAKES A HOLIDAY』といい、宝塚×オーブ×版権はかなり私の心を潤してくれています🫶

 

最近、観劇レポの執筆が遅くなっていて良くないな~と思っています。フルタイムで働き始めて時間がなくなったのもあるけれど、(幸運にも?)言葉をこねくり回すような仕事に就いたもので、仕事後や休日に言葉を紡ぎ出す気力が湧かない・・・。鉄は熱いうちに打ちたいのですが。

 

星組関連】

 

【随時更新】トニー賞 パフォーマンスまとめ

録画見返す時用。公式動画はThe Hollywood Reporterしか上げてないっぽいし全部は上がってない

77th Tony Awards (2024)

1. Opening 

  • Ariana Debose - This Party's For You

2. Hell's Kitchen

  • The Gospel(Maleah Joi Moon & Company)
  • Authors of Forever(Kecia Lewis & Maleah Joi Moon)
  • Falling(Brandon Victor Dixon & Shoshana Bean)
  • Empire State of Mind (Part II) Broken Down(Company)
  • Empire State of MindAlicia Keys & Maleah Joi Moon & Jay-Z

3. The Who's Tommy

  • See Me, Feel Me(Ali Louis Bourzgui & Aliah James)
  • Pinball Wizard(Ali Louis Bourzgui & Local Lads & Company with Pete Townshend)

4. Merrily We Roll Along

  • Second Transition(Company)
  • Old Friends(Jonathan Groff & Daniel Radcliffe & Lindsay Mendez

5. Water for Elephants

  • Anywhere/Another Train(Grant Gustin & Stan Brown & Wade McCollum & Company)
  • The Road Don't Make You Young(Company)

6. Illinoise

  • The Predatory Wasp of the Palisades Is Out to Get Us!(Company)

7. Stereophonic

  • Masquerade(Will Brill & Juliana Canfield & Eli Gelb & Sarah Pidgeon & more)

8. Cabaret at the Kit Kat Club

  • Wilkommen(Eddie Redmayne & Company)

9. Special tribute to Chita Rivera

  • Spanish Rose - Bye Bye Birdie
  • All That Jazz - Chicago
  • Sweet Charity
  • Kiss of the Spider Woman
  • Amrica - West Side Story

10.  Suffs

  • Keep Marching(Shaina Taub & Nikki M. James & Company)

11. The Outsiders

  • Tulsa '67(Brody Grant & Sky Lakota-Lynch & Company)
  • Grease Got a Hold(Joshua Boone & Jason Schmidt & Daryl Tofa & Brent Comer & Greasers)
  • The Rumble(Company)

12. In Memoriam

  • What I Did for Love - A Chorus Line(Nicole Scherzinger

 

WOWOWスタジオ中継

1. ノミネート作品メドレー

  • Willkommen - Cabaret井上芳雄
  • Old Friends -- Like It Was - Merrily We Roll Along(宮澤エマ&井上芳雄
  • The Power of Love - Back to the Future: The Musical(宮澤&井上)
  • Empire State of Mind - Hell's Kitchen(宮澤&井上)

2. Electricity -『ビリー・エリオットリトル・ダンサー~』(春山嘉夢一ビリー&渡邉隼人マイケル)

 

76th Tony Awards (2023)

1. Opening

  • Ariana DeBose(Choreographed by Karla Puno Garcia)

2. New York, New York

  • Cheering for Me Now(Company)
  • New York, New York(Anna Uzele & Company)

3. Camelot 

  • C'est Moi(Jordan Donica)
  • The Lusty Month of May(Phillipa Soo & Company)
  • If Ever I Would Leave You(Jordan Donica)
  • Camelot (Reprise)(Andrew Burnap)

4. & Juliet

  • Roar(Lorna Courtney & Company)

5. Some Like It Hot

  • Some Like It Hot(NaTasha Yvette Williams  & Adrianna Hicks & J. Harrison Ghee & Company)

6. Into the Woods

7. Tribute to Lifetime Achievement Award winners Joel Grey and John Kander

  • Hot Honey Rag - Chicago(Ariana DeBose & Julianne Hough)

8. Parade

  • This Is Not Over Yet(Ben Platt & Micaela Diamond)

9. Sweeney Todd: The Demon Barber of Fleet Street

  • The Ballad of Sweeney Todd(Josh Groban & Annaleigh Ashford & Company)

10. A Beautiful Noise

  • Sweet Caroline(Will Swenson & Company)

11. In Memoriam

12. Kimberly Akimbo

  • Anagram(Victoria Clark & Justin Cooley & Company)

13. Shucked

  • Corn(Ashley D. Kelley & Grey Henson & Company)
  • Independently Owned(Alex Newell)
  • Somebody Will(Andrew Durand & Company)
  • Woman of the World(Caroline Innerbichler & Company)

14. Funny Girl

  • Don’t Rain On My Parade(Lea Michele & Company)

 

75th Tony Awards(2022)

1. Act One

  • Set the Stage(Darren Criss and Julianne Hough)
  • Mame - MAME(New York City Gay Men's Chorus)

2. Opening

  • This Is Your Round Of Applause(Ariana DeBose)

3. The Music Man

  • Seventy-Six Trombones(Hugh Jackman & Company)

4. MJ The Musical

  • Smooth Criminal(Myles Frost & Company)

5. Mr. Saturday Night

  • Stick Around(Shoshana Bean, Randy Graff, Billy Crystal, Chasten Harmon & Company)
  • Buddy's First Act(Billy Crystal, Randy Graff & David Paymer)

6. Company

  •  Company(Katrina Lenk & Company)

7. Girl from the North Country

  • Like a Rolling Stone(Mare Winningham & Company)
  • Pressing On(Jeannette Bayardelle & Company)

8. Stephen Sondheim Tribute

9. A Strange Loop

  • Intermission Song(Jaquel Spivey & Company)
  • Today(Jaquel Spivey & Company)

10. Spring Awakening Tribute

  • Touch Me(Original Cast of Spring Awakening

11. Paradise Square

  • Paradise Square(Joaquina Kalukango, Chilina Kennedy, Matt Bogart, Nathaniel Stampley & Company)
  • Let It Burn(Joaquina Kalukango)

12. In Memoriam

  • On the Street Where You Live - My Fair Lady(Billy Porter)

13. SIX

  • Ex-Wives(Adrianna Hicks, 

    Andrea Macasaet, Mallory Maedke(Dance Captain & Alternate), Brittney Mack, Samantha Pauly, Anna Uzele)

  • SIX(same cast)

14. Closing

  • This Is Your Round of Applause (Reprise)(Ariana DeBose)